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議会報告:議事録

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190-衆-厚生労働委員会-9号 平成28年03月30日

○初鹿委員 おはようございます。民進党の初鹿明博です。
 質疑者も、六番目ぐらいになると、かなり前に質問をされてしまっているので、ちょっとおさらいも含めて幾つか質問していきたいと思います。
 まず、今回の緊急対策の中の、小規模保育の定員を二十二人までというお話なんですが、私は、これは全く現実味がないんじゃないかと思うんですよ。
 というのは、人員配置は変えない、面積の基準も変えないということですよね。では、今の小規模保育で、基準よりも一人、二人、三人も余裕を持って保育室の面積を持っているような、そういう保育所が本当に幾つあるのかということなんですね。先ほどの答えだと、その数は把握していないということでしたよね。把握していないということでよろしいんですよね、大臣。ないんですよね。
 私は、ほとんどないと思います。小規模保育というのは、恐らく都市部なんですよ。東京は比較的多い。家賃が高いんですよ。事業主からすると、できる限り家賃を抑えようとしたら、ぎりぎりの面積でやろうとするのが当たり前じゃないですか。しかも、百平米を超えないようにするんですよ。
 大臣、何で百平米を超えないようにするかわかりますか。

○塩崎国務大臣 その理由については、つぶさに把握はしておりません。

○初鹿委員 百平米を超えると、用途変更をしたり、また、消防法の適用になってスプリンクラーをつけたり、そういう事業主の負担がふえるんですね。ですから、基本的に、大体のところは、小規模保育をつくろうという人は九十九以下の物件を探そうとするわけです。そうなると、保育室が七十ぐらいになるということですから、数をふやそうとしても、結局、余裕を持った面積の事業所というのはまずほとんどないと私は思います。ですので、これは即効性がないということを指摘させていただきます。
 では、次の質問に移りますけれども、今回、緊急対策でこれを出したということで、予算は一銭もふやさずに、できることをこの一週間、二週間で決めた、二週間もかからずに決めたわけですから、それはそういうことなんだと思いますが、これで終わりじゃないですよね。この後、きちんと処遇の改善も含めた対策を出す、そういう理解でよろしいんですよね。
    〔委員長退席、小松委員長代理着席〕

○塩崎国務大臣 そのとおりでございます。

○初鹿委員 それだったら、ぜひ、我々が提出している五万円の法案とあわせて、この委員会で集中審議という形で保育の問題を審議していただきたいんです。ぜひ、そのことを、まず、委員長じゃないんですけれども、委員長にお願いをいたします。

○小松委員長代理 後刻、理事会で協議いたします。

○初鹿委員 次に、先ほど大臣が、賃金を上げただけでは保育士不足は解消するわけではないという趣旨のお話があって、そのときに、働く環境の問題というのがあるということでしたけれども、働く環境の問題というのは具体的にどういうことを指しているのか、ちょっとお答えください。

○塩崎国務大臣 いろいろ聞いてみると、本当に、燃え尽き症候群的に忙しい。もちろん、子供さんがいるだけでも気配りをしないといけないことがたくさんあるということもありますし、一方で、書類を書かないといけないなどのこともあります。
 必ずしも保育士さんがやらなくてもいいこともやらなければいけないということなので、私どもは、補助者をつけられるように今回も予算、手だてを打っているわけでございまして、さまざまなことがみんな保育士さんがやらなきゃいけないことになっているということが、負担が重くなっている一番の実態ではないのかなというふうに思っています。
 したがって、なかなかしんどい仕事で長く続かないという話をよく聞きます。

○初鹿委員 先日、認可外の二十四時間の保育施設に視察に行ってまいりました、夜中に。そのときに、働いていた園長先生は、認可園で働いていた人が認可外に移ってきているんですよ。なぜだかわかりますか。普通に考えて、給料は何となく認可園の方が高そうな感じがしますよね。給料の問題じゃないと。
 何でかといったら、認可園は忙し過ぎて休みもとれないし、このままここで働いていたら自分の人生が送れなくなる、それで二十四時間のところに来ました、二十四時間で何がいいかといったら、夜勤の人がいるので、朝、割と遅目に出てくることができる、時間がある程度、シフトになっていて、柔軟になっている。
 つまり、どういうことかというと、今の保育士不足の原因の一つ、子育てしながら保育士を続けられないんですよ。これは、単に子供を預かる保育園がなかったというだけではなくて、保育園のあいている時間に勤務をするとなると、それよりも先に子供を預けなきゃいけない、また、終わった後、もっと後に子供を預かってくれるところがなければいけない、そういう受け皿が今ほとんどないわけですよ。だから、保育士さんが子供が生まれたら断念をすることになっているんじゃないかと思うんですよ。
 それを、勤務時間を真ん中に決めればいいという言い方をする方もいるんですが、大人数でやっているわけですよ。特定のこの人だけ朝早い勤務がない、夜遅い勤務がないといったら、やはり働きづらくなるわけじゃないですか。保育士さんの退職した理由、離職した理由のベストスリーの中に入っているのは職場の人間関係ですからね。つまり、働きづらい環境になるようなことはしたくないわけですよ。その結果、保育士さんはやめていって、子育ての最中はなかなか仕事につかないということになるわけです。
 このように、保育士さんの保育のニーズにどのように大臣は応えていこうと考えていますか。

○とかしき副大臣 お答えさせていただきます。
 今委員御指摘のように、保育士の方の育児環境を整えていくこと、これもとても大切でありまして、働き続けていただける環境を整えていくことがとても重要である、このように考えております。
 ということで、子ども・子育て新制度の認可サービスは、家庭的保育を含めて、全体の優先順位のつけ方の中で利用調整されていく仕組みでありますけれども、保育士の子供を優先することは難しいんですけれども、ただ、これは自治体独自でも優先入園の仕組みをとっているところもございます。
 御指摘のようなものに近いものとしましては、企業主導型保育を今回入れさせていただいておりまして、複数の企業が共同利用する、例えば保育所とか近隣の企業と協力し合って企業型保育所をつくっていただいて、そこで事業者が共同で経営をしていただいて、そういった保育士さんのニーズに応えていくような環境をつくっていくということも対応できるのではないか、このように考えております。
 ということで、いろいろな政策を組み合わせながら、保育士の皆さんも子育てしやすい環境をつくっていきたいと思っております。

○初鹿委員 先ほども言いましたけれども、施設型の保育だと多分限界があるんですよ、開園時間がありますから。だから、私は、保育士さんの保育ニーズに応えるためには家庭的保育をやはり広げていく必要があると思います。
 保育士さんの場合は特にそうだと思うんですよ。早く子供を預かる、また遅くまで預かれる。あと、保育士さんの子供が病気になったとき、病児保育に預けられないとお母さんは帰らなきゃならないじゃないですか。小規模保育で一人保育士さんが抜けたら子供を預かれなくなっちゃいますから、帰るわけにいかないんですよ。そのときに、家庭的な保育で、しかも病児保育の研修もきちんと受けている、そういう保育士さんに預けられていれば、帰る必要がなくて、その日は勤務を務められるようになると思うんです。
 保育士さんの保育を家庭的保育で担う、これを広げていくということについて、大臣、御見解をお伺いいたします。

○塩崎国務大臣 いろいろなニーズがあって、多様な保育の形があるべきだというのは、もうこれまでやってきた保育改革の一つの大きな考え方だと思うんです。
 ですから、今先生がおっしゃった、家庭的保育を、保育園という施設よりももうちょっと小さい、何人かで、保育ママのような形も含めてやるということは、私は有効な手だてだというふうに思いますが、その際には、やはりきちっとしたさまざまな基準、安全性、子供の発育にとってのプラスマイナスのこととか、いろいろ考えてみて、規制はしていかなきゃいけないんだろうというふうに思っているわけであります。
 病児保育は全般的にもう長い間の宿題になっていて、私の地元でもやはり幾つかの小児科ぐらいしか、それも一つに二人分、三人分しかないというようなことが続いていますから、ここはやはりもっと力を入れないといけないと私も思っているところでございます。

○初鹿委員 今お答えがあったとおり、やはりきちんとした研修をして、しっかり保育ができる人を家庭的保育の保育員にするべきだというふうに思うんです。
 実際に自治体でも少しずつ広がってきていますけれども、やはりなかなかそこが、広がるペースが、少ないんですよね。大体どこの自治体も十人とかそれぐらいなんですよ。私の住んでいる江戸川区はもう昔からゼロ歳児は保育ママでやると決めているので二百人いるんですけれども、そんな自治体は多分、日本全国でまれなんだと思うんですね。
 ただ、そういいながら、実は、家庭で子供を預かって業としてやっている人というのは、自治体を通さずに、たくさんいるんですよ、現状で。多分そのことは御存じですよね。
 今、届け出制になり始めていますけれども、届け出が進んでいくかというと、なかなか進まないんですよ。なぜかといったら、届け出たら施設基準を入れられてしまうんじゃないかとか、そういうことを懸念して、地下に潜ってアングラでやっちゃっているようなところもあるんですよ。でも、これは私はもったいないと思うんですね。こういう人材をきちんと制度の中で使えるようにしていくことが私は重要だと思います。
 そこで、ちょっと大臣にお伺いしますけれども、チャイルドマインダーという資格を御存じでしょうか。

○塩崎国務大臣 チャイルドマインダーというのは、保育における実践的な職業人材育成を目的とした民間の資格だというふうに聞いております。もともとはイギリスの制度だというふうに聞いておりますけれども、これは民間の資格で、英国における職業資格としてあるものを、日本でも同じように、民間で、一部の団体の方が認定を行っている制度というふうに理解をしております。

○初鹿委員 英国の国家職業資格で、法律にものっとって定められている資格で、これに準じたカリキュラムで日本でも保育のニーズに応える人材の養成をしている、そういう制度なんですね。結構、この団体は、自治体の家庭的保育の研修なども委託を受けて行ったりしているんですよ。
 ということは、このチャイルドマインダーという資格をきちんと認めて、これで家庭的保育の枠を広げていくことにすれば、今、会員、受講を終わった方々で二万人ぐらいいるそうですから、一気に二万人ぐらいの枠が広がるんですよ。
 このチャイルドマインダーを活用するということについて、大臣、御見解をお伺いしたいんですけれども、いかがでしょうか。

○塩崎国務大臣 昨年の四月からスタートしている中の小規模保育、先ほども議論がありましたが、この保育従事者などとして従事できるようにする子育て支援員がございますが、この仕組みの中で、研修は都道府県、市町村が委託などをして実施しています。
 チャイルドマインダー講座のカリキュラムの詳細は、まだ私ども十分、事務方もよくわかっていないところがありますが、その内容を子育て支援員の研修内容とあわせて整備をする、要するにシンクロするということになれば、地方自治体がチャイルドマインダー講座を子育て支援員研修として委託をすることもあり得るのではないかというふうには考えているところでございます。
 また、小規模保育事業のB型については、子育て支援員研修や市町村長が指定する研修などを修了した者であれば、保育士の資格を有しない者が従事することが可能となっています。各自治体が最終的にこれは判断をするということになっていますので、チャイルドマインダー講座を受講された方がこのB型で従事していただくという可能性もあるのかな。
 ですから、制度的に整備をして、大事なことは質の確保だろうと思いますので、少し研修の期間の長さなども異なるようでありますから、内容も含めて、その辺は調整が若干必要なのかなとは思いますけれども、基本的には、シンクロをさせていけば、今先生がおっしゃったような制度も取り込み可能ではないかというふうに思います。
    〔小松委員長代理退席、委員長着席〕

○初鹿委員 加えて、預かれる子供の年齢が二歳までですけれども、これを広げていったらどうかなと思うんです。
 それで、なぜ広げていくかということなんですが、今の待機児童問題の、特に三歳児問題がありますよね。三歳児は入れない、小規模保育に入れているけれども連携園がなくて困りますという人が物すごく多いわけですよ。そういう人たちに、例えば幼稚園に入ってもらうんですよ。そうしたら早く帰ってこられるから困るじゃないかということになりますよね。そのときに、家庭的保育でそれまで預かっていた保育員の方が迎えに行って、お母さんが帰るまでその子を今までやっていたとおりに預かるということができれば、私はかなりの割合で待機児童の問題は解決できていくと思うんですよ。三歳児の子供たちを幼稚園に入れて、その後、預かる人をつくる。
 これは、学校に行ってからも使えると思うんですよ。同じように、例えば学童保育に行きますよね。この小学校一年生の問題というのは非常に課題になっていますよ。今まで八時まで延長保育してくれたのに、学童保育はほとんど六時で、その後どうするんだということを大臣も非常に耳にしていますよね。そういう小学生になった子供たちも、この家庭的保育でゼロ歳から三歳まで預かっていた人が引き続き三年生ぐらいまで、自分でお留守番できるまで迎えに行くようになれば、これは親も安心だし、ずっとかかわってくれている人だと信頼できるし、非常に有意義じゃないかと思うんです。
 こういう新たな仕組みをつくるという、初めて私が提案するので、すぐにやりますとは言えないと思いますが、この私の提案について、大臣、どのようにお考えになりますか。

○とかしき副大臣 先にお答えさせていただきます。
 私、概況の方をちょっと御説明させていただきたいと思います。
 三歳以上につきましては、保育の受け皿をふやしていくこと、これも大切だというふうに考えております。特に、三歳以上は、幼稚園とか認定こども園、保育園を合わせて、利用率は今、九〇%になっております。四歳以上は九五%を超えております。ということで、就学前の教育、保育のサービスの量は全体的におおむね充足している、このように考えております。
 ということで、今お話ありました幼稚園と家庭的保育、これのことでございますけれども、今の対応といたしましては、市区町村事業として、ファミリー・サポート・センター事業、こういった形で対応させていただいているところであります。
 委員御指摘のように、幼稚園と家庭的保育、これを仮に組み合わせた場合は、公的な給付を一人のお子さんに二つ行うことになってしまいますので、現状では、今の状況では難しいということでございます。

○初鹿委員 今の現状だと難しいんでしょうけれども、ファミサポで代替するというのは私はいかがなものかなと思うんですよ。ファミサポの人は、しっかりしている人もいると思いますが、やはり子供を預かるということに対する研修の期間は明らかに少ないわけですよ。事故が起こったときにどう責任をとるんですかという問題にまで発展をしていくと思いますので、きちんと保育の教育を受けた方がきちんと担うように私はすべきだと思いますので、これはぜひ検討していただきたいと思います。
 では次に、大臣にお伺いしたいんですけれども、待機児童の問題です。
 この待機児童の問題、みんなが認可保育園に入りたいと言っている。認可外に預けていても、認可保育園に入りたいと言っている。その一番の理由は何だと思いますか。

○塩崎国務大臣 恐らく、一つは質であり、それから、コストではないかというふうに思います。

○初鹿委員 そうですね、質の面もあると思います。でも、認可外でも、いい保育をやっているところはたくさんあります。あたかも、この議論をしていると、認可外が全て悪みたいな、全て質が悪いみたいな言い方になってしまう方もいるんですが、そうではなくて、認可外でもきちんとした保育をしているところはあるんですよ。
 でも、預けている親からすると、認可園に入れたいというのは、やはり金額の問題ですよ。公的な支援が入っていない認可外は高いんですよ。入れたら安くて、入れないと高いという、このギャップの大きさをやはり私はどうにかして埋める必要があるんだと思います。
 認可外ですと、子供を預けて保育料を払いますよね、そこに消費税がかかるんですよ。御存じですよね。消費税がかかるんですよ。その消費税を自分が落ちた認可園のために使われているんですよ、認可園を落ちて認可外に入れている人は。このことを考えても、本当に、認可園に入れた場合と入れなかった場合のギャップが余りにも大き過ぎる。
 だから、私は、以前からずっと、民主党政権のときから言っていたんですけれども、施設に対して補助を出すというのは一定数は必要だと思いますが、やはり預けるという行為に対して補助を出す、支援をするという形に変えていくことが私は一番重要だと思うんです。そうすれば、家庭的保育の場合もそれで賄えるし、認可外に入れた場合も負担の軽減になるわけで、そうなったら、別に認可園じゃなくてもいいという人はたくさん出てくると思うんですけれども、この預けるという行為に対して補助を出すということについて、御見解をお伺いしたいんです。

○塩崎国務大臣 コストが非常に大きいファクターだという先生の今の御指摘で、そのとおりかと思いますが、今、子供を預けるという行為に対して公的な支援が行われる制度にしてみてはどうだというお考えだと思います。
 いずれにしても、こうやって建設的な提案をたくさんしていただくのは、大変いい議論になると思って、参考になりますので、ぜひお願いしたいと思います。
 これはきのうの予算委員会でも少し出ていましたが、いわゆるバウチャー制度というのが時々提案をされて、今もその考え方に相通ずるものではないかなというふうに思いましたが、さまざまな仕組みが考えられるわけで、一般的には、いわゆる使い道が制限をされて、給付を個人に対して支給して、あとはお任せする、こういう格好だろうと思うんですね。
 当然、利用者のメリットには、サービスの選択がみずからできるという、幅が広がる、これがある。それからもう一つは、多様なサービスが対象で、官製サービス一つみたいなことじゃないということで、選べるということがいいんじゃないかなというふうに思います。
 一方で、問題は、安全性とかそういうような質の問題があって、サービスの質が本当に確保できるかということを担保しないといけないという課題がある。それから、一定の利用料で一定のサービスを受けることができなくならないかという心配をされる方もおられる。この問題を解決せないかぬ。一人親家庭とか障害児などの弱者への配慮がこれで本当にできて、優先入所などが、バウチャーを持ってきた人が早い者勝ちみたいなことで、阻止されてしまうようなことがないかといった課題もあるのかなというふうに思っています。
 今回、新制度において、従来対象となっていなかったメニューを取り入れるということで、小規模保育などについても、多様なサービスについて質を確保した上で広く選択できるようには私どもしているわけでありますので、そういう意味で、今申し上げたようなメリットをどう今の制度の中でつくり込んでいくかということを、さらに私たちは絶えざる改革をしていかなければいけないのかなというふうに思います。
 きょうはまだ余りお話が出ていませんけれども、事業主がつくる、企業がつくる事業所内の保育所、こういうところにもいろいろな、バラエティーのあるサービスは用意が可能かもわからないなということで、私どもは今回期待をして企業主導型の保育事業というのを導入しているということも申し添えておきたいと思います。

○初鹿委員 私がこれを提案する理由はもう一つあって、認可保育園には仕事の働き方によって入れない人がいるんですよ。夜働いている人は、ほぼ一〇〇%、認可保育園に入れられないんですよ。
 ですから、私、二十四時間の保育施設に視察に行ってきたんですが、半分以上はホステスさんです。それと、そのとき預かっていた子供さんのお話を聞いたら、鉄道会社に勤めている人がいると言いました。スチュワーデスさんもいると言いました。そういう九時から五時じゃない働き方をしている人にとって、預ける場所は認可保育園にはほとんどありません。二十四時間の認可保育園も確かにありますが、それはわずかです。
 エイビイシイ保育園という歌舞伎町にある二十四時間の保育園、もう十年以上前ですけれども、認可になったときに伺ったことがあります。そのとき園長さんがちょっと悲しそうに言っていたのは、どういうことかというと、歌舞伎町で夜働くホステスさんを助けようと思って二十四時間の保育を始めた、でも、いろいろ考えて認可保育園になった、そうしたら、自治体を通して来るから、預かる人の親は大体、厚生労働省の人も当時いました、スチュワーデスさん、収入が高くて仕事が安定している人ばかりになりました。
 認可保育園は比較的そうなんですよ。でも、認可外で、仕事の時間が合わなくて、夜働いて、就労も不安定、収入がいつどうなるかわからない、そして雇用環境も不安定、そういう人たちには公的なお金が入らない。収入の高い人には、物すごい金額の公的な負担が認可保育園には入っている。この矛盾をやはり解消しないとならないと私は思うんです。
 この前行った二十四時間の保育所のホステスさんはどういう母親像なんですかというのを聞きました。十代、十八、十九歳のお母さんもいます、大体が二十代前半ですと言いました。十代で産んでいる。恐らく高校を中退しているか何か。そのまま昼間働いたら、多分、収入が手取りで十万そこそこ、それで子供と一緒に二人でアパートを借りて暮らして、子供を保育園に入れて、生活できますか。できないと思います。
 きのう、私、実際に子供を保育園に預けているホステスさんの話を聞いてきました。やはり昼間働いてそれで生活ができるんだったら昼間働きたいと子供のために思うけれども、東京でひとり暮らしをして、手取りで大体、今、シングルマザーで十五万ぐらいですよ。そこに児童扶養手当が乗っても二十万ぐらいです。そこで、認可園に入れなくて、七万円の保育料を払って、六万円から七万円の家賃を払ったら、生活できないじゃないですか。できないんですよ。だから夜働く、そういう人たちがたくさんいるんです。
 そういう現実を、塩崎大臣、どう思いますか。このように、認可保育園には多大な公的な資金が入っていて、そうじゃない認可外は入っていなくて、そこにいる人の方が経済的に厳しい、環境も厳しい、そういう状況をこのまま放置していいと思いますか。大臣、御見解をお伺いいたします。

○塩崎国務大臣 当然、全ての国民は無視されるべきではないわけであって、あらゆるニーズに応えていくということは大事な我々の責務だというふうに思っています。
 公的な、いわゆる認可の保育園の場合の硬直性というか、そういうことについてはよくわかるところで、ですから、今、それをどう解決できるのかということについて、できることは何でもやっていかなきゃいけないという時期に来ていますし、何よりも大事なのは、やはり子供の問題は我々にとって本当に、後を託す世代の子供たちでありますから、そういった子供たちがつらい目に遭って、しっかりとした健全育成ができないというのは好ましいことではないので、これは解決をしていかなきゃいけないので、知恵を出さなきゃいけないと思います。
 先ほど申し上げたように、今回もいろいろな緊急的な対策を設けましたし、これは緊急じゃありませんが、企業型のものもフレキシブルに、いろいろなことで、初めて、企業の中、敷地の中から、今度は外に置いてもいいというようなこともやっているということで、歩みは進んでいますけれども、それが十分なペースかどうかということは絶えず見直していかなければいけないんじゃないかなというふうに思います。

○初鹿委員 一億総活躍というからには、やはり子育てしながら夜働いている人にもきちんと目を向けてもらいたいんです。この待機児童の問題を語っていくと、どうしても、認可園に入れる人たちの、入れる時間で働いている人たちのことにしか目が行っていないように感じるんですよ。
 私は、そうじゃない人たちもたくさんいて、そうじゃない人たちは公的な支援が今後も一切受けられない状況に置かれているんだということを忘れないでいただきたい。ですから、私は、預かるという行為に対して公的な支援をできる、そういう制度をつくってほしいということをここで提案させていただいているんです。
 ぜひ、そのことを真摯に受けとめて、検討を始めていただきたいとお願いをして、私の質問を終わります。どうもありがとうございます。