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議会報告:議事録

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190-衆-厚生労働委員会-4号 平成28年03月11日

○浦野委員 よろしくお願いをいたします。
 本日は、法案の審議ですので、まず、法案の中身にかかわる質問をしたいと思います。
 育児休業の改正についてなんですけれども、里親の関係で育児休業の改正を行う部分がありますけれども、その部分、少し内容を詳しく一度説明してください。

○浦野委員 権限の強い最低基準であるということで、育児休業は申請すれば必ずとれるというものであるからこそ、制限的にやらざるを得ないというような感じなんですけれども、今、里親制度、国の政策で、もっとたくさんの人に子供を見てもらおうということで、里親の人たちをふやそうという政策をとっていらっしゃいますよね。養育里親という方々も、今たくさん、なっている方がふえていっています。実は私も、妻と二人で養育里親の研修を受けて、今やっているわけですけれども。
 養育里親なんかでも、小さい子供を預かる場合があります。養育里親になるにはやはり経済的にもしっかりと仕事をしていなければいけないですし、いろいろな条件があって、子供を預かりたいけれども、そのときに、確かに今のままだと育児休業はとれません。でも、仕事しないといけないので、小さい子供とかでも保育園に入れないと仕事できませんから。では、途中でいきなり、そんな決まった期間に、ではこの何月から何日までですみたいなふうに来ることはほとんどないですから、やはり突然、お願いできますかというふうに来るわけですよね。そうしたら、そんな突然来る子供を保育園に入所なんかもちろんできませんから、結局、養育したいけれども、養育してあげたいけれども、預かってあげたいけれども、自分の仕事の環境が整えられなかったら養育できないわけですね。
 だから、今局長がおっしゃった答弁もわかるんですけれども、今回の改正、拡大になっていますから、僕はいいことだと思うんです、でもさらに、やはり国全体で子供を見ていくのであれば、私はそういう養育里親とかも育児休業がとれるようにした方がいいんじゃないかというふうに思うんです。
 だから、要は、今以上に拡大を検討していく、そういったことは必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○塩崎国務大臣 浦野委員と私は思いを共通にするものだと思っております。
 私も正直、今回、育児・介護休業法を見て、実の親子に限っているという条文が入っていて、そういう縛りの中で、昨今虐待がふえて、里親や特別養子縁組を目指している人たちをどう取り込んでいくんだろうかと。
 つまり、本当の親子に準ずる形での親子の形を持つことがやはり子供にとっては一番大事であり、特に、小さなとき、つまりゼロ歳から二歳、場合によっては就学前までの時期に、そういった形で実の親子に近い形の育て方、養育の仕方が愛着形成にとってはとても大事だというふうに思っていたので、私は、養育里親でも、例えば児童相談所長が認めれば実の親子に準ずるものということもあり得るのではないかということを強く主張したわけでありますが、労政審では、拠出者が使用者と働く人たちということで、そこでの合意が得られずに、今回こういう形で養子縁組里親のところまでが親子の関係に準ずる関係だということに育児休業の世界では整理をした。
 今までよりは、実の親子ではない特別養子縁組の監護期間と養子縁組里親が入るということで一歩前進ではありますが、まだまだこれは議論しないといけません。
 今回、私ども、養育に関しては、実の親の養育と、それに準ずる形の養育の中に特別養子縁組と里親が入って、今まで実は、家庭的養護という中に特別養子縁組も里親も入っていたんですね、今、いるんです。しかしそれは、実は、小規模の児童養護施設なども家庭的養護と言っているけれども、これは全然違うだろうと。だから、本当の親子と準ずるもの、それで、小規模の施設でやるもの、ここを家庭的養護と言うべきではないのかということを今提案していますが、これは児童福祉法の改正の際に議論していただければというふうに思っております。
 いずれにしても、愛着形成を幼児のときにしっかりと体得するということが、その子供にとっての将来が開かれることになるのではないかというふうに思いますので、先生の御提案あるいは御指摘は、しかと受けてまいりたいというふうに思っております。

○浦野委員 思ってもみない丁寧な前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 私ども、やはり、児童虐待だとかそういったものがもう本当にしょっちゅう起こる世界で、何か少しでもいいからそういう助けになりたい、そういう子供たちを少しでも、自分たちで面倒を見られるんだったら面倒を見てあげたいという、私の妻の、非常に、使命感というか、やはり子供を持つ親としての憤りというか、そういうのがすごく大きくて、今回その里親。もちろん、私の職業上、こっちに、東京にいてる間はずっと妻が見るので非常に大変なんですけれども、それも覚悟をして、今そういうことをやっているんですね。
 私は、やはり、そういった努力をこれからしてくれる方々がたくさん、どんどんふえていっています、今、実際に。そういった方々が、よりいい環境で子供を迎えることができるように、この問題については、もうちょっと拡大をしていく。
 もちろん、これを悪用する人が出て、強い権限を持っているものですから、悪用して、ずっと育休をとっている人とかが出てくるかもしれません。でも、それはそれでやはり何か対策をとって、そういうことができないように、先ほど大臣がおっしゃったように、児童相談所の所長が認めないといけないとか、そういうふうなことをセーフティーとしてつけてやっていけばいいと思っていますので、これからも前向きな検討、よろしくお願いをいたします。
 この育児休業という言葉、育休という言葉で、一時期、非常にいろいろと話題を振りまいた方がいらっしゃいました。あの件があって、私は逆に、国会議員が育休をとったところで、一般的な男性の育休がふえるかといったら、そうじゃないというふうに、私はその当時も言っていました。
 ツイッターには、今、アンケートをとる機能もありますので、ツイッターで、皆さんどう思われますかということでアンケートもしました。八六%の方が、あの件で男性の育休取得がふえるとは思わないという回答をしてくれました。私もまさにそうだというふうに思っています。
 ただ、その後、ああいうことが起きて、逆に育児休業に悪影響を与えることだけは僕は避けたいと思っていますので、その点について、何か一言、答弁をいただけたら。

○とかしき副大臣 お答えさせていただきます。
 男性が積極的に育児を行うということは、子育てに関する希望の実現にもなりますし、また女性の継続就業や、さらに出産意欲の向上と、本当にいいことがたくさんありますので、ぜひ積極的に男性には育児にかかわっていただきたいなと思っております。
 実際、育児休業取得率、上昇傾向にはあるんですけれども、数字を見ますと、平成二十六年で二・三%と、依然、残念ながら低い水準となっております。一応、政府の目標といたしましては、二〇二〇年までに一三%と、かなり大きな数字になっております。
 このため、厚生労働省といたしましては、男性の育児と仕事の両立に取り組んでほしいということで、イクメンプロジェクト、これを実施させていただくとともに、育児休業給付の支給による育児休業期間の経済的支援に積極的に取り組んでいるところであります。
 そして、最近は、厚生労働省も、実は職場の環境も結構影響があるのではないかということで、新たな取り組みといたしまして、実は、平成二十七年の五月から、これは厚生労働省の中だけでやっているんですが、政務三役によりまして、お子さんを出産なさった職員の皆さんと、あと上司の方と、両方集まっていただきまして、そして話し合いをするという機会を設けさせていただきました。
 実は、これは効果がかなりてきめんでございまして、話し合いを声かけする直前は育休取得率は一二・一%、話し合いをして、積極的に男性の育児休暇をよろしくお願いしますと上司と会わせてお話をさせていただきますと二六・七%と、倍以上にはね上がっているということで、これは非常に、やはり男性が育児休暇をとるというのは周りの環境を整えてあげるということが大切であるというふうに考えます。
 これらの取り組みに加えて、今回の法律案では、職場の上司や同僚からの育児休暇取得を理由とする嫌がらせの防止、事業主にそういったことを義務づけていこうとか、男性による育児休暇の取得を促すような企業への助成金、これを平成二十八年度の予算の中に盛り込ませていただきます。
 ということで、いろいろな政策を組み合わせまして、これからも男性の育児休暇取得、積極的に取り組んでいきたいと思っております。ありがとうございます。

○浦野委員 もう時間が来ていますので、子育ての集中審議をもう一度求めていきたいと思っています。
 ただ、保育士の給料を上げるといってもそう簡単な問題ではないんですね。まずやはり財源の問題もありますし、公私間格差もどうするのかという問題も出てきます。そのお金が内部留保に流れてしまっては意味がありませんので、そういったところも含めて、やはり一度ゆっくりとこういった審議をするべきだというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 質問を終わります。