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議会報告:議事録

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190-参-財政金融委員会-14号 平成28年05月24日

○尾立源幸君 大臣もBEPSで面白いお話をされたので、私も少し御披露したいと思います。パナマといえばパナマ運河であります。これは格差を縮小するために造ったものですが、今回のパナマ文書は格差を拡大するためのものですので、是非そういうことがないように取組を真摯にお進めをいただきたいと思います。
 それでは最後に、ちょっとフライングぎみになりますが、今後審議される予定であります、衆議院でも可決されました酒税法等改正案について取り上げたいと思います。
 この法案が提出された背景は、平成二十六年の衆参の委員会で請願が採択をされたことにございます。これは、皆さん方の今日お手元に配付をさせていただいております。
 そこで、趣旨についてはもう申し上げませんが、まず厚生労働省と警察庁に、未成年の飲酒問題についてどのように考え対策を行っているのか、質問をさせていただきたいと思います。

○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 未成年者のアルコールの飲酒の件でございますけれども、未成年は臓器の機能が未完成でございますのでアルコールの分解能力がやはり低いということで、成年に比べまして、ですからアルコールの影響を非常に受けやすいということでございます。
 ですから、厚生労働省といたしましては、平成二十五年から開始させていただいております第二次健康日本21に基づきまして、国民の健康づくりの運動を実施させていただいております。さらに、その中で、平成三十四年までに未成年の飲酒をなくす、ゼロにするということですけれども、これを目標として掲げさせていただいております。そして、それを受けまして、厚生労働省では、厚生労働科学研究で実態調査を実施するとともに、ウエブサイトやアルコール対策担当者講習会、これは自治体の職員に対してやっているんですけれども、こういったことを通じまして、飲酒に関する正しい知識と未成年者の飲酒防止の普及啓発活動をさせていただいております。
 これも少し効果が出てきておりまして、過去三十日間に一回飲酒したことのある割合なんですが、中学三年生男子が、平成二十二年の場合は一〇・五%、これが平成二十六年になりますと七・二%、同じく中三の女子ですけれども、平成二十二年は一一・七%、平成二十六年になりますと五・二%と半減をしているというところであります。ただ、まだゼロには至っておりませんので、今後も未成年者の飲酒をなくすことを目指して、アルコールの健康の影響なども捉えつつ普及啓発活動にこれからも取り組んでいきたいと、このように考えております。

○政府参考人(種谷良二君) お答えいたします。
 未成年者の飲酒につきましては、その健全育成を阻害し、非行の前兆ともなり得る不良行為であることから、適切な防止対策を講ずることが必要であるというふうに認識をしております。
 警察では、未成年者飲酒禁止法に基づきまして、未成年者が飲酒することを知りながら未成年者に酒類を販売した営業者等に対しまして取締りを行ってきておりまして、平成二十七年においては百三十一件を検挙しているところでございます。また、飲酒をしている不良行為少年の補導を推進しておりまして、平成二十七年においては一万一千六百八十一人の補導を行っているところでございます。
 さらに、未成年者に対しましては、学校と連携した非行防止教室等において飲酒による心身の悪影響を説明し、未成年者の飲酒防止のための教育、啓発を行ってきているところでございます。

○尾立源幸君 両省におかれましては、是非、大人にとっては節度あるお酒というのは楽しいものなんですけれども、成長期の未成年の方々への飲酒防止にはしっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、価格について議論をさせていただきたいと思います。酒類の販売に当たっては、公正取引委員会の独占禁止法と国税庁の酒類に関する公正な取引のための指針の二つがございます。
 まず、公取に伺いたいと思います。不当廉売に係る注意件数と分野別の内容をお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(山田昭典君) お答えいたします。
 公正取引委員会におきましては、不当廉売事案につきまして、違反とは言えない場合でありましても、独占禁止法違反につながるおそれが見られる場合には、違反行為の未然防止を図る観点から、ただいま御指摘ありましたように、当事者に対して注意を行って、迅速に処理することとしております。
 不当廉売に係ります注意の件数と主な分野別の内訳でございますが、平成二十七年度におきましては全体で八百四十一件の注意を行っております。その内訳は、多い順に申し上げますと、酒類に関するものが四百九十件、石油製品に関するものが三百四十一件、家電製品に関するものが三件、その他が七件となっております。