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議会報告:議事録

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190-参-内閣委員会-17号 平成28年05月26日

○山田太郎君 日本を元気にする会・無所属会の山田太郎でございます。
 私も、再選がないとこれが最後になっちゃうといけませんので、頑張ってやりたいというように思っておりますけれども、まさに、江口先生のはマクロ的なところから今回の国家戦略特区の質疑をされたと思います。私自身は、多少ミクロ的というか、具体的なところから質疑させていただきたいと思っております。
 まさに国家戦略特区の考え方、私は、総論としては賛成であります。私も企業人でありまして、改革を一生懸命やる会社をつくってきました。多分これまで三百社以上の改革、大小を含めていろいろやってきたわけですけれども、まさに改革でいうところのプロトタイプというんですかね、各地域に区切って成功事例を展開していくというやり方はまさに理にかなったやり方だというふうに思っております。
 一方、今回戦略特区の議論があるのは、やっぱり国にも大きな危機感があるからだろうと、このままではまずいと。どこから成長を求めていくのか、地方を変えなければならないのか、そういう観点から議論していると。一方、石破大臣とも何度も質疑させていただきながら、少子化の問題、高齢化、農業の問題、本当に課題を共有するところは非常に多いというふうに思っております。
 ただ、私も改革のプロとして多少、修正並びに問題点、これは指摘させていただきながら、よりいいものができるようにということで今回幾つか取り上げてやらせていただきたい、こんなスタンスでやらせていただきたいと思っております。
 まず最初に、ちょっと順番変えまして、クールジャパン、アニメ産業というところで少し質疑に入っていきたいと思います。
 クールジャパン自身は、安倍政権の目玉でもありますし、今回の国家戦略特区の中でもインバウンドということで外国人を取り入れていくと、こういうことが語られているんですが、ただ、今回の入口になった背景は何かというと、これ新潟の経済同友会さんが、タイ人の男性が専門学校を出たんだけれども、アシスタントとしてある漫画家さんから内定をもらったんだけど実は在留許可が出なかったと、これをめぐって何とかできないだろうか、こういうことで多分話がスタートしたんだというふうに思っております。
 じゃ、本当に今回の戦略特区の考え方が、それに即して何かこういった問題を解決し、かつクールジャパン、あるいは外国の人たちにもより漫画、アニメが促進するというところに資するのかというところは、実は細かく見ているとどうもちょっと道筋がどこかで違ってきちゃっているんではないかなということで取り上げたいとひとつ思っております。
 資料をお配りしていますのでひとつ見ていただきたいんですが、アニメーション制作の実態ということで前回も少し、まさに職種平均の年収が、動画百十一万円、第二原画では百十二万円というのは非常に低いということを前回ちょろっとお話ししました。
 ただ一方、もうちょっと細かく見ていくと、何と契約書取り交わしは、全く取り交わしていないが四二%、時々取り交わしているが二一%。就業状態は、円グラフを見ていただくと、自営業、フリーランスで半分以上と、こういう実態になっているんですね。ただし、どこで働いているかというと、制作会社で九〇%が働いていると、こういうわけなんです。
 でも、何で辞めないかというと、まさに私自身も漫画、アニメ、ゲームを特に表現の自由というところから守っていかなきゃいけないということをずっとやってきたんですが、やっぱり好きな人は好きなんですね。仕事が楽しいから六五%ということで、やっぱりこういう状況下でも辞めないというのは続いているわけであります。一番収入がこのアニメ業界で高いと言われている監督さんも六百四十九万円と。これ、さして、全、いろんな職種から比べたときに高いとは決して言えないというふうに思うわけであります。
 一方で、こう見てみると、これは最賃も割っているんじゃないかというようなことで、法的に問題がないかということで今回随分いろいろ調べさせていただきました。
 ちょっと次の資料を見ていただきたいんですが、実は、雇用形態としては、今回、請負のフリーランス並びに個人事業主という形で受けているということなので、実は下請法というのが一つ考えられるんですね。ただ、下請法は、その元請というか、発注する側が資本金が一千万円超の会社が出した場合に受けた側が下請として認識されるわけでありまして、実は、出している今回の制作会社がみんな小さいところらしいと。実はこの調査がなかなか進んでいないということも言われているんですが、そうなってくると、実は幾ら給料が安かろうと、労働基準上問題であったとしても、まず雇用契約としての社員ではない、だから外れてしまう。一方で、下請法として守られているかというと保護されていないと。こういうところにすぽんと入り込んでいると。これが全体で法律の抜け穴というか、わざわざ抜け穴をつくったからとは思いませんけれども、抜けている部分なんじゃないかなというふうに思っているわけであります。
 そこで、ちょっとこの辺はまず厚労省さんからお伺いしたいと思いますけれども、実際には制作会社に机を並べていて、かつ、元請から要は都度指示を受けながら作業をしている状況は、もしかしたら偽装請負という可能性もあるわけであります。あるいは、みなしとしては雇っているのと同じ状況ではないかということも考えられるわけであります。
 レクの中でも、もちろん個別判断になるとの前提はありましたが、偽装請負の可能性はなくはないというような話もいろいろあったのでありますが、労働法制をつかさどる厚労省さんの立場としては、この辺を今後調査してみたりとか研究したりとか、又は請負上にも問題があるのではないかというような懸念を持っているかどうか、この辺り御答弁いただけないでしょうか。

○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 アニメ業界を含め多くの働く方の法定労働条件の履行確保を図ることはとても大切であると、このように考えております。
 労働基準監督機関におきましては、労働基準法や最低賃金の違反が疑われる事業者に対しては監督指導を実施させていただいておりまして、違法な長時間労働や適切な賃金が支払われていないなどの違法があった場合は、それを是正を指導させていただいております。
 特に昨今は、長時間労働はこれを削減していこうというのは喫緊の課題でありまして、月に百時間超えの残業を把握した時点で全ての事業者に対する指導監督を行わせていただいておりまして、本年度からはその対象を更に月八十時間超に拡大するなど、法定制度の執行強化に取り組んでおります。
 ということで、これもアニメ業界含め働く方々が安心していただけるように配慮していきたいと、このように考えております。
 御指摘のアニメーターの方について、フリーランスで契約している場合なんですけれども、これも実は雇用形態いろいろあるようでございまして、使用者の指導監督下にあるか否か、報酬が労働の対価と言えるか否かによって、実態に即してそれが対価と言えるかどうなのかと、個別に判断していかなくてはいけないということで、その結果、もし労働者として認められるのであれば労働基準法等が適用されると、こういうことになります。その上で、労働者と認められた方におきましては、労働基準法や最低賃金法に定める労働条件を下回っている場合はその是正を指導していくということで、ケース・バイ・ケースでその都度その都度判断していかないとなかなか対応できないということであります。
 アニメ業界以外にも、いろんな問題を抱え、構造的に長時間労働になったり低賃金になっているような業種もたくさんございますので、それぞれ、しっかりと労働者の働きやすい環境を確保していくことをこれからも心掛けていきたいと、このように考えております。

○山田太郎君 ありがとうございます。
 好きこそ何とかというのにある意味で付け込んでいると言われかねないような状況だというふうにも思っております。産業を発展させるためには、政府としてもこの漫画、アニメ業界を育成していこうということは方針としてあるようですから、是非、この辺りに少しメスというか、まず実態の調査をしっかり特に厚労省さん等にはやっていただきたいと思います。
 経産省さんにも、あわせて、これを育成する立場にあると思いますが、例えば経産省側からの申入れとして、要は、フリーランスで個人事業主、一千万以下だから法律に引っかからないという状況を何とかしなきゃいけないんじゃないかというような問題提起、一方であってもいいのかなと。実は、これはもしかしたらアニメ業界だけじゃない問題、いろいろ、いわゆるでっちと言われるようなところがまだまだ残っているような産業にはあるのではないかな、中企庁さんも含めて課題だと思いますので、是非経産省さんからも御答弁いただきたいんですが、いかがですか。

○大臣政務官(星野剛士君) お答え申し上げます。
 アニメーションの制作は、中小の制作会社や個人のアニメーターを含めた多くの事業者によって支えられておりまして、親事業者と下請事業者の間の取引の適正化が重要だと認識をしております。
 このような状況を踏まえまして、経済産業省では、平成二十五年四月にアニメーション作成業界における下請ガイドラインを策定をいたしまして、その普及啓発を行ってきているところでございます。例えば、短納期発注における単価協議の必要性や書面で交付すべき業務内容など、事例を挙げて説明をしているところでございます。
 また、アニメ産業全体の市場成長や生産性向上も重要な課題だと認識をしておりまして、経済産業省では、アニメ等の国際見本市の開催による国際展開や、デジタル技術の活用による生産性向上促進等の振興策にも取り組んでいるところでございます。
 アニメ産業を支えるアニメーターの就労環境の向上にもつながるよう、今後ともしっかりとアニメ産業の振興に努めてまいりたいと、このように考えております。

○山田太郎君 もう一つ、次のページの資料を見ていただきたいんですが、これ、若手の専門学校卒の平均年収の実態ということも調べさせていただきました。これ、文化庁さんの資料から取っていますが、年間平均百六万円だということでありまして、ますます動画の平均よりも低いということなわけであります。これもう明らかに、どう計算しても最賃、最低賃金を割っているんではないかと。東京都のいわゆる時給の最賃が今九百七円ということでありますから、実態二百八十六万円を年収で割ってしまうと、もうこれは最賃以下ということになるわけなんですね。
 実は、これを見てみると、ちょっと今回の経済特区のデザインではおかしな話が出てきます。これは何かといいますと、外国人の人を学校に呼んでインバウンドで育てようというふうにいっても、実際これでは外国人の人が、じゃ、このアニメーターの仕事に就いたときに、まずこの専門学校を出た平均では最賃を割ってしまう。実は外国人の方々が、じゃ、勤めた先でどれぐらい年収をもらっているのかということで、上位五位等をいろいろ試算でいただいたんですが、全部最賃以下だったと。こういうような状況下もある中で、こうなってくると、そもそもこの経済特区は何のためにつくったのかと。つまり、在留許可は結局下りないんですね。
 在留許可が下りるための条件としては、これは今日は法務省さんにも来ていただいていると思いますので、最賃についても余りいろんなものにきちっと書かれているわけじゃないので、実は在留許可に関しては、単純労働は駄目だよという論点と、もう一つは、日本人のその領域における最低賃金等を割るような状況では駄目だよというのがあると思いますが、まずちょっとこの辺り、法務省、確認したいんですが、いかがですか。

○政府参考人(佐々木聖子君) 御説明申し上げます。
 アニメーターとしての活動が該当し得る在留資格として、技術・人文知識・国際業務が考えられます。この在留資格は、一般的にはフルタイムで就労することを前提としている在留資格ですが、その業務内容が専門的な知識や技術を要する業務に該当し、さらに法務省令に定める学歴要件あるいは報酬要件を満たしていると判断された場合に認められるものでございます。
 今委員御指摘の年収約百六万円という例でございますけれども、フルタイムで稼働してこの金額の場合には最低賃金すら満たしていないと考えられることから、たとえ他の要件を満たしているとしても、法務省令に定める今御指摘の日本人と同等額以上という報酬要件に適合するとは認められず、一般的にはこの在留資格が許可されないこと、御指摘のとおりでございます。

○山田太郎君 これはもう石破大臣にお伺いしなきゃいけないと思うんですけれども、この辺りが、デザインというか、思いとしてはすごくいいんだけれども、現実的には適用ができないというんですかね、一切これでは、まさにせっかく戦略特区として目玉で一つ箱をつくっていただいて、アニメ振興、漫画振興ということをつくっていただいても、まあ詰めが甘いというふうに言っちゃうとすごく怒られるかもしれないんですけれども、別の論点も含めて大きくしっかり実態を考えていかないと、なかなか一件も適用できない可能性が出てきているという実態、この辺りをちょっと大臣の方からも御答弁いただきたいんですけれども、いかがですか。

○国務大臣(石破茂君) 大変いろんな御指摘をいただき、ありがとうございました。
 まず、実態をきちんと認識をしなければいけないと思っております。今、とかしき副大臣から答弁がありましたように、私ども政府として、まず実態をきちんと把握をして、クールジャパンの人材、せっかくいろんなスキルを身に付けて、希望に満ちて働こうと思ったら駄目ですよというふうに言われる、その基準が余り明確ではないねということも決してよろしいことではございません。
 そういうような人材がきちんと登用できますように、法務省、あるいは厚労省、経産省と私どもも協力してやってまいりたいと思っております。

○山田太郎君 是非、クールジャパンや外国人受入れというのは私はできればやっていただきたいと思うんですが、ちょっとこれをきっかけに、産業育成の在り方どうなのかということも、地域とはまた別にこういう問題が隠れている、これはほかの産業にもあることかもしれません。この辺り、総合的に考えていく必要があるんではないかということで御提起させていただきました。
 さて、次は、ちょっとこれも前回やったんですが、障害者雇用率の問題で、少しこれも違った角度で、この箱がうまくいくようにということで質疑を続けていきたいと思います。
 障害者の雇用率の問題に関してはこの委員会でも私、何度か取り上げさせていただいてはいるんですが、前回も少しそれはやったんですけれども、ちょっと資料をこれも付けておりますので、特別支援教育の現状ということで、ちょっとその資料、最後の紙になりますけれども、ちょっと飛ばして見ていただきたいというふうに思っております。
 まず、問題は、知的障害者並びに精神障害者なんです。今、障害者の雇用を何とか増やしていこう、法定雇用率二%を全企業において実現していこうというのが一つの考え方。中小企業においてもそれが今平均で大体一・五以下ですから、LLPみたいのをつくって、うまく効率的に中小企業でもその比率を高めていこうというのは分かるんですが、どういう方々が、じゃ、今後職に就く可能性が出てくるかということについて細かく見ていきますと、四月一日の障害者差別撤廃法を機会に、知的障害者並びに精神障害者の方々の受入れをどうするかということが実は大きな問題なんですね。そういう障害を持っているからという理由で拒んだりはできないということになってきます。
 一定数の機能障害の方々は、これまで確かに国も一生懸命やってきたということで、かなりいわゆる就職はできているということなんですが、特別支援学校の状況を実際文科省さんに資料を作っていただきましたので見ていただくと、就業者が三〇%、それから施設・医療機関ということで六二・八%ということで、基本的に三割ぐらいしかいわゆる就業ができていない。
 もう一つ今日ちょっと論点にしたいのは、進学者というところも見ていただきたいんですが、〇・四。事実上、高等教育には進学できないというのが今の知的障害者の実態だというふうに考えています。
 まず、この辺りの資料をちょっときちっと確認する必要があると思いますので、文科省さんの認識としてはこういうことでよろしいのか、今日来ていただいていますので、御答弁いただけますでしょうか。

○副大臣(義家弘介君) そのとおりでございます。

○山田太郎君 打合せどおり、短くということでお願いしたとおり、本当に御協力ありがとうございます。
 さて、もう一つの、これも確認なんですが、じゃ、知的障害者の方々の平均勤続年数はどれぐらいかということで、これも厚労省の方、調べていただいていますので、これも短くて結構でございます、何年ということでお答えいただけないでしょうか。

○副大臣(とかしきなおみ君) 知的障害のある方の平均勤続年数は七年と九か月ということで、これは平成二十五年度の調査でございます。

○山田太郎君 ありがとうございます。
 実は、この七年と九か月が長いのか短いのかということなんでありますが、障害者全部の平均では約十年ということになっておりますから短いんですが、意外と長いといえば長い。ただ、大体八年弱ぐらいでほぼ全ての知的障害の方々は一旦仕事を辞めることになっているというのが実態だということだけは確認できたと思います。実は、特別支援学校を十八そこそこで卒業されますから、二十六歳代で一度仕事は皆さん辞めるという経験をするんですね。
 私が取り上げたい問題は一体何かというと、ここからでありまして、再就職問題であります。この再就職がどれぐらいできているかということについては、厚労省さんにもさんざんお願いしてデータ集めていただこうと思ったんですが、特に区別していろいろ取れていないということで、実態が分からないということでありました。
 私は、まず、二十六歳からの青春じゃないですけれども、健常者であれば、今大学全入時代なんといって、二十二、三から勤め上げて、もちろん、今若手の子たちは短い就職だとかといろいろ言われていますけれども、やっぱり自分をまた見詰め直しながら再就職うまくやっている。でも、知的障害者の子たちの状況、私もいろいろつぶさにそういう施設を今回って聞いていますけれども、なかなか一度辞めると再就職がしにくいと。逆に言うと、八年近く勤めていますから、ここを辞めた後、いきなり特別支援学校を出て就職したので、今度は戻るところがありませんと。我々健常者であれば、例えば大学に戻るとか、あるいは大学時代、自分を見詰めたことを考えて、やっぱりこっちが向いているんじゃないかといろいろ考えられるわけですけれども、非常に再就職が難しいと、こういう状況なんだというふうに思っています。
 そういう意味で、私自身は、まず今のこの現状、他の機能障害の方々なんかはどちらかというと非常に進学率が高い、にもかかわらず、知的障害又は精神障害の子たちは高等教育に対する進学が非常に低い。これはなぜかというと、どうしても特別支援学校が就職を目的というか、最後のところは、もちろんこれは生きていくためには大事だから決して否定はしませんが、ただ、やっぱり高等教育に進むという前提がシステムとしてデザインされていないんですね。
 一方、アメリカ等を見てみますと、実は、二〇一四年の資料なんですが、マサチューセッツ州立大学とかも含めて、アメリカで四千ある大学のうち三百校が知的障害者を受け入れる枠組みをしっかり持っていると。これがやっぱり先進国の私は今後の、しかも日本も障害者差別撤廃法というのを作ったんですから、そうあるべきだというふうに思っております。
 どうしてもこれは厚労と文科のはざまに落ちてしまっている議論ではないかとも思いますが、頑張っていただきたいのはまず文科省ということになるわけでありますけれども、こういった現状を踏まえて、私は、特に知的障害者の子たちの再就職等も含めて、高等教育の機会を増やしていくべきなんではないか、少なくとも国立大学に関してはそういう枠組みを取るべきだと、こういうふうに思っております。是非この辺り、文科大臣、御答弁いただきたいんですが、いかがですか。

○副大臣(義家弘介君) 委員の御指摘のとおり、意欲のある者たちが様々な機会が与えられることは極めて重要なことだというふうに思っておりまして、知的障害者も含めて大学が障害者に対して多様な学びの機会を提供できるよう、引き続き理解を促してまいりたいというふうに思っております。
 また、一点付言すれば、アメリカの場合は様々な大学で大体知能指数で区切って、七〇以上とか知能指数で区切っているわけですけれども、十人いたら十人やはりタイプが違うわけで、どのような支援が一人一人にできるのか、これは丁寧に寄り添っていくことが求められているというふうに認識しております。

○山田太郎君 もう一つ、三月十日の前回の内閣委員会の質疑の中でも、国立大学の教育を利用するということを検討していただけるということで御答弁実はいただいているんですが、この状況、どういう展開があったか、この辺りも御答弁いただけますか。

○副大臣(義家弘介君) 御指摘を受けた上で、また障害者差別解消法の趣旨も踏まえて、各大学に理解を求めているところでございます。

○山田太郎君 ありがとうございます。
 今回、文科省さんとは個別にいろいろやらせていただいて、本当に一生懸命やっていただいています。各国立大学にも通達出されたということで、あの後、いろいろ国立大学の方からもそういうのが来たということを確認しております。
 ただ、ここで言っちゃうのがいいか分からないんですが、けしからぬのは、ということで私も個別の今度は大学のところの話をして、できればそういう知的障害の子たちを受け入れることを働きかけましたら、じゃ、大学としては何のいわゆる価値、効果があるのか、利益があるのか説明をしてほしいとか、国立大学でそういうことを言われちゃうんでは私はまずいというふうに思っているんですね。
 ちょっと国家戦略特区の話に戻さなきゃいけないと思いますが、まさに今回の国家戦略特区は、企業の方からこうやって二%の障害者を雇うという視点からデザインされました。それはそれで私も大事だと思いますが、障害者サイドの側から、ゴールとしては、その方々の生活を幸せにしよう、できれば自立して働いて人生を楽しめるようにしようと、こういう視点もやっぱり大事。
 そうなってくると、できれば今後、国家戦略特区の考え方の中で学校そのもの、そういう障害者を受け入れた場合のデザインというのは、中小企業が二%行っていないという以上に議論されるべき内容だというふうにも思っています。是非その辺り、これは石破大臣、それから文科省等に当たりますので副大臣の方に、いろいろとお考え、御答弁いただけないでしょうか。

○副大臣(義家弘介君) 今、大学の方でというお話を聞いてちょっと私自身もびっくりしたところでありますが、まず、社会というものは多様性、みんなが助け合いながら一つの社会や国を形成しておりますので、そういう意味では、共に居場所を認め合いながら尊重し合うということは、もうそれ自体で意義というものは存在しているというふうに思います。
 法律も成立したところでございますし、文部科学省としても更なる促進を図ってまいりたいと思いますし、また、そのような声をまさに障害のある方が聞いたら相当傷つく話であろうと思いますけれども、どういう状況なのか、また改めて委員も含めて教えていただいて、対応してまいりたいと思っております。

○国務大臣(石破茂君) 私も自民党でユニバーサル社会実現議員連盟の会長なぞをいたしておりますが、そういうユニバーサル社会なるものをきちんと実現をするために今回の法改正というのはあるというふうに認識をいたしております。実効が上がるように更に努めてまいります。

○山田太郎君 もう最後、三十秒ぐらいあるので、最後までやりたいと思います。
 もう一つは、障害者のA型、B型の施設においても、これも前回ちょっと指摘したんですが、そういう障害を持った方々に対しては費用が出るんですが、それを、できるだけ自立していくために、営業とか技術の指導、そういったことができる人の分についてもある程度制度として検討していかないとなかなか維持できないと。やるべきことは、単なる補助だけではなくて、最後はやっぱりいろんな形での自立、共助につなげていくというやり方だと思っています。
 この辺りの御検討を今後していただきたい。こうすると、特に知的障害者の人たちの、先ほどの表でも見ていただきましたが、六割がそっちに行っていますので、そういうところが随分変わってくる。これは、LLP、今回考えると同時に、同じ効果を非常に持つというふうに私は思っていますので、これは厚労省の方、御答弁いただけないでしょうか。

○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 B型の事業所などで働く方々の工賃を向上するため、そのために営業努力は大切であるということは十分承知しております。
 ということで、従来よりも、営業活動を含め目標工賃を達成するための指導員を配置した場合には、報酬上評価することとさせていただいております。これは平成二十一年度から創設しておりまして、目標工賃達成指導員配置加算というふうに言っておりますけれども、これを平成二十七年度障害福祉サービス等報酬改定におきましてこの報酬を引き上げさせていただきました。
 ということで、厚労省といたしましても、こういった努力をいろいろ積み重ねて、なるべくB型事業所で働く方々の、障害ある方々の工賃が少しでもアップしていくように力を尽くしていきたいと、このように考えております。

○山田太郎君 時間になりました。これで終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。