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190-参-厚生労働委員会-11号 平成28年03月29日

○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。
 先ほど、今日、事務局の方から附帯決議の状況についてちょっと知らせていただきましたので、今日は雇用保険法の一部を改正する法律案の採決まで行くんだろうと思いますけれども、附帯決議、おおさか維新の会だけが反対ということで、ふだん与党でもない野党でもないと言っているので、ちょうど公平なのかなというふうに思っておりますが。
 後でもちょっと質問させていただきますけれども、本当に今、来年四月から消費税が八%から一〇%に引き上げられる。これはなぜかというと、やっぱり財政状況が厳しいから、だから、この冠たる社会保障制度を次世代につなげていくためにこれはやらなきゃならないんだということで常日頃安倍総理が言っているわけですけれども。ところが、今回の保育の問題でもそうですけれども、やはりお金が要りますよ、そういうことばかりが出てくるわけでありまして、ましてや今の経済状況を考えれば、消費税を引上げできるような状況にはないということを我々は常日頃から言っておるわけでございまして、そういうことから考えれば、どうやって財源を捻出していくのかということはみんなでこれは考えなかったら問題は解決しないと、このように思っております。
 その中で、今日も幾つかちょっと質問させていただきますけれども、まずシルバー人材センターのことについてお聞きいたしますけれども、通告しております中の一つでありますが、平成二十八年度予算案では、シルバー人材センターに関係のある事業として、高年齢者活用・現役世代雇用サポート事業として四十四・六億円、それから地域就業機会創出・拡大事業として七・九億円が計上されております。これは、どちらも高年齢者の就業促進を目的にしておりまして、シルバー人材センターの配置されるコーディネーターへの謝金とか目的、内容、これ似たようなものなんですね。これは別々の事業として行う必要があるのか、まずお聞きしたいと思います。

○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 東委員御指摘のとおり、高齢者活用・現役世代雇用サポート事業と地域就業機会創出・拡大事業、これ共にシルバー人材センターが行う事業でございます。高齢者活用・現役世代雇用サポート事業、これはシルバー人材センターが育児、介護分野等の人手不足の解消といった、これ全国共通の課題を解消するために全国一律に実施する事業ということでございます。
 ということで、平成二十七年より実施させていただきまして、事業の内容は、例えば育児施設や介護施設等に高齢者を派遣する、こういったもの等実施させていただいております。二十七年の実績ですと、約二百四十万人日使わせていただいております。
 一方、もう一つの地域就業機会創出・拡大事業、これはシルバー人材センターが、ここは地域特有の課題を解消するために地域の地方公共団体や経済団体の関係機関と連携をいたしまして、地域ごとに事業を企画立案して実施する事業ということでありまして、高齢者が就業する機会を新たに創出することを目的とした事業でございます。
 これは平成二十八年より実施予定でございまして、例えばどんな事業を考えているかといいますと、空き家の管理が問題となっている地域で……

○東徹君 そこまで要らないです。

○副大臣(とかしきなおみ君) よろしいですか。じゃ、そこは飛ばしまして、ということで、要するに、双方の事業は対象が全国一律と地方と、そういうふうに異なるために、それぞれの特徴を生かしてシルバー人材センター、高齢者の就業活動を推進できるように積極的に活用していこうと考えております。

○東徹君 本来、国がやる仕事は全国一律でやっていくというのが本来だと思うんです。地域によって事情が違ったら、地域でお金を見付けてやっていく、それがやっぱり地域の自立だと思うんですね。やっぱりそういった考えに基づいてやっていかなかったら駄目だと思います。
 次の質問をさせていただきます。
 高年齢退職予定者キャリア人材バンク事業についてお伺いいたします。
 この事業は、平成二十八年度予算で二・六億円掛けて高年齢者の就業促進のために公益財団法人産業雇用安定センターに高年齢退職予定者キャリア人材バンクを構築し、地方自治体やハローワークと連携していくものでありますけれども、これとは別に、生涯現役促進地域連携事業も平成二十八年度予算で八・五億円掛けて地方自治体を中心とする協議会とハローワークが連携しようとするものです。これらは同じような内容の事業ですけれども、産業雇用安定センターに二・六億円掛けて人材バンクをつくる必要があるのか、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただいた生涯現役促進地域連携事業は、地域の創意工夫によって、就職セミナーの実施とかあるいは情報提供といったものから高齢者の働く場の創出といったものなど様々な施策を実施することができるものでありまして、キャリア人材バンク事業のような事業も実施可能ではあるわけでありますけれども、キャリア人材バンク事業自体は、一つには、企業間の話合いによって移籍という形で労働移動を促進する事業であるため、移籍のあっせんを専門的に行っている産業雇用安定センターに行わせることが効果的、効率じゃないか。それから二つ目は、全国に事務所を有する産業雇用安定センターに行わせることによって、自治体がキャリア人材バンク事業のような事業を行うか否かにかかわらず全国的に実施することができて、また自治体間の労働移動も可能になると。
 こういったような理由から、生涯現役促進地域連携事業の一つのメニューとしてではなくて、特に産業雇用安定センターの事業として別途実施しようということでございます。

○東徹君 就業促進のためのこういったセンターとか人材バンクとかって一体幾つつくるのかなと思うわけですよ。自治体にもこういった似たようなものがあるわけでございまして、こういったところを何でもかんでも、はい、いいですよというのはどうかなというふうに思います。
 続きまして、今回の法改正で、就職促進給付の拡充として再就職手当の引上げが予定されております。この引上げによって、どの程度支出増となって、どの程度の方々が再就職を早めることになるというふうに考えているのか、お伺いをしたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の再就職手当の引上げは、過去の制度改正、平成二十一年及び二十三年にございましたが、ここにおいて再就職手当の給付率の引上げが早期に再就職した方の割合の上昇につながったということがございまして、これを踏まえて、早期再就職を一層推進する観点から、今般更なる給付率の引上げを行おうということになったものでございます。
 今回の改正によって、再就職手当の増加による支出額は三百四十七億円、これによって早期に再就職される方が増えて基本手当が給付抑制されることによる支出減は百六十二億円、差引きで百八十五億円の支出増となる見込みでございます。
 また、この改正による早期に再就職される方の数は、見込みとして約四万人増というふうに見ているところでございます。

○東徹君 これ、百八十五億円もの支出増になるんですよ。支出増になるんです、百八十五億円ですよ、このことをやることで。ただ、これをやることによって再就職が早まるかといえば、本当にそうなのかなというふうに思うわけです。誰だって早く、退職したらですよ、次の職を見付けるために誰だって早くやっぱり就職先を見付けたいですよ。見付けたくてやっぱり見付けるわけで、誰も遅らせて見付けようと考えている人というのは余りいないと思います。最初から就職する気のない人はそれは見付ける気もないんだろうと思います。でも、こういった、早くやればお金が更にもらえますよというようなインセンティブ効果というのは私はないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 今御指摘の多額の費用、百八十五億円ということでございますが、この費用を掛けて引上げを行うのはなぜかということでございますけれども……

○東徹君 なぜかじゃない。インセンティブ効果がありますかという質問です。

○政府参考人(広畑義久君) それは、先ほど大臣から……

○東徹君 じゃ、もう一回。
 これ、インセンティブ効果が働きますか、このことによって再就職する期間が縮まるんですか。縮まるんだったら、なぜ縮まるんだということが言えるのかどうか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、二回改正をしておりまして、平成二十年のときに一五・八から二十一年にかけて一七・三ということで二十一年改正。それから、二十三年改正が一八・六の二十三年度から二一・二ということで、この比率自体は上がっているわけでありまして、そういうことで今回更に引き上げるということを考えたところでございます。

○東徹君 それは、このことによって就職が早くなったかどうかというのは、これ検証できていないはずですよ、はずです。それが本当に早くなったということを、じゃ、再就職した人たちから、この再就職手当が引き上がったからこれが再就職が早くなる理由だというふうに検証した結果でもあるんですか。

○委員長(三原じゅん子君) どなたがお答えになられますか。政府参考人、どなたかお答えになられますか。広畑部長、お答えになられますか。
 それでは、もう一度、東徹君。

○東徹君 これ、直接このことを私は通告はしていません。通告していませんので、別に答弁なかったら答弁なかったで結構です。
 私は、これはインセンティブが働かないというふうに思っているんですよ。百八十五億円の支出が増えるだけというふうに思っているんですね。
 この百八十五億円、どこからこのお金持ってくるんですか。

○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 労使折半の雇用保険の保険料でございます。

○東徹君 そうですよね、労使折半の雇用保険料からこれやっていくんです。というのは、雇用保険財政、これ、余裕があるわけだからこういうことをやろうとしているだけじゃないのかなというふうに思うわけですよ。
 この間も質問をさせていただきました。雇用保険の積立金、今、六兆二千五百八十六億円あるんでしょう。厚生労働大臣、今、雇用保険の失業給付に係る積立金残高というのは六兆二千五百八十六億円あるんです。今、国庫負担の支出、これが千五百二十三億円なんですよ、千五百二十三億円。
 私は、これは、もう今はこういう財政状況非常に厳しいときだから、これは少し停止をしたらどうですかということをこの間も質問させていただいているわけです。だから、今消費税を引き上げなければいけないとか、いや、やっぱりこれは延期すべきだとか、こういった議論をしているぐらい経済情勢も先行き不透明だし、そして今の財政状況も厳しいわけです。
 我々、厚生労働委員会で審議している厚生労働省がやっている社会保障のこの事業が、非常に、これからもずっと延々と今の状況では続けていけないだろうと、これから高齢者もまだまだ増えていくわけだし。そういう中だから、こういった財源をやっぱり見付けて、少しでも国の財政状況も立て直していかなきゃならないというふうに考えておるわけですけれども。
 今回の、先ほど言いましたインセンティブが働くかどうか。就職促進給付の拡充でありますけれども、期間を短くしたときに再就職をすればその分たくさんお金がもらえますよということで、本当にこれがインセンティブが働くというふうに本当に思われますか。

○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 雇用保険を受給される方の早期再就職でございますので、やはり働く方々ができるだけ早く再就職することで、失業された方のスキルの低下が防止されるというのが一番大きいかと思います。

○東徹君 こういうところで百八十五億円ですから、こういうお金の使われ方は是非御検討をいただきたいというふうに思います。
 続きまして、介護ロボットのちょっと予算というかお金について質問させていただきたいと思うんですけれども、今回、介護離職をなくしていくという中の法案でありまして、介護というのは確かに負担は大きいわけであります。
 そんな中で、介護ロボットというのは、これ経済産業省でもこのお金を、予算を付けていて、二十億円の予算が付けられておるんですけれども、厚生労働省でも、平成二十七年度の補正予算で五十二億円の計上された介護ロボット導入支援特別事業をやっているんですね。平成二十六年度でも、実績額で八千二百万円の福祉用具・介護ロボット実用化支援事業が行われているわけですけれども、介護ロボット、ロボットというんですけれども、本当に必要な介護ロボットというのはどういう介護ロボットなのか、本当に分かってやっておられるのかどうか、まずお聞きしたいんですけれども。

○副大臣(竹内譲君) 御指摘のとおりでございまして、介護現場のニーズに適した実用性の高い介護ロボットを開発することは大変重要であると考えております。
 もちろん、厚生労働省といたしましても様々な現場を踏まえて対応をしてまいっておるわけでございまして、これまでに試作段階にある介護ロボットにつきまして、実際の介護現場での実証などを踏まえて、介護現場で使いやすい機器となるような開発普及の支援を行ってまいったところでございます。
 これに加えまして、平成二十八年度当初予算におきましては、開発前の着想段階から介護現場と開発企業が協議してその内容を開発につなげる事業を盛り込んでおりまして、介護現場において必要とされるものを前提とした介護ロボットの開発を進めてまいりたいと考えておるところでございます。具体的には、介護ロボット開発等加速化事業という名目で行ってまいりたいと思っております。
 さらにまた、介護ロボットの更なる普及促進を図るために、平成二十七年度補正予算におきまして、先生が御指摘のとおり、介護施設で介護従事者の介護負担を軽減する介護ロボットを導入する費用の助成として五十二億円の予算を確保したところでございます。
 これらの事業を有効に活用して、介護現場が必要とする介護ロボットの開発普及に一生懸命、全力で支援に努めてまいりたいと思っております。

○東徹君 質問していることに的確にお答えいただきたいというふうに思います。
 この間も、もう同じことを言いたくありませんが、本当に答弁が、きちっと的確にしていただきたいと思います。
 介護ロボット、本当に必要な介護ロボットというのは、例えば排せつなんですよ、排せつ介護。これ、本当むちゃくちゃ大変なんです。入浴介護、これも物すごく大変なんですけれども、お風呂場でやる入浴介護というのはもうサウナの中でやっているのと同じですから。入浴させるときに着替えさせることって、物すごい腰に負担も掛かるんですよ。でも、本来こういった介護ロボットというのを、まずそこからやっていかないといけないと思うんですけれども、もう質問はしません。
 最後に、高年齢者雇用安定助成金についてお伺いします。
 この助成金、高年齢者の活用促進のために雇用環境整備の措置を実施する事業主に対して助成されるものですけれども、平成二十五年度から開始されておりますけれども、平成二十五年度執行率は二二%、平成二十六年度の執行率は七%にとどまっています……

○委員長(三原じゅん子君) 予定の時間となっておりますので、おまとめください。

○東徹君 なぜ執行率が低い水準にとどまっているのか、お伺いしたいと思います。

○委員長(三原じゅん子君) 広畑部長、答弁は簡潔にお願いします。

○政府参考人(広畑義久君) お答え申し上げます。
 今御指摘のとおり、この助成金の平成二十六年度の執行状況は、事業開始二年目ということもありまして、周知が行き届かない面もございまして、支給件数四百九十四件、金額五億七千万円、予算額に対する執行率は七・四%と低調な実績にとどまっております。こうした状況を踏まえまして、平成二十七年度において予算額も大幅に削減したところでございます。

○東徹君 もう時間ですので、終わります。
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