185-衆-厚生労働委員会-9号 平成25年11月22日
○とかしき委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。
きょうは、やっと待ちに待ったこの法律案の審議ということで、私は、きょうを迎えて、本当に正直ほっとしております。一時はどうなるかなと、もしかしたら今国会は出てこないんではないかと何度も危惧する事態に見舞われました。
今国会でこういう審議ができるようになりましたこと、厚生労働省、そして何よりも田村大臣に私はきょう直接お礼を申し上げたかったんですけれども、田村大臣がちょっとお越しにならないので、厚労省の皆さん、ぜひお伝えいただきたいんです。
今回、この法律が通りましたら、本当にこの法律によって救われる国民の命というのは多いのではないかと。最高裁以降、今はダムがまさに決壊した状態になっておりまして、いつか被害者が出るのではないかと本当に危惧をしている日々でございますけれども、これがやっと穴が塞がれるという、本当に待ちに待った法律ということで、ぜひ与野党挙げてこの法律を上げるようにお力添えをいただけたらありがたいな、このように思っております。
私も、長いもので、この法律に足かけ六年以上かかわっておりまして、そして、私も政務官にならせていただいて最初に最高裁で負けてしまうという異常な事態になりまして、厚労省の皆さんも落ち込んでいらっしゃって、大変な事態に見舞われました。
こんな状態ではよくないということで、早く切り返そうということで、二月に検討委員会を立ち上げまして十一回、さらにルールの策定委員会ということで四回、大体時間がある限り私も出席させていただきましてずっと審議の様子を拝見しておりましたけれども、この審議の様子を見ていて、ちょっとおもしろい現象が起こってきたなというのが正直な感想でありました。
最初は、検討委員会が始まると、規制緩和をした方がいいということと、規制をしっかりした方がいいんじゃないか、大体半々ぐらいでスタートをしていたんですけれども、これは時間がたてばたつほど、やはり安全に売っていった方がいいのではないか、ある程度のルールはつくっていった方がいいのではないか、こういう方の意見がだんだん大勢を占めるようになってまいりまして、さらにマスコミの論調すらも、最初のころは便利な方がいいじゃないかということでしたけれども、やはりきちっとしたルールのもとで売っていくべきではないか、こういうふうに流れが変わってきたなというふうに思いました。
ネット業界の皆さんが中でよくおっしゃっていたのが、対面とそしてネットは同等である、同じ機能を持っている、こういうふうによくおっしゃっておりました。その中で専門家の先生方がおっしゃっていたのは、患者の状態を五感で感じて、それを用いて判断する、適切な薬を選んで患者さんに提供するときに五感を使うことが大切なんだ、だから対面が大切なんだということを実際お話しになっておりました。
ところが、専門家の報告書の中には、残念ながらこの五感という記載がなくて、そして、ネット販売も危ないのではないかという、こういう記載も実際はありませんでした。
ここでちょっと質問なんですけれども、スイッチOTC、今回、一定期間は対面販売ということになりましたけれども、なぜネットの販売が認められなかったのか、その根拠を教えていただけますでしょうか。
○今別府政府参考人 お答えいたします。
スイッチ直後品目につきましては、医学、薬学の専門家で議論をしていただきました。その専門家の先生方の議論で、薬剤師が患者の状態等を直接判断する必要があるという報告書をまとめていただきました。
実際の議論で個別の先生方の意見では、やはりネットではだめだとか、あるいは対面でなければならないというようなことが個別の会議の中ではそれぞれ発言をされておりましたけれども、今先生からも御指摘がありましたように、必ずしも報告書の記載で明確ではないのではないかという御意見もいただきました。
そこで、座長にコメントというものを出していただきまして、関連部分をちょっと御披露いたしますが、「スイッチ直後品目と劇薬については、薬剤師と患者さんとが直接顔を合わせてよく話し合い、薬剤師が患者さんの状態を五感を用いて判断し、販売する必要があると思っている。」というコメントをいただきました。
このコメントにつきまして残りの五名の先生方も全く同感であるということでございましたので、これは座長コメントという形で御披露いたしましたけれども、実質上は専門家会合六人の総意であるということでございます。
というようなことも踏まえまして、厚生労働省としましては、直接五感を用いて対面で販売した方がいいということで、二十八品目につきましてネット販売を規制をするということにさせていただいた、こういう経緯でございます。
○とかしき委員 ありがとうございました。
私は、薬の販売というのは、これは物のやりとりではなくて、やはりここには信頼の授受があるのではないかと、このように思います。
薬というのは、外から見て、どんな機能を持った薬であるかというのはほとんど判別ができません。洋服であれば洋服の機能を持っているというのはわかりますけれども、薬というのは、きっと、この薬局だったらとかこの薬剤師の先生だったら私の求めている血圧を下げるという効果を持った薬を提供してくれるに違いない、こういう信頼の授受があるからこそ成り立っている関係ではないかと、私はこのように思っております。
そして、ネットの中に出店してくる薬局の皆さんが積極的に売りたいよという働きかけをしてくる、これは私はよくわかるんですけれども、私がちょっと不思議だなと思ったのは、一番積極的に旗を振っていらっしゃるのはモール業者の方が非常に多かったというのが、私にとってはちょっと異質な感じに思えました。九九・八%でたった〇・二%なんですけれども、スイッチOTCに規制をかけたことも、一〇〇%にするべきだと大きな声を上げていらっしゃるのも、これはモール業者の皆さんでありました。
私は、このモール業者の皆さん、果たして責任を本当に持てるのかどうなのか、ここについてちょっと疑問があるんですけれども、この点についてお答えください。
○今別府政府参考人 インターネットで医薬品を販売するときに、モール業者の役割というのは非常に重要だと考えております。特に、実際に薬事監視の実効性を高めていくという観点からは、モール業者の協力を得ることが非常に重要だと考えております。
具体的には、インターネットモール業者が持っている出店店舗の情報を我々の求めに応じて提供していただく、あるいは、無許可で医薬品の販売を行っているような事業者、あるいは、許可事業者でありましても無届けでやっているようなところにつきましては医薬品の販売を認めない、そうした事業者が判明した場合には事業者の情報を削除をしていただくというようなことをインターネットのモール事業者に協力をお願いしていくということを考えております。
○とかしき委員 モール業者の皆さんも監視の方をきっちりやっていきたいというふうにおっしゃっていますけれども、実際どんな事件があったかというと、ことしの七月に、あるショッピングモールに出店していた薬局が期限切れの一般用医薬品を安く売っていたということで、東京都の職員が見つけて、それを厚労省に連絡してきて、そしてモール業者に連絡をして削除されたということなんですけれども、結局、モール業者の方も巡回して全然うまく見ていなかった。さらに、その薬局は無許可であったということで、無許可で出店をしていたということをモール業者が見抜くこともできず、さらに監視もできていなかったということで、反省のコメントが発表されたわけであります。
モール業者の皆さんも、やはりこういう新しい売り方をするわけでありますし、ましてやインターネットというのは、真面目に売ろうという方ももちろんいらっしゃいますけれども、いいかげんに売ろうとか、そういう人たちも紛れてきやすいのがインターネットの販売ではないかな、私はこのように思いますので、積極的に推奨するのであればこそ、ぜひモール業者の皆さんにもしっかり監視をしていただく仕組みを今後つくっていくように、その協力を仰ぐようにしていただけたらありがたいかな、このように思っております。
そして、きょう、ちょっと読売新聞でおもしろい記事といいますか、このインターネットの薬の販売について、何と一面も使って大きく記事が取り上げられております。薬害被害者の方と、そしてネットの薬局で実際経営をなさっている方と、あともう一人、実はアメリカでインターネットの薬の販売を監視している会社の社長さん、この三者がともに語っております。
私はこのアメリカの会社の社長さんにお目にかかったことがありますけれども、この方は、実はインターネットの薬の販売の検討委員会の委員をなさっていらっしゃいまして、これでは危ないということでみずから会社を立ち上げられて、監視を民間の力でもやっていかなきゃいけないのではないか、そんな思いで今事業をなさっていらっしゃるわけであります。
そして、実際になさっているアメリカの方は十九の厳しい基準を設けているんですけれども、でも、この厳しいルールを守っているのはたった一握りだと。違法な医薬品や薬物を排除する有効な戦略、これをしっかり立てていかないと、自分がやっていてもやはりちょっと難しいんだということも、私も直接お聞きいたしました。
ということで、このように海外に拠点を置いて、例えば日本の場合、実店舗も持たずに不適切な販売をしているネットの医薬品をどういうふうに取り締まっていくのか。今後、こういった人たちを排除していく法的根拠をどういうふうに考えていくのか、教えていただけますでしょうか。
○今別府政府参考人 違法なサイトを取り締まるのにどうするかという話であります。
一応、実際の店舗を持つという前提で売りますので、実際の店舗の写真を掲載していただくというようなルールづくりはしております。
ただ、そうは申しましても、なかなか違法な出店業者等は後を絶たないんだろうと思いますので、そこは従来以上に監視の目を光らせていきたいと思いますし、今御紹介のありましたアメリカの業者とも連携をするようにということも視野に入れております。
それから、何よりも、これは国民の皆さんにきちんとした正しい認識を持っていただくということが重要であろうと考えておりますので、そういう啓発活動にも力を入れてまいりたいと考えております。
○とかしき委員 ありがとうございます。
全くそのとおりでありまして、どんなに法律をつくっても、やはり国民の皆さんがそれを理解してきちっと対応していただくこと、自分の身は自分で守る、こういったことも薬の販売においては非常に重要ではないかと、このように思います。
厚労省の中で、あやしいヤクブツ連絡ネット、余り知られておりませんけれども、これは厚労省が肝いりでつくったいい連絡ネットだと私は思うので、ぜひこういったところももっと積極的に活用していただいて、そして監視体制を充実させていただきたいのとともに、取締官を国と都道府県の方にも配置していらっしゃるかと思いますけれども、にせ薬とか脱法ドラッグの温床にもなりますので、ぜひこういった監視体制をしっかり対応していただけたらありがたいかなと思っております。
そして最後に、ネット販売の一連の今回の動きを総括して、薬剤師に今後期待すること、これについてお答えいただけますでしょうか。
○土屋副大臣 とかしき委員には、長い間この問題にかかわっていただきまして、ありがとうございます。
一定のルールのもと、ほぼ全ての一般用医薬品のインターネット販売を可能とすることになりましたけれども、薬局、薬剤師の役割は変わらないと思っております。むしろ、科学技術の発展に伴う薬物療法の多様化、複雑化を踏まえれば、その重要性はますます高まっていくものと考えているところでございます。
また、本年六月に閣議決定されました日本再興戦略では、「薬局を地域に密着した健康情報の拠点として、」「セルフメディケーションの推進のために薬局・薬剤師の活用を促進する。」ことが盛り込まれておりまして、このような役割が期待されていると思っております。
また、地域医療の確保のため、かかりつけ薬局、これは非常に重要だと思いますけれども、その機能を発揮するとともに、医師、看護師等と連携して在宅医療にも取り組んでいくことが重要であると考えています。チーム医療ということでよろしくお願いしたいと思います。
あと、厚生労働省といたしましても最大限の支援を行っていくつもりでございますので、今後とも、薬剤師の方々にも、国民の健康を守るために大いに活躍をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○とかしき委員 土屋副大臣、心強いお言葉、本当にありがとうございました。
私は、今回のネット販売の一連の様子を見ていて、これは薬剤師に対する警告だなと、このように思いました。やはり、対面できっちり薬剤師が付加価値をアピールできていればこんな話も起こらなかったわけでありますし、安全性の担保をネグって利便性だけを追求するようなこんな話にもならなかったのではないか。薬剤師自身がやはり変わる、私はこういうふうに国民の皆さんから警告を発していただいているのではないかなと思っております。
やはり対面をきちっとしていくこと、私は薬剤師の職能はもうまさにここだと思いますし、いかに患者さんの気持ちに寄り添って的確な情報を提供できる、そんな役割を担えるのか。薬剤師自身の力も問われているこの問題でありますので、これからも国民の皆様のためにしっかりと尽くしていけるように、薬剤師の皆さんとともに私も頑張っていきたいと思います。
ありがとうございました。
○とかしき委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。
きょうは、やっと待ちに待ったこの法律案の審議ということで、私は、きょうを迎えて、本当に正直ほっとしております。一時はどうなるかなと、もしかしたら今国会は出てこないんではないかと何度も危惧する事態に見舞われました。
今国会でこういう審議ができるようになりましたこと、厚生労働省、そして何よりも田村大臣に私はきょう直接お礼を申し上げたかったんですけれども、田村大臣がちょっとお越しにならないので、厚労省の皆さん、ぜひお伝えいただきたいんです。
今回、この法律が通りましたら、本当にこの法律によって救われる国民の命というのは多いのではないかと。最高裁以降、今はダムがまさに決壊した状態になっておりまして、いつか被害者が出るのではないかと本当に危惧をしている日々でございますけれども、これがやっと穴が塞がれるという、本当に待ちに待った法律ということで、ぜひ与野党挙げてこの法律を上げるようにお力添えをいただけたらありがたいな、このように思っております。
私も、長いもので、この法律に足かけ六年以上かかわっておりまして、そして、私も政務官にならせていただいて最初に最高裁で負けてしまうという異常な事態になりまして、厚労省の皆さんも落ち込んでいらっしゃって、大変な事態に見舞われました。
こんな状態ではよくないということで、早く切り返そうということで、二月に検討委員会を立ち上げまして十一回、さらにルールの策定委員会ということで四回、大体時間がある限り私も出席させていただきましてずっと審議の様子を拝見しておりましたけれども、この審議の様子を見ていて、ちょっとおもしろい現象が起こってきたなというのが正直な感想でありました。
最初は、検討委員会が始まると、規制緩和をした方がいいということと、規制をしっかりした方がいいんじゃないか、大体半々ぐらいでスタートをしていたんですけれども、これは時間がたてばたつほど、やはり安全に売っていった方がいいのではないか、ある程度のルールはつくっていった方がいいのではないか、こういう方の意見がだんだん大勢を占めるようになってまいりまして、さらにマスコミの論調すらも、最初のころは便利な方がいいじゃないかということでしたけれども、やはりきちっとしたルールのもとで売っていくべきではないか、こういうふうに流れが変わってきたなというふうに思いました。
ネット業界の皆さんが中でよくおっしゃっていたのが、対面とそしてネットは同等である、同じ機能を持っている、こういうふうによくおっしゃっておりました。その中で専門家の先生方がおっしゃっていたのは、患者の状態を五感で感じて、それを用いて判断する、適切な薬を選んで患者さんに提供するときに五感を使うことが大切なんだ、だから対面が大切なんだということを実際お話しになっておりました。
ところが、専門家の報告書の中には、残念ながらこの五感という記載がなくて、そして、ネット販売も危ないのではないかという、こういう記載も実際はありませんでした。
ここでちょっと質問なんですけれども、スイッチOTC、今回、一定期間は対面販売ということになりましたけれども、なぜネットの販売が認められなかったのか、その根拠を教えていただけますでしょうか。
○今別府政府参考人 お答えいたします。
スイッチ直後品目につきましては、医学、薬学の専門家で議論をしていただきました。その専門家の先生方の議論で、薬剤師が患者の状態等を直接判断する必要があるという報告書をまとめていただきました。
実際の議論で個別の先生方の意見では、やはりネットではだめだとか、あるいは対面でなければならないというようなことが個別の会議の中ではそれぞれ発言をされておりましたけれども、今先生からも御指摘がありましたように、必ずしも報告書の記載で明確ではないのではないかという御意見もいただきました。
そこで、座長にコメントというものを出していただきまして、関連部分をちょっと御披露いたしますが、「スイッチ直後品目と劇薬については、薬剤師と患者さんとが直接顔を合わせてよく話し合い、薬剤師が患者さんの状態を五感を用いて判断し、販売する必要があると思っている。」というコメントをいただきました。
このコメントにつきまして残りの五名の先生方も全く同感であるということでございましたので、これは座長コメントという形で御披露いたしましたけれども、実質上は専門家会合六人の総意であるということでございます。
というようなことも踏まえまして、厚生労働省としましては、直接五感を用いて対面で販売した方がいいということで、二十八品目につきましてネット販売を規制をするということにさせていただいた、こういう経緯でございます。
○とかしき委員 ありがとうございました。
私は、薬の販売というのは、これは物のやりとりではなくて、やはりここには信頼の授受があるのではないかと、このように思います。
薬というのは、外から見て、どんな機能を持った薬であるかというのはほとんど判別ができません。洋服であれば洋服の機能を持っているというのはわかりますけれども、薬というのは、きっと、この薬局だったらとかこの薬剤師の先生だったら私の求めている血圧を下げるという効果を持った薬を提供してくれるに違いない、こういう信頼の授受があるからこそ成り立っている関係ではないかと、私はこのように思っております。
そして、ネットの中に出店してくる薬局の皆さんが積極的に売りたいよという働きかけをしてくる、これは私はよくわかるんですけれども、私がちょっと不思議だなと思ったのは、一番積極的に旗を振っていらっしゃるのはモール業者の方が非常に多かったというのが、私にとってはちょっと異質な感じに思えました。九九・八%でたった〇・二%なんですけれども、スイッチOTCに規制をかけたことも、一〇〇%にするべきだと大きな声を上げていらっしゃるのも、これはモール業者の皆さんでありました。
私は、このモール業者の皆さん、果たして責任を本当に持てるのかどうなのか、ここについてちょっと疑問があるんですけれども、この点についてお答えください。
○今別府政府参考人 インターネットで医薬品を販売するときに、モール業者の役割というのは非常に重要だと考えております。特に、実際に薬事監視の実効性を高めていくという観点からは、モール業者の協力を得ることが非常に重要だと考えております。
具体的には、インターネットモール業者が持っている出店店舗の情報を我々の求めに応じて提供していただく、あるいは、無許可で医薬品の販売を行っているような事業者、あるいは、許可事業者でありましても無届けでやっているようなところにつきましては医薬品の販売を認めない、そうした事業者が判明した場合には事業者の情報を削除をしていただくというようなことをインターネットのモール事業者に協力をお願いしていくということを考えております。
○とかしき委員 モール業者の皆さんも監視の方をきっちりやっていきたいというふうにおっしゃっていますけれども、実際どんな事件があったかというと、ことしの七月に、あるショッピングモールに出店していた薬局が期限切れの一般用医薬品を安く売っていたということで、東京都の職員が見つけて、それを厚労省に連絡してきて、そしてモール業者に連絡をして削除されたということなんですけれども、結局、モール業者の方も巡回して全然うまく見ていなかった。さらに、その薬局は無許可であったということで、無許可で出店をしていたということをモール業者が見抜くこともできず、さらに監視もできていなかったということで、反省のコメントが発表されたわけであります。
モール業者の皆さんも、やはりこういう新しい売り方をするわけでありますし、ましてやインターネットというのは、真面目に売ろうという方ももちろんいらっしゃいますけれども、いいかげんに売ろうとか、そういう人たちも紛れてきやすいのがインターネットの販売ではないかな、私はこのように思いますので、積極的に推奨するのであればこそ、ぜひモール業者の皆さんにもしっかり監視をしていただく仕組みを今後つくっていくように、その協力を仰ぐようにしていただけたらありがたいかな、このように思っております。
そして、きょう、ちょっと読売新聞でおもしろい記事といいますか、このインターネットの薬の販売について、何と一面も使って大きく記事が取り上げられております。薬害被害者の方と、そしてネットの薬局で実際経営をなさっている方と、あともう一人、実はアメリカでインターネットの薬の販売を監視している会社の社長さん、この三者がともに語っております。
私はこのアメリカの会社の社長さんにお目にかかったことがありますけれども、この方は、実はインターネットの薬の販売の検討委員会の委員をなさっていらっしゃいまして、これでは危ないということでみずから会社を立ち上げられて、監視を民間の力でもやっていかなきゃいけないのではないか、そんな思いで今事業をなさっていらっしゃるわけであります。
そして、実際になさっているアメリカの方は十九の厳しい基準を設けているんですけれども、でも、この厳しいルールを守っているのはたった一握りだと。違法な医薬品や薬物を排除する有効な戦略、これをしっかり立てていかないと、自分がやっていてもやはりちょっと難しいんだということも、私も直接お聞きいたしました。
ということで、このように海外に拠点を置いて、例えば日本の場合、実店舗も持たずに不適切な販売をしているネットの医薬品をどういうふうに取り締まっていくのか。今後、こういった人たちを排除していく法的根拠をどういうふうに考えていくのか、教えていただけますでしょうか。
○今別府政府参考人 違法なサイトを取り締まるのにどうするかという話であります。
一応、実際の店舗を持つという前提で売りますので、実際の店舗の写真を掲載していただくというようなルールづくりはしております。
ただ、そうは申しましても、なかなか違法な出店業者等は後を絶たないんだろうと思いますので、そこは従来以上に監視の目を光らせていきたいと思いますし、今御紹介のありましたアメリカの業者とも連携をするようにということも視野に入れております。
それから、何よりも、これは国民の皆さんにきちんとした正しい認識を持っていただくということが重要であろうと考えておりますので、そういう啓発活動にも力を入れてまいりたいと考えております。
○とかしき委員 ありがとうございます。
全くそのとおりでありまして、どんなに法律をつくっても、やはり国民の皆さんがそれを理解してきちっと対応していただくこと、自分の身は自分で守る、こういったことも薬の販売においては非常に重要ではないかと、このように思います。
厚労省の中で、あやしいヤクブツ連絡ネット、余り知られておりませんけれども、これは厚労省が肝いりでつくったいい連絡ネットだと私は思うので、ぜひこういったところももっと積極的に活用していただいて、そして監視体制を充実させていただきたいのとともに、取締官を国と都道府県の方にも配置していらっしゃるかと思いますけれども、にせ薬とか脱法ドラッグの温床にもなりますので、ぜひこういった監視体制をしっかり対応していただけたらありがたいかなと思っております。
そして最後に、ネット販売の一連の今回の動きを総括して、薬剤師に今後期待すること、これについてお答えいただけますでしょうか。
○土屋副大臣 とかしき委員には、長い間この問題にかかわっていただきまして、ありがとうございます。
一定のルールのもと、ほぼ全ての一般用医薬品のインターネット販売を可能とすることになりましたけれども、薬局、薬剤師の役割は変わらないと思っております。むしろ、科学技術の発展に伴う薬物療法の多様化、複雑化を踏まえれば、その重要性はますます高まっていくものと考えているところでございます。
また、本年六月に閣議決定されました日本再興戦略では、「薬局を地域に密着した健康情報の拠点として、」「セルフメディケーションの推進のために薬局・薬剤師の活用を促進する。」ことが盛り込まれておりまして、このような役割が期待されていると思っております。
また、地域医療の確保のため、かかりつけ薬局、これは非常に重要だと思いますけれども、その機能を発揮するとともに、医師、看護師等と連携して在宅医療にも取り組んでいくことが重要であると考えています。チーム医療ということでよろしくお願いしたいと思います。
あと、厚生労働省といたしましても最大限の支援を行っていくつもりでございますので、今後とも、薬剤師の方々にも、国民の健康を守るために大いに活躍をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○とかしき委員 土屋副大臣、心強いお言葉、本当にありがとうございました。
私は、今回のネット販売の一連の様子を見ていて、これは薬剤師に対する警告だなと、このように思いました。やはり、対面できっちり薬剤師が付加価値をアピールできていればこんな話も起こらなかったわけでありますし、安全性の担保をネグって利便性だけを追求するようなこんな話にもならなかったのではないか。薬剤師自身がやはり変わる、私はこういうふうに国民の皆さんから警告を発していただいているのではないかなと思っております。
やはり対面をきちっとしていくこと、私は薬剤師の職能はもうまさにここだと思いますし、いかに患者さんの気持ちに寄り添って的確な情報を提供できる、そんな役割を担えるのか。薬剤師自身の力も問われているこの問題でありますので、これからも国民の皆様のためにしっかりと尽くしていけるように、薬剤師の皆さんとともに私も頑張っていきたいと思います。
ありがとうございました。