183-衆-厚生労働委員会-2号 平成25年03月15日
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○三ッ林委員 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
最後の質問ですけれども、保育に関しまして質問させていただきます。
私は、選挙中から、病児保育、病後児保育、これを訴えてまいったわけでございますけれども、今政府の進めている認定こども園、これは私も拡充していくことに大賛成でございまして、よろしくお願いしたいと思っております。
ただ、病児保育、病後児保育、これは、お子さんがちょっと熱を出したときにそれを受け入れる、そういった施設を病児保育、病後児保育といいますけれども、なかなか根づいていないのが現状でございます。
そして、病児保育は、これからの女性の社会進出には非常に欠かせない施設だと私は思っております。今、核家族が九割以上というこの日本の現状の中で、人に預けられない、こういった状況もありますし、女性の方が仕事をしていて、保育所にお子さんを預けていて、熱が出たから引き取りに来てください、そういったってなかなか行けない、そういう現実があるわけであります。これは、私は、いろいろな方から聞きまして、病児保育、病後児保育を何とか日本に根づかせたいな、そういう思いであります。
ただ、やはり現場の方にお聞きしますと、非常に大変だということなんですね。私は、板橋区で、知っている先生がやっているので調査したところ、板橋区は七十万人の人口があるわけですけれども、そこで三施設しかないんですね。帝京大学病院と板橋区医師会病院、それと個人の気持ちでやっている、そういう三カ所だけで、病児保育はとても受け入れられない。一生懸命やっている個人の先生は、もう日曜日もない、毎日やっている、そういう状況なので、とにかく数をふやしてほしいということなんですね、数をふやす。
何が足りないかというと、やはり助成金が足りないんです。今回、予算も昨年度よりはふえましたけれども、やはり病児保育を根づかせていくためには、助成金をもっとふやして、これに取り組む姿勢が必要だと思うんですが、病児保育、病後児保育に対しましての見解を、とかしき先生、お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○とかしき大臣政務官 病児・病後児保育について御質問いただきまして、本当にありがとうございます。
子供の病は本当にいつ起こるかわかりません。私も女性の多い職場で働いた経験がございまして、本当にこれで困っている方々を多く拝見いたしました。やはり、保護者が就労等の問題で、なかなか子供を預かってもらう場所を探していくことが難しくなっております。これは、女性の社会進出のためにもとても必要な措置だと考えております。
平成二十五年度の予算案でも必要な経費を計上して、事業の拡大を図るように頑張っておりますけれども、やはり先生おっしゃるようにいろいろ問題も抱えておりまして、年間の延べ利用者数に応じて今補助が行われているということで、いろいろ満足できるような状況にはないことは十分に承知しております。
今後は、子ども・子育て会議におきまして、量的な拡充とそして質的な改善、この両方の検討を行って、利用者のさまざまなニーズにお応えできるように積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
私も同じ女性の立場として、積極的に推進していきたいと心がけております。よろしくお願いいたします。
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○伊佐委員 ありがとうございます。
私自身の考え方を申し上げさせていただきますと、国民の命と健康を守るという観点から安全性をいかに確保するか、ここがしっかりと担保されない限りは慎重な対応が必要になってくるであろう、私もそう思っております。
もちろん、インターネットによって、先ほど利便性と大臣の方からお話がありました。世の中は大きく変わりました。例えばオンライン教育であったりとか、あるいは金融商取引だって電子化される、行政手続だってオンラインでされる。
医療の分野であっても、遠隔医療というのも今普及をしております。そうした意味で、医薬品についても、自由にいつでも買えるという利便性の向上というのは、これは時代の流れでもあろうと私も思っております。まさしく、消費者の選択肢を広げるという意味があると思うんです。ところが、そうした利便性を追求する前に、安全性を最大限高めていくということがまず必要であろうと私も思っております。
そうした意味で、この安全性をどう確保するかという点について幾つか質問させていただきたい。
現在のこの議論において、医薬品のネット販売の安全性といった場合にどのような具体的な懸念があるかについて、お考えをお伺いしたいと思います。
○とかしき大臣政務官 質問にお答えさせていただきます。
委員がおっしゃいますように、インターネットによる一般の薬の販売におきましては、利便性の反面、安全性をやはりどう担保していくのかというのがとても重要になってまいります。
例えば、どんな具体的事例が考えられるかと申し上げますと、購入者の方が、これは適切なサイトかそうじゃないかということがなかなか判別しにくくて、購入者の意識がないまま違法なサイトから、そしてさらに、不適切な医薬品を購入してしまう場合が考えられます。
また、購入したサイトで何かしら相談をしようとかトラブルを抱えたといった場合に、相談しようとしましても、例えば、突然そのホームページが閉鎖してしまったりということも考えられます。ということで、責任の所在がはっきりしないということが多々考えられます。
ということで、先ほど大臣の方からもお答えさせていただきましたように、今、検討会の方で新たなルールづくりについて御検討いただいているところであります。
厚労省といたしましても、この検討の結果を踏まえまして、一日も早くルールができるように、ガイドラインができますように心がけていきたい、このように考えております。
ありがとうございました。
○伊佐委員 ありがとうございます。
この大きな懸念は、先ほど政務官の方から示していただきましたとおり、さまざまな課題の中で、大きく分けると私は二つじゃないかと思っています。一つは、副作用の問題、健康被害の問題です。もう一つが、違法業者の問題です。ネット販売を考えていく際に、この二つをしっかりと対応できるのかどうか、ここを議論していく必要があると思っております。
そこで、まず副作用についてですが、もちろん、全ての医薬品は効果と同時に副作用というものをあわせ持っている。その中で、服用を誤ると事態は深刻になります。
例えば、過去五年間のこういう報告があります。副作用は全部で千二百二十件、そのうち死亡症例が二十四件あります。この二十四件のうち、十二件は、実は総合感冒薬、つまり、風邪薬の副作用で死亡した例なんです。
こうしたリスクを軽減していくためには、一つは、医薬品についての情報提供というのが不可欠です。例えば、飲み合わせであるとか、してはいけないことであるとか、こういう場合はお医者さんに相談してくださいということが必要です。もう一つが、先ほど政務官もおっしゃった、相談体制。何かあったときと、あるいは何か起こるのを未然に防ぐために、相談できる体制をつくっておくということだと思います。
私は、こういう話を伺いました。ある患者さんは、座薬は座って飲む薬だと思っていましたとか、あるいは、食間服用と言われて食事中に薬を飲んでいますとか、あるいは、高い薬だったので一日三回服用するのを節約して二回にしました、手元に置いていますとか、こういうお話も伺ったこともあります。
薬の正しい服用の仕方あるいはリスクについてしっかりと説明していく、この情報提供であって、また、患者からの相談に応じて必要があれば医療機関に診断を勧めるというこの相談体制、こうした体制づくりがネット販売でもできるかどうかというのが重要な議論じゃないかと思っておりますが、こうした点について、お考えを伺いたいと思います。
○榮畑政府参考人 一般用医薬品の販売に当たりましては、その販売方法がインターネットであるかどうかにかかわりなく、買った方に対しまして、専門家により、適切な情報提供とか相談対応が進めていかれる必要があるというふうに思っております。
先ほどからもお話が出ておりますが、省内で、現在、一般用医薬品のインターネット販売等の新たな仕組みに関する検討会で、そういうふうな点も含めて、諸課題につきまして精力的に検討を進めていただいているところでございます。
厚生労働省といたしましても、できる限り早く、まさに安全性が確保された新しい仕組みというのをつくっていきたいと考えておるところでございます。
以上でございます。
○伊佐委員 もちろん、ネット販売においてさまざまな工夫があるのも存じ上げております。例えば、薬剤師の方々が医薬品の選定から出荷まで全ての流れに関与をして、あるいは管理をしていくということも可能かもしれません。また、ネットならではのトレーサビリティーというのもあります。つまり、双方向でのやりとりの記録というのを残しておくことができる、こういうメリットがあるのも事実でございます。
しかし、考えておくべきことは、販売者側が期待する消費者像というものと、実際にパソコンの前に座ってクリックして医薬品を買う消費者像というのは、違っている場合が多々あるということなんです。
例えば、販売者側から見れば、ネット上で自己チェック欄を設けておけば正しく購入するだろうという期待があります。でも、実際は、例えば内容を読んでも読まなくても、クリックをどんどんしていけば薬を買えてしまう。少なくともこういう状況を改善していく必要があるのではないかと私は思っております。
もう一点。これまで、副作用の健康被害を起こさせないような制度づくりについて質問をさせていただきました。もう一つは、安全性の確保として、大事なことは何かといいますと、違法業者、偽造医薬品の取り締まりです。偽造医薬品とは、例えば表示された成分が入っていないとか、あるいは表示と異なる不純物が混入している。
平成二十三年度に調査が行われております。その中で、海外に所在地のある日本向けの販売サイト、ここで健康食品六十九製品を購入して調査をしました。そうすると、この六十九製品のうちの五十八製品から医薬品成分が検出されたということがありました。
現在、WHOによると、インターネット販売のうち、特に所在地を隠匿しているような非合法なサイトにおいては、五〇%が偽造医薬品を販売しているという報告を出しております。
そこで質問ですが、こうした違法サイトとか、あるいは、服用するだけで健康被害を及ぼすような偽造医薬品、この取り締まりが重要だと思っております。あるいは、信頼できるかどうか、ネット販売の業者を見分ける制度が必要じゃないかと思っております。そこの見解についてお伺いしたいと思います。
○榮畑政府参考人 先生御指摘のように、インターネットの販売について検討していく際に、販売業者がインターネット上で適正な販売業者かどうかを判断できるためにどういうふうに対策を講じていけばいいか、そういう点も大変必要な検討課題だろうと思っております。
先ほどからお話ししております、一般用医薬品のインターネット販売等の新たな仕組みに関する検討会におきまして、適正な販売業者であるかどうかをどう判断できるかという点も含めまして、まさに御議論、検討を進めていただいているところでございます。
そういう結果も踏まえながら、できる限り早く新しい仕組みをつくっていかなければならないと思っておるところでございます。
○伊佐委員 ありがとうございます。
厚労省が現在推進しておりますのは、セルフメディケーションというものがございます。これは、自分の健康については自分自身で責任を持ってください、そしてまた、軽度な体の不調については自分で手当てをしましょうというものでございます。
このセルフメディケーション、さまざまな文脈で語られるんですが、例えば医療費を抑制していく、あるいは健康管理に対する意識が高まっていくというような点もございます。あるいは、医療とか薬に関する知識が身についていく。
こうしたセルフメディケーションというのは、当然、自己判断ですから一定のリスクがある。このリスクをいかに軽減させるかというのが大事なことだと思っておりまして、そこには当然、専門家を含めたサポーターが必要であると思っております。
そうした意味でも、厚労省がセルフメディケーションを推進していく中で、一般医薬品の利用というのが大きな意味を持ってくるのではないかと思っております。
安全性を確保してリスクを最小限にしていくという観点で、例えばネット販売の世界においても、当然、専門家を含めたサポーターが必要であると私は思っておりますが、見解をお伺いしたいと思います。
○とかしき大臣政務官 セルフメディケーションについて質問にお答えさせていただきます。
セルフメディケーションというのはとても重要でございまして、やはり、お一人お一人が、自分で薬をどういうふうに利用しながら自分の健康を維持していくか。これに関して、やはり専門家のアドバイスがとても重要になってまいります。
ですから、セルフメディケーションを適切に推進していくためには、一般用医薬品について専門知識を有しております薬剤師等の専門家がきちっとした情報提供を行いまして、そして、その有用性や安全性をきっちり担保できるようにしていくことが重要であると考えております。
厚労省といたしましても、今後とも、適正使用、そしてさらに啓発、薬剤師の生涯学習の充実強化、こういった店頭でのカウンセリングの質の向上を図るように、積極的に専門家の適切なアドバイスができるような関係をつくっていきたいと思っておりますし、そういった体制をつくっていきたいと考えております。
ありがとうございました。
○伊佐委員 以上で質問を終わりたいと思うんですが、最後に一点だけ。これは通告をしておりませんので、お願いという点で言わせていただきます。
全く違う話ですが、昨日、大阪の印刷業の労働者の胆管がんの発症について、これまでの業務との因果関係がずっとはっきりしなかったということで労災認定がされませんでした。相当な時間を経過したんですが、やっと厚労省においてその因果関係を認める研究会の報告が出されたということをお伺いしました。元従業員の皆様に対して、一刻も早く労災認定の手続を進めていくべきだと私も思っております。
これは、決して一企業だけの問題じゃないと思っています。こうした因果関係というのを国がしっかりと十分検証して、その中で、今後、こうした不幸な事態を起こさないという適切な規制が必要であると思っております。こうしたことを最後にお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
以上、終わります。ありがとうございました。
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○柚木委員 大臣がしっかりとした御見解をお持ちということで、安心をしたところでもございます。
先ほどの伊佐委員からも、やはり利便性と安全性という部分、本当にございますので、しっかり今の御所見の中で議論を進めていただければと思います。
もう一点、そういった中で、医薬品販売の現状という観点から質問をさせていただきたいと思っております。
先ほども少し申し上げましたが、第一類医薬品の販売について、薬剤師が積極的に関与をしていない、あるいはできていないと言うべきなのか、そのようなデータが、政府のこれは覆面調査というんでしょうか、多々報道もなされておるところでございます。
薬剤師の方が第一類の医薬品をきちんと販売できていない、こういうことですと、例えば、具体的に言えば、現行の薬事法が規定します書面を用いての説明、これも十分に行われていないという状況と言わざるを得ない。
そうすると、対面販売が必要、重要だと主張したとしても、そこがいま一つ、国民からしてみれば説得力に欠けるということなんだと思うんですね。
ですから、国民目線からいたしますと、書面などなくとも自分で使うことができるし、薬剤師さんに説明してもらわなくても使えるよと言われてしまっても、現状からすれば仕方がない部分があると言わざるを得ません。
リスクが高いから薬剤師の方が積極的に関与する第一類医薬品を規定したということであれば、そのリスクを軽減するために薬剤師の方が何をできるのかを国民に明示する必要があると思います。
政府は、第一類医薬品の販売で十分な働きができていないという現状にある薬剤師のこの部分についての対応をどのようにお考えなのか、現状をどのように脱して、国民が望む情報提供をするようにしていくのか、あるいは、職能としての薬剤師にどのような役割を期待しているのか、大臣のお考えをお示しください。
○とかしき大臣政務官 御質問についてお答えさせていただきます。
私も薬剤師でございますので、両方の立場からお答えさせていただきたいと思います。
委員御指摘のとおり、平成二十三年度の調査結果によりますと、専門家による情報提供を求める販売制度の定着は進みつつあるというふうに報告は受けておりますけれども、しかしながら、第一類の医薬品の販売の際に、文書を用いた説明が徹底されていない事例が見られたところでもあります。
ということで、今後も、こういったことがないように、販売制度の定着、きちっと文書でも徹底されるようにこれからも図っていきたいと思っております。
薬剤師としましては、やはりチーム医療、これから特に在宅医療などでは重要な役割を果たしていくかと思いますので、生涯学習の充実など、質の向上に努めていきたいと思います。
ありがとうございます。
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○宮沢(隆)委員 こんにちは。日本維新の会、宮沢隆仁であります。
日本維新の会初の厚生労働委員会の質問に立てて、非常に光栄であります。
まず、自己紹介を少しさせていただきます。
私は、三十年間脳外科医をやっておりましたが、実はもともと脳が大好きでありまして、それで脳外科へ行ったようなもので、この政治の世界に入りまして、私にとっては非常に刺激的な世界であります。
なぜかといいますと、もともと私はメディカルブレーンということでずっと三十年やってきまして、その後、ここ三年ぐらい経営大学院へ行ってビジネスブレーンをちょっと構築しまして、その後、突然ポリティカルブレーンの世界へ入りまして、非常に優秀な方々ばかりで、しかも、そこにビューロクラートブレーンが入るということで、これはもう私にとっては非常におもしろい世界であります。
おもしろいとばかり言っていてもいけませんので、ちゃんと仕事をやるつもりではありますが、永田町の印象を一言で言いますと、政治家の先生方は非常に多忙である。かつての国民の一人として、こんなに政治家というのは忙しいんだというのが今わかりました。それで、よく歩いていますし、よく考えていらっしゃいますし、交渉して戦っているというのは、これはもう非常に脳に結構な環境だと思っております。
これも国民の目から見ていて、テレビをつけると、結局、社会保障云々、お金の話がほとんどなんですね。それで、私は、もともと哲学が少し好きだったんですが、政治の世界で、生きる意味だとか、いわゆる最期の迎え方とか、そういう話をもうちょっとしてもいいんじゃないかとずっと思っていました。
この間、予算委員会で、ちょっと二番煎じになりますが、こういう、考動志民という言葉を出させていただきました。人間は、考えて、どんどん動いて、志を持って生きれば元気に長生きできる。これはもうまさに今の高齢者社会に必要な言葉ではないかと思っています。特に今後の高齢者社会においては、一般には高齢者には優しくというようなことを言われているんですが、私は余り過度に優しくしなくていいと思っています。高齢者は、どんどん勉強をしてもらって、動いていただいた方がいいと思います。
余談ですが、患者さんとして見ていると、公務員の方が定年後は非常に危ないというのが私の一般的な印象で、結局、年金等のお金がどんどん入ってきて、急に動かなくなっちゃうんですね。特に男性の方が危ないです。だから、御留意ください。
私は、政治家としての基本スタンスは、団体には今、医師会はもちろん、依存しておりません。厚生労働省に特に肩入れをしようというつもりもありません。国民とあと医療従事者双方にバランスよく肩入れして、真に国民のための医療が何かというのを考えていきたいと思っております。
もうちょっとイントロダクションのお話をさせていただきますと、僕は、日本というのは、今、患者さんに想定できるんじゃないかと思うんですね。大臣の皆さんは外科医、官僚の皆さんはナースとか検査技師に相当するかもしれないです。我々議員は同僚外科医である。
普通、外科医というのは、ピアレビューといいまして、相互に監視し合って、余りひどいと糾弾して、場合によっては手術をやめさせるということもあるんですね。一定のレベルに達していない者は、もうその場で手術室から出てもらうということもあります。政治の世界でもそういうことが僕はあっていいと思うんですね。だから、僕は、官僚の皆さんのレクチャーを受けていても、一定のレベルに達していないと思ったら、即刻苦情を言います。そのぐらいの緊張感と自浄作用があっていいのではないかと思います。
本題に入ります。
通告とはちょっと順番が異なると思うんですが、まず、官僚の方には伝えたと思うんですが、福島県立大野病院事件という、我々医者にとっては非常に重要な事件があるんですが、これは、とかしき政務官に聞いてよろしいですか。御存じでしょうか。どのような事件か、概略を説明していただけますか。
○とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。
平成十六年の十二月、福島県立大野病院において、前置胎盤患者の帝王切開に際して、大出血により患者が死亡したという事件であります。
患者の死亡後、二十四時間以内に所轄警察に届けはありませんでした。
しかし、平成十八年の三月、業務上過失致死及び医師法第二十一条の違反によりまして、福島県の地方裁におきまして起訴をされ、平成二十年の九月、無罪確定したという事件でございます。
○宮沢(隆)委員 どうもありがとうございました。
昨日、厚生官僚の方々にお聞きしたときも、そこまででとまっちゃったんですね。それが結局、現場と永田町の意識の乖離なんだろうと思うんです。
このとき、最終的に無罪にはなったんですが、逮捕されたときは、恐らく私の記憶では、手錠をかけられたような状況で車に乗せられたんですね。ほとんど殺人者扱いです。その場面を見て、まず我々医者、特に外科医は大ショックを受けまして、それをきっかけに外科医をやめた人も結構いるんですね。まあ、ちょっとやはり福島県警の行き過ぎだったと最後は反省はしたようなんですが。
その後、さすがに警察もまずいと思ったのか、あとはやはり世論が、このままだと外科医はいなくなるというようなところまでいって、無過失補償制度というのが必要じゃないかと。
結局、簡単に言いますと、外科医が手術をやりますと、一〇〇%安全な手術というのはないわけで、何らかの合併症で患者さんが亡くなるということはあるんですね。今の趨勢は、とにかく、体にメスを入れてうまくいけばそれでオーケー、うまくいかなかったらそれは医者のミスじゃないかという方向へ、やはり遺族の方はそういうふうに思われるのも無理はないんですけれども、そういう傾向がちょっと世の中にある。それをやっていくと、結局、外科医はいなくなりますよね、結果として。現実に、今どんどん減っています。
それで、その無過失補償制度で、例えば合併症等で患者さんが亡くなっても、それは過失と認定せず、何らかの補償を遺族の方にしてあげようという制度。これが数年前に世の中に出て、私はもうてっきり法制化するぐらいまでいっているんじゃないかと思っていたんですね。
その辺、政務官の方が御存じでしょうから、ちょっと今の進捗状況を教えていただけますでしょうか。
○とかしき大臣政務官 お答えいたします。
こちらの方は、民主党のマニフェストを受けまして、平成二十三年の八月から、医療に係る無過失補償制度のあり方についての議論を開始いたしました。
現在は、その前提となる医療事故の調査制度のあり方について集中審議を行っている状況であります。
なかなか、構成員の方々の意見が今ちょっと分かれているところもありまして、なるべく早期に結論が得られるように鋭意努力をしているというのが現状でございます。
以上です。
○宮沢(隆)委員 私は、この経緯を聞いて、現場で仕事をやっていた人間としてちょっとびっくりしたんですけれども、平成十六年の事件で、無過失補償制度が始まったのが平成二十三年八月ですよね。その後、医療事故の調査の仕組みのあり方検討部会が平成二十四年、去年ですよね、二月に始まった。それで、ことし二月に十回目を終えた。
まず感じたのは、何でこんなに遅いんだろうという、まあ国民一般の感想ですよね。そこをちょっと、なぜかというのを教えていただけますか。これが厚労省のペースなんでしょうか。
○とかしき大臣政務官 お答え申し上げます。
こちらの問題に関しましては、やはり今現在も構成員の意見がいろいろ分かれるように、多様な意見がございまして、なかなか集約が難しいということがございました。
あと、もう一つ申し上げるのがちょっと抜けておりましたけれども、自民党の方でも、平成十九年の十二月に、医療紛争処理のあり方検討会というものの取りまとめが行われました。
ということで、十九年に取りまとめが行われまして、私の記憶ですとたしか二年ぐらいこの検討会は行われていたかと思いますので、自民党の方でもこの問題点はかなり検討させていただいたという経緯がございます。
以上です。
○宮沢(隆)委員 自民党がやっていたというのは、私、知りませんでした。
私が問いたいのはスピードなんですよね。その審議のスピード。事を進めるスピード。
では、とりあえず過去のことはいいとして、今後どういうスピードで、どういうスパンで、何を目指して、いつまでにこの問題をやっていただけるんでしょうか。お願いします。
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○伊東(信)委員 よろしくお願いします。日本維新の会、伊東信久です。
田村厚生労働大臣、先日は、予算委員会での基本的質疑、どうもありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
私も外科医でして、医師免許を持っているんですけれども、たくさん聞きたいことがあるので、さくさくと本題に入っていきます。
私自身の言いたいことはただ一つ。医療費が、十兆五千五百八十七億円。社会保障制度でありながら、一般会計に十兆もの、十兆強を超えて一般会計に入るのは、制度設計をやはり見直す必要があるのではないかというのが、まず私の提言なんですね。恐らく、国民も、政府も、我々政治家も、財源アップという、特殊な手段というのはなかなかやはり難しいというのは共通認識であります。
例えば、共助としての財源としては、企業負担であるから、サラリーマンの方のお金は入っていない、共助でですよ。協会けんぽも数が少ない。国保、特に、この高齢者社会において、後期高齢者の人数がふえていれば財源的に厳しいというのは、これは本当に共通の認識だと思います。
しかしながら、十兆円もの医療費をかけているのにもかかわらず、二〇〇〇年になりますけれども、WHOで調査したところ、日本の医療というのは世界一ということだったんですが、二〇一〇年、そこから十年後に、ロイター通信で国民の皆さんに医療に関する満足度をお聞きしたところ、スウェーデンでは七五%ほど満足だ、イギリスでは五五%ほど満足だ。しかしながら、日本での満足度は一五%だったんですね。
これは結構日本医師会も報告したりしているんですけれども、この事実に関してどうお考えかというよりも、患者として、皆さんはどのようにお感じになっているか。今の日本の医療に関して何%ぐらい満足しているか。ちょっと共通認識ということで、まずは、私と同じ昭和三十九年の田村厚生労働大臣と、あと、同じ大阪のとかしき政務官に、今の医療にどれぐらい満足されているかということ。
○田村国務大臣 なかなか難しい。私自身が医療サービスを受ける患者側としてという判断でよろしゅうございますでしょうか。
そうなってまいりますと、今言われております救急でありますとか、もちろん産科という部分も、妻は関係しますけれども、私は直接関係しないわけでございまして、ふだん受ける、風邪を引いたりですとか、盲腸で緊急入院したりですとか、そういう医療でございますから、七割ぐらいは満足をいたしております。
ということはどういうことかというと、今言われておりますような、医師の適正配分がされていない、そういう目に遭われた方々は、多分もっと低いのであろうなというような認識であります。
○とかしき大臣政務官 御質問いただきまして、ありがとうございます。
実は、ついこの間まで私も落選中でございまして、医療現場で薬剤師として仕事をさせていただきました。
医療サービスを提供する側から考えますと、非常に、医療現場に携わっている医療従事者の方々がかなりの好意で日本の場合は一生懸命仕事をしているなというのが私の印象でございます。
それに基づいて、患者の皆様の方が満足いただけるかどうか、ここはまたちょっと別の話でございまして、細かくケアをしている割にはなかなかそれが評価していただけないというのが今の実態ではないかなというふうに思います。
日本で持っております皆保険制度というのは、非常に有効に機能していて、どなたにでも医療を受けられるチャンスが与えられる。本当にこれはすばらしい制度でありますけれども、なかなかこのすばらしい制度であるということを国民の皆様に御理解いただけていないのが、私も、今、厚生労働省の立場からすると、ちょっと残念だなと思っているところであります。
以上です。
○伊東(信)委員 後半のとかしき政務官のお話、ありがとうございます。
確かに、今の日本の国民皆保険制度に関してなんですけれども、田村厚生労働大臣も所信表明で、「持続可能な社会保障制度を確立」というお言葉と、「医療については、国民皆保険を今後とも堅持する」ということを提言としておっしゃっていました。
今からの私の質問もそういうことなんですけれども、今の統計はバイアスがかかっておりまして、このパーセンテージというのは、医療へのアクセスのしやすさ、つまり、かかりやすさという点が主だそうです。そうなると、やはり、日本の一五%というのは、何かしら医療を受けるに関して壁がある。
では、GP、かかりつけ医とかの方針は、厚労省も政府も推進しようという方針ということをお伺いしたことがあるんですけれども、つまりプライマリーケアなんです。
実際、医師の立場から考えて、同僚の悪口を言うのはちょっと嫌なんですけれども、今の保険制度であれば、例えば、これだったら三、四日で治るとかいう病気が一週間、二週間かかっていくと、残念ながら収益は上がっていくんですよね。つまり、実は、本当に質もどうかなというような危惧もされているわけです。
だけれども、予算委員会での基本的質疑でお話ししましたように、どうもその辺のチェックになると、医師の能力のありよう、例えば、医師会の生涯教育制度とかで研修を積んでいるとか研さんを積んでいるかということはチェックはできますけれども、国家試験とかで、例えば、技術の試験をつけるとか、いわゆるコミュニケーション能力をつけるとかいうような案も出ているみたいですけれど、なかなかこのチェック機能が難しい。
では、制度として、医療保険をとりあえずは抑えるには、包括にしてしまう。つまり、病気によって保険の点数を決めてしまうというような案とかもあるんですけれども、こういった考えに関しては、大臣、どのように思われますか。
○田村国務大臣 まず、かかりつけ医制度というものは、我が省の方も、医療提供体制の中で、在宅医療も含めてでありますけれども、これから広めていかなきゃならぬというふうに思っておりますが、ゼネラルプラクティショナー制度自体は、これはちょっと概念として、かなり、イギリスやヨーロッパのものと日本とかかりつけ医が同じかというと、そこは違うということを御理解いただきたいというふうに思います。
その上で、包括、マルメでどうだという話がありますが、これも、いっとき、後期高齢者に関してそういうような話が出たときがありました。後期高齢者医療制度、大変お叱りをいただいて、長寿医療制度というふうに名前を変えたんですが、このときに、当時、民主党さんから、そういうマルメというものは、お年寄りの医療の権利というものを阻害して、年齢によって差別するじゃないかというお叱りをいただきました。
結果的に、マルメになりますと十分な医療を提供されない可能性もあるという意味では、それも一理あるということでございまして、現状は、DPC制度等々ありますけれども、そういうようなものに関しましては、全体的に全て普及しているという状況ではないということであります。
○伊東(信)委員 確かに、実際、イギリスとかのGP制度も完璧なものではないというような調査結果も出ていますので、田村大臣のお話は正しいと思います。
ただ、マルメであれば、包括であれば適正な医療が受けられないかどうかという問題に関しては、例えば、いわゆる日本の医療病名の複雑さにも関係してくるんですね。それは、いわゆるレセプトとかという問題、医療病名という問題にもかかわってくるんです。
つまり、先ほどから統計の話をしていますけれども、有病率というのは非常に難しくて、糖尿病であっても、糖尿病の網膜症であったり腎症であれば、科がかわってくるわけです。だけれども、全体を診るのが糖尿病だということなんですね。つまり、合併症が多くなると、それをどこまで診ればいいのかという問題が出てくるんです。
では、提言として、かかりつけ医のレベル、GPのレベルと言っていいのか、これは別に一般開業医でもいいんですね、一般開業医に来るレベルまでを包括にすれば、もちろん、私も開業医をやっていましたので、自分の首を絞めるような発言なんですけれども、包括にすれば、医療の質もそんなに下がることはない。なぜかというと、高度医療は大学病院とか大きな病院とかそれを専門にした病院に行けばいいということで、一部包括にするというのは制度上難しいのでしょうか。
○田村国務大臣 病院等々で、今、DPC制度でマルメの部分もございます。一方で、救急等々、出来高の部分もあるわけでありますが、今のは、開業医等々ですか、そこをマルメにしようというお話でしょうか。
ですから、それも含めて、以前、我々の政権のときに、全てがマルメではないんですよ、ないんですけれども、そういう選択制というものを提示させていただいたんですけれども、非常に国会でもお叱りをいただき、また世の中でも余り評判がよくなかったということで、結局撤回をさせていただいたということでございます。
○伊東(信)委員 済みません、ちょっとよくわからなかったところは、そのお叱りを受けた部分は、質が落ちたということでしょうか。
○田村国務大臣 当時は、高齢者の方々に対する中において選択制という形で御提示をさせていただいたわけでありますけれども、結局、診療するにしても、どこまでやっても同じですから、同じ病名に対して。という話になれば、十分な診断、検査もやらないであろうということがあるのではないかというお叱りを当時いただいたということでございます。
○伊東(信)委員 十分な検査が行われないのではないかという御指摘は、医師免許を有する者としてはなかなか耳の痛い話なのではございますが。
それでは、にもかかわらず、例えば大きな病院とかで入院日数も決まっている。では、地域医療というのがあって、今度は介護という問題に入ってくるわけなんです。
今回の厚労省の提言の中に、介護と医療のきっちりとしたすみ分けと、かつ、両方の提携ということなんですけれども、地域医療において、これが理想ではあるんですけれども、非常に難しくて、それが成功している事例というのは非常に少ないです。私が開業し住む大阪、兵庫、東京、幾つか病院を持っているんですけれども、その地域において、両方、介護と医療が成功しているところは病院自体も潤っていますけれども、ほとんどが成功していないんですね。
では、介護側の包括の部分に医療の一部を、もう一つの提言です、さらに進んだ提言として、難しいとなれば、例えば、本当に診て話を聞くだけ、診て聴診器を当てるだけ、そういったような医療もやはり行われているのも事実なんですね、特に訪問医療の場合。では、それをそのまま介護の方にマルメとして移行すれば、今度は医療費が削減できるのではないかという、医師としての私の提案はどうでしょうか。
○とかしき大臣政務官 ありがとうございます。
委員の御提案も承りました。
ところが、医療と介護、やはり制度がちょっと成り立ちが違っておりまして、これを今すぐ一元化というのはなかなか難しいところでございます。
例えば、一つは保険者が当然異なるということと、利用者側の方の自己負担、それぞれそれも異なっているということと、サービスの利用面とか、例えば、介護保険制度のサービスは、要介護の認定とかケアマネジメントが行われるサービスの利用面とか、いろいろ違いがございますので、なかなか医療と介護を一体化してサービスを提供するのは難しいというのが現状であります。
ただ、年を重ねてまいりますと、医療と介護を行ったり来たりというのは、どうしてもこういう状況は避けられなくなってまいりますので、これをやはり、包括的な支援、支えていく仕組みを今後検討していくことが大切であるというふうに厚労省の方でも考えております。
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○足立委員 ありがとうございます。おっしゃっていることはわかります。
加えて、今、大臣から再三、司法という話がございました。
この分野は若干司法が先に走っている分野かもしれませんが、私は、判例法理が前に走るのがいいのか、あるいは、しかるべき形で、公労使で法律でその枠組みを決めていくのがいいのか、そういうことも含めて、また御議論をさせていただきたいと存じます。でも、丁寧な御回答をありがとうございます。
もう時間も限られていますが、最後に、今、医療の入り口をしましたので、医療制度改革について質問を申し上げます。
私、ちょうど今、政治を志して間もないんですが、まだ役人であった時代に、小泉郵政解散のときに政治にぐらっときたことがございましたが、そういう意味でも、小泉改革には若干思い入れがあります。当時の小泉政権時代の、例えば年金のマクロスライドとか、すばらしい改革がなされてきた。医療についても、平成十八年の医療構造改革、医療制度改革大綱にさまざまなテーマが書いてございます。
実は、質問として、その進捗状況はどうですかという質問もありますが、ちょっと時間がないので飛ばします。
これは、いろいろできたこともあるし、できていないこともあるということでございますが、その中で一つだけ、具体例をもって現状について御紹介をしたいと思うんです。
当時、医療法人の枠組みをいろいろ変えようということで、社会医療法人というのを新設する、公募債で資金調達をすることもできるとなっていたやに記憶をしておりますが、そういう背景もあって、医療法人会計基準をちゃんと整備した方がいいということで、医療制度改革大綱の中にも「会計の在り方について検討する。」ということを、閣議決定をした文書の中に、会計基準について検討すると。
実は、皆様御承知でしょうか、今、さまざまな法人がある中で、会計基準がない法人は医療法人だけ。当時、私は、これはおかしいぞということで、厚労省にやんややんやと隣から言って嫌われたんですが、しかし、閣議決定で医療法人会計基準について検討するとなった。
その後、どうも動いていないようにしか見えないので、その後の検討状況を教えてください。
○とかしき大臣政務官 質問にお答えさせていただきます。
現在、四病院団体協議会が中心となって検討を行っておりまして、先ほど委員もお話しになりましたけれども、公募債を発行する医療法人については会計基準を策定いたしました。それ以外の医療法人については、慎重な意見が多数ございまして、まだ成案を得られていない状況であります。
現在は、その四病院団体協議会を中心に検討を再開しており、厚労省といたしましては、この取り組みを注視しているという状況でございます。
○足立委員 今、公募債を発行する法人については策定をされたとおっしゃいましたが、すると、医療法人会計基準はあるということでしょうか。私は、ないと理解しているんですけれども。
○とかしき大臣政務官 お答えいたします。
公募債である社会医療法人債を発行する社会医療法人については、その状況を明らかにできるようということで、平成十九年の三月に会計基準を制定いたしたということでございます。
以上です。
○足立委員 おっしゃるのは、ごめんなさい、事前の勉強でも出てきていなかった話で、ちょっと戸惑っておりますが。
当時、そういう閣議決定をされて、その後、四病協で医療法人会計基準検討委員会というものが設置をされて、それでずっと検討してきたが、内部で反対があって頓挫をして終わっている。
恐らく今おっしゃっているのは、何だろうな、事務方も含めてそうですか、ごめんなさい、医療法人会計基準がもうあると。再度確認させてください。ちょっと、私の認識と余りに違うんだけれども。
○とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。
一般の医療法人に関しては成案は得られていないというのが状況でございます。(足立委員「それは見られるということですか」と呼ぶ)はい、公募債を発行している社会医療法人については会計基準を策定しているということで、一般に関しては成案は得られていないということでございます。(足立委員「その公募債を……」と呼ぶ)
○松本委員長 政務官が発言が終わりました。着席するまで待ってください。
○足立委員 大変失礼しました。
すると、公募債を発行されている医療法人については、当該医療法人会計基準に基づいて外部監査を受けているという理解でよろしいでしょうか。
○とかしき大臣政務官 監査を受けているところでございます。
○足立委員 この医療法人会計基準については、実は大変、当時、医療界の中でも、いろいろ反対意見もあった。
しかし、なぜ私が、きょう、この所信質疑において、こういう若干個別の話を一つ事例として申し上げているかということだけ御紹介したいんですが、私は経産省におりました。経産省では、いろいろな税制とか、あるいは、法務省と連携して、会社法制をずっと整備してきた。倒産法制も整備してきた。合併、分割、MアンドA法制も整備をしてきた。
ところが、医療を初めとする非営利法人の世界は、何にもないんですね、合併規定もない、関連の税制も当然ない。これから医療が効率化をし、さまざまな国民のニーズに応えていくためには、非営利の世界にあっても、そうした制度的イノベーションというものは取り入れていく必要がある、これが一つでございます。
それからもう一つは、なぜ営利法人の世界で会計基準が重要視されるかといえば、投資家保護の観点ですね。多くのお金を投資する、特に一般投資家が関与する場合については、一般投資家保護の観点から、さまざまな規制が加えられている。
医療についてはどうでしょうか。保険料、もちろん、保険者機能がしっかり働けば、保険者がチェックをする。でも、融資も行われている、いわゆる持ち分の出資も行われている。さらに言えば、先ほど冒頭、大臣といろいろ御議論させていただいた、大きな国費が投入をされている。国民に対する説明責任という観点から、私は、この医療の世界において会計基準もまだないというのは、異常な世界だと思っております。
これからさまざまな医療制度改革、社会保障改革を御議論させていただくに当たって、まず、こういった基礎的なことだけはぜひ早急に整備をしていただいて、本格的な制度改正に向けて議論を深めていただければと存じます。
本日は、大変ありがとうございました。
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○三ッ林委員 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
最後の質問ですけれども、保育に関しまして質問させていただきます。
私は、選挙中から、病児保育、病後児保育、これを訴えてまいったわけでございますけれども、今政府の進めている認定こども園、これは私も拡充していくことに大賛成でございまして、よろしくお願いしたいと思っております。
ただ、病児保育、病後児保育、これは、お子さんがちょっと熱を出したときにそれを受け入れる、そういった施設を病児保育、病後児保育といいますけれども、なかなか根づいていないのが現状でございます。
そして、病児保育は、これからの女性の社会進出には非常に欠かせない施設だと私は思っております。今、核家族が九割以上というこの日本の現状の中で、人に預けられない、こういった状況もありますし、女性の方が仕事をしていて、保育所にお子さんを預けていて、熱が出たから引き取りに来てください、そういったってなかなか行けない、そういう現実があるわけであります。これは、私は、いろいろな方から聞きまして、病児保育、病後児保育を何とか日本に根づかせたいな、そういう思いであります。
ただ、やはり現場の方にお聞きしますと、非常に大変だということなんですね。私は、板橋区で、知っている先生がやっているので調査したところ、板橋区は七十万人の人口があるわけですけれども、そこで三施設しかないんですね。帝京大学病院と板橋区医師会病院、それと個人の気持ちでやっている、そういう三カ所だけで、病児保育はとても受け入れられない。一生懸命やっている個人の先生は、もう日曜日もない、毎日やっている、そういう状況なので、とにかく数をふやしてほしいということなんですね、数をふやす。
何が足りないかというと、やはり助成金が足りないんです。今回、予算も昨年度よりはふえましたけれども、やはり病児保育を根づかせていくためには、助成金をもっとふやして、これに取り組む姿勢が必要だと思うんですが、病児保育、病後児保育に対しましての見解を、とかしき先生、お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○とかしき大臣政務官 病児・病後児保育について御質問いただきまして、本当にありがとうございます。
子供の病は本当にいつ起こるかわかりません。私も女性の多い職場で働いた経験がございまして、本当にこれで困っている方々を多く拝見いたしました。やはり、保護者が就労等の問題で、なかなか子供を預かってもらう場所を探していくことが難しくなっております。これは、女性の社会進出のためにもとても必要な措置だと考えております。
平成二十五年度の予算案でも必要な経費を計上して、事業の拡大を図るように頑張っておりますけれども、やはり先生おっしゃるようにいろいろ問題も抱えておりまして、年間の延べ利用者数に応じて今補助が行われているということで、いろいろ満足できるような状況にはないことは十分に承知しております。
今後は、子ども・子育て会議におきまして、量的な拡充とそして質的な改善、この両方の検討を行って、利用者のさまざまなニーズにお応えできるように積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
私も同じ女性の立場として、積極的に推進していきたいと心がけております。よろしくお願いいたします。
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○伊佐委員 ありがとうございます。
私自身の考え方を申し上げさせていただきますと、国民の命と健康を守るという観点から安全性をいかに確保するか、ここがしっかりと担保されない限りは慎重な対応が必要になってくるであろう、私もそう思っております。
もちろん、インターネットによって、先ほど利便性と大臣の方からお話がありました。世の中は大きく変わりました。例えばオンライン教育であったりとか、あるいは金融商取引だって電子化される、行政手続だってオンラインでされる。
医療の分野であっても、遠隔医療というのも今普及をしております。そうした意味で、医薬品についても、自由にいつでも買えるという利便性の向上というのは、これは時代の流れでもあろうと私も思っております。まさしく、消費者の選択肢を広げるという意味があると思うんです。ところが、そうした利便性を追求する前に、安全性を最大限高めていくということがまず必要であろうと私も思っております。
そうした意味で、この安全性をどう確保するかという点について幾つか質問させていただきたい。
現在のこの議論において、医薬品のネット販売の安全性といった場合にどのような具体的な懸念があるかについて、お考えをお伺いしたいと思います。
○とかしき大臣政務官 質問にお答えさせていただきます。
委員がおっしゃいますように、インターネットによる一般の薬の販売におきましては、利便性の反面、安全性をやはりどう担保していくのかというのがとても重要になってまいります。
例えば、どんな具体的事例が考えられるかと申し上げますと、購入者の方が、これは適切なサイトかそうじゃないかということがなかなか判別しにくくて、購入者の意識がないまま違法なサイトから、そしてさらに、不適切な医薬品を購入してしまう場合が考えられます。
また、購入したサイトで何かしら相談をしようとかトラブルを抱えたといった場合に、相談しようとしましても、例えば、突然そのホームページが閉鎖してしまったりということも考えられます。ということで、責任の所在がはっきりしないということが多々考えられます。
ということで、先ほど大臣の方からもお答えさせていただきましたように、今、検討会の方で新たなルールづくりについて御検討いただいているところであります。
厚労省といたしましても、この検討の結果を踏まえまして、一日も早くルールができるように、ガイドラインができますように心がけていきたい、このように考えております。
ありがとうございました。
○伊佐委員 ありがとうございます。
この大きな懸念は、先ほど政務官の方から示していただきましたとおり、さまざまな課題の中で、大きく分けると私は二つじゃないかと思っています。一つは、副作用の問題、健康被害の問題です。もう一つが、違法業者の問題です。ネット販売を考えていく際に、この二つをしっかりと対応できるのかどうか、ここを議論していく必要があると思っております。
そこで、まず副作用についてですが、もちろん、全ての医薬品は効果と同時に副作用というものをあわせ持っている。その中で、服用を誤ると事態は深刻になります。
例えば、過去五年間のこういう報告があります。副作用は全部で千二百二十件、そのうち死亡症例が二十四件あります。この二十四件のうち、十二件は、実は総合感冒薬、つまり、風邪薬の副作用で死亡した例なんです。
こうしたリスクを軽減していくためには、一つは、医薬品についての情報提供というのが不可欠です。例えば、飲み合わせであるとか、してはいけないことであるとか、こういう場合はお医者さんに相談してくださいということが必要です。もう一つが、先ほど政務官もおっしゃった、相談体制。何かあったときと、あるいは何か起こるのを未然に防ぐために、相談できる体制をつくっておくということだと思います。
私は、こういう話を伺いました。ある患者さんは、座薬は座って飲む薬だと思っていましたとか、あるいは、食間服用と言われて食事中に薬を飲んでいますとか、あるいは、高い薬だったので一日三回服用するのを節約して二回にしました、手元に置いていますとか、こういうお話も伺ったこともあります。
薬の正しい服用の仕方あるいはリスクについてしっかりと説明していく、この情報提供であって、また、患者からの相談に応じて必要があれば医療機関に診断を勧めるというこの相談体制、こうした体制づくりがネット販売でもできるかどうかというのが重要な議論じゃないかと思っておりますが、こうした点について、お考えを伺いたいと思います。
○榮畑政府参考人 一般用医薬品の販売に当たりましては、その販売方法がインターネットであるかどうかにかかわりなく、買った方に対しまして、専門家により、適切な情報提供とか相談対応が進めていかれる必要があるというふうに思っております。
先ほどからもお話が出ておりますが、省内で、現在、一般用医薬品のインターネット販売等の新たな仕組みに関する検討会で、そういうふうな点も含めて、諸課題につきまして精力的に検討を進めていただいているところでございます。
厚生労働省といたしましても、できる限り早く、まさに安全性が確保された新しい仕組みというのをつくっていきたいと考えておるところでございます。
以上でございます。
○伊佐委員 もちろん、ネット販売においてさまざまな工夫があるのも存じ上げております。例えば、薬剤師の方々が医薬品の選定から出荷まで全ての流れに関与をして、あるいは管理をしていくということも可能かもしれません。また、ネットならではのトレーサビリティーというのもあります。つまり、双方向でのやりとりの記録というのを残しておくことができる、こういうメリットがあるのも事実でございます。
しかし、考えておくべきことは、販売者側が期待する消費者像というものと、実際にパソコンの前に座ってクリックして医薬品を買う消費者像というのは、違っている場合が多々あるということなんです。
例えば、販売者側から見れば、ネット上で自己チェック欄を設けておけば正しく購入するだろうという期待があります。でも、実際は、例えば内容を読んでも読まなくても、クリックをどんどんしていけば薬を買えてしまう。少なくともこういう状況を改善していく必要があるのではないかと私は思っております。
もう一点。これまで、副作用の健康被害を起こさせないような制度づくりについて質問をさせていただきました。もう一つは、安全性の確保として、大事なことは何かといいますと、違法業者、偽造医薬品の取り締まりです。偽造医薬品とは、例えば表示された成分が入っていないとか、あるいは表示と異なる不純物が混入している。
平成二十三年度に調査が行われております。その中で、海外に所在地のある日本向けの販売サイト、ここで健康食品六十九製品を購入して調査をしました。そうすると、この六十九製品のうちの五十八製品から医薬品成分が検出されたということがありました。
現在、WHOによると、インターネット販売のうち、特に所在地を隠匿しているような非合法なサイトにおいては、五〇%が偽造医薬品を販売しているという報告を出しております。
そこで質問ですが、こうした違法サイトとか、あるいは、服用するだけで健康被害を及ぼすような偽造医薬品、この取り締まりが重要だと思っております。あるいは、信頼できるかどうか、ネット販売の業者を見分ける制度が必要じゃないかと思っております。そこの見解についてお伺いしたいと思います。
○榮畑政府参考人 先生御指摘のように、インターネットの販売について検討していく際に、販売業者がインターネット上で適正な販売業者かどうかを判断できるためにどういうふうに対策を講じていけばいいか、そういう点も大変必要な検討課題だろうと思っております。
先ほどからお話ししております、一般用医薬品のインターネット販売等の新たな仕組みに関する検討会におきまして、適正な販売業者であるかどうかをどう判断できるかという点も含めまして、まさに御議論、検討を進めていただいているところでございます。
そういう結果も踏まえながら、できる限り早く新しい仕組みをつくっていかなければならないと思っておるところでございます。
○伊佐委員 ありがとうございます。
厚労省が現在推進しておりますのは、セルフメディケーションというものがございます。これは、自分の健康については自分自身で責任を持ってください、そしてまた、軽度な体の不調については自分で手当てをしましょうというものでございます。
このセルフメディケーション、さまざまな文脈で語られるんですが、例えば医療費を抑制していく、あるいは健康管理に対する意識が高まっていくというような点もございます。あるいは、医療とか薬に関する知識が身についていく。
こうしたセルフメディケーションというのは、当然、自己判断ですから一定のリスクがある。このリスクをいかに軽減させるかというのが大事なことだと思っておりまして、そこには当然、専門家を含めたサポーターが必要であると思っております。
そうした意味でも、厚労省がセルフメディケーションを推進していく中で、一般医薬品の利用というのが大きな意味を持ってくるのではないかと思っております。
安全性を確保してリスクを最小限にしていくという観点で、例えばネット販売の世界においても、当然、専門家を含めたサポーターが必要であると私は思っておりますが、見解をお伺いしたいと思います。
○とかしき大臣政務官 セルフメディケーションについて質問にお答えさせていただきます。
セルフメディケーションというのはとても重要でございまして、やはり、お一人お一人が、自分で薬をどういうふうに利用しながら自分の健康を維持していくか。これに関して、やはり専門家のアドバイスがとても重要になってまいります。
ですから、セルフメディケーションを適切に推進していくためには、一般用医薬品について専門知識を有しております薬剤師等の専門家がきちっとした情報提供を行いまして、そして、その有用性や安全性をきっちり担保できるようにしていくことが重要であると考えております。
厚労省といたしましても、今後とも、適正使用、そしてさらに啓発、薬剤師の生涯学習の充実強化、こういった店頭でのカウンセリングの質の向上を図るように、積極的に専門家の適切なアドバイスができるような関係をつくっていきたいと思っておりますし、そういった体制をつくっていきたいと考えております。
ありがとうございました。
○伊佐委員 以上で質問を終わりたいと思うんですが、最後に一点だけ。これは通告をしておりませんので、お願いという点で言わせていただきます。
全く違う話ですが、昨日、大阪の印刷業の労働者の胆管がんの発症について、これまでの業務との因果関係がずっとはっきりしなかったということで労災認定がされませんでした。相当な時間を経過したんですが、やっと厚労省においてその因果関係を認める研究会の報告が出されたということをお伺いしました。元従業員の皆様に対して、一刻も早く労災認定の手続を進めていくべきだと私も思っております。
これは、決して一企業だけの問題じゃないと思っています。こうした因果関係というのを国がしっかりと十分検証して、その中で、今後、こうした不幸な事態を起こさないという適切な規制が必要であると思っております。こうしたことを最後にお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
以上、終わります。ありがとうございました。
〜 (略) 〜
○柚木委員 大臣がしっかりとした御見解をお持ちということで、安心をしたところでもございます。
先ほどの伊佐委員からも、やはり利便性と安全性という部分、本当にございますので、しっかり今の御所見の中で議論を進めていただければと思います。
もう一点、そういった中で、医薬品販売の現状という観点から質問をさせていただきたいと思っております。
先ほども少し申し上げましたが、第一類医薬品の販売について、薬剤師が積極的に関与をしていない、あるいはできていないと言うべきなのか、そのようなデータが、政府のこれは覆面調査というんでしょうか、多々報道もなされておるところでございます。
薬剤師の方が第一類の医薬品をきちんと販売できていない、こういうことですと、例えば、具体的に言えば、現行の薬事法が規定します書面を用いての説明、これも十分に行われていないという状況と言わざるを得ない。
そうすると、対面販売が必要、重要だと主張したとしても、そこがいま一つ、国民からしてみれば説得力に欠けるということなんだと思うんですね。
ですから、国民目線からいたしますと、書面などなくとも自分で使うことができるし、薬剤師さんに説明してもらわなくても使えるよと言われてしまっても、現状からすれば仕方がない部分があると言わざるを得ません。
リスクが高いから薬剤師の方が積極的に関与する第一類医薬品を規定したということであれば、そのリスクを軽減するために薬剤師の方が何をできるのかを国民に明示する必要があると思います。
政府は、第一類医薬品の販売で十分な働きができていないという現状にある薬剤師のこの部分についての対応をどのようにお考えなのか、現状をどのように脱して、国民が望む情報提供をするようにしていくのか、あるいは、職能としての薬剤師にどのような役割を期待しているのか、大臣のお考えをお示しください。
○とかしき大臣政務官 御質問についてお答えさせていただきます。
私も薬剤師でございますので、両方の立場からお答えさせていただきたいと思います。
委員御指摘のとおり、平成二十三年度の調査結果によりますと、専門家による情報提供を求める販売制度の定着は進みつつあるというふうに報告は受けておりますけれども、しかしながら、第一類の医薬品の販売の際に、文書を用いた説明が徹底されていない事例が見られたところでもあります。
ということで、今後も、こういったことがないように、販売制度の定着、きちっと文書でも徹底されるようにこれからも図っていきたいと思っております。
薬剤師としましては、やはりチーム医療、これから特に在宅医療などでは重要な役割を果たしていくかと思いますので、生涯学習の充実など、質の向上に努めていきたいと思います。
ありがとうございます。
〜 (略) 〜
○宮沢(隆)委員 こんにちは。日本維新の会、宮沢隆仁であります。
日本維新の会初の厚生労働委員会の質問に立てて、非常に光栄であります。
まず、自己紹介を少しさせていただきます。
私は、三十年間脳外科医をやっておりましたが、実はもともと脳が大好きでありまして、それで脳外科へ行ったようなもので、この政治の世界に入りまして、私にとっては非常に刺激的な世界であります。
なぜかといいますと、もともと私はメディカルブレーンということでずっと三十年やってきまして、その後、ここ三年ぐらい経営大学院へ行ってビジネスブレーンをちょっと構築しまして、その後、突然ポリティカルブレーンの世界へ入りまして、非常に優秀な方々ばかりで、しかも、そこにビューロクラートブレーンが入るということで、これはもう私にとっては非常におもしろい世界であります。
おもしろいとばかり言っていてもいけませんので、ちゃんと仕事をやるつもりではありますが、永田町の印象を一言で言いますと、政治家の先生方は非常に多忙である。かつての国民の一人として、こんなに政治家というのは忙しいんだというのが今わかりました。それで、よく歩いていますし、よく考えていらっしゃいますし、交渉して戦っているというのは、これはもう非常に脳に結構な環境だと思っております。
これも国民の目から見ていて、テレビをつけると、結局、社会保障云々、お金の話がほとんどなんですね。それで、私は、もともと哲学が少し好きだったんですが、政治の世界で、生きる意味だとか、いわゆる最期の迎え方とか、そういう話をもうちょっとしてもいいんじゃないかとずっと思っていました。
この間、予算委員会で、ちょっと二番煎じになりますが、こういう、考動志民という言葉を出させていただきました。人間は、考えて、どんどん動いて、志を持って生きれば元気に長生きできる。これはもうまさに今の高齢者社会に必要な言葉ではないかと思っています。特に今後の高齢者社会においては、一般には高齢者には優しくというようなことを言われているんですが、私は余り過度に優しくしなくていいと思っています。高齢者は、どんどん勉強をしてもらって、動いていただいた方がいいと思います。
余談ですが、患者さんとして見ていると、公務員の方が定年後は非常に危ないというのが私の一般的な印象で、結局、年金等のお金がどんどん入ってきて、急に動かなくなっちゃうんですね。特に男性の方が危ないです。だから、御留意ください。
私は、政治家としての基本スタンスは、団体には今、医師会はもちろん、依存しておりません。厚生労働省に特に肩入れをしようというつもりもありません。国民とあと医療従事者双方にバランスよく肩入れして、真に国民のための医療が何かというのを考えていきたいと思っております。
もうちょっとイントロダクションのお話をさせていただきますと、僕は、日本というのは、今、患者さんに想定できるんじゃないかと思うんですね。大臣の皆さんは外科医、官僚の皆さんはナースとか検査技師に相当するかもしれないです。我々議員は同僚外科医である。
普通、外科医というのは、ピアレビューといいまして、相互に監視し合って、余りひどいと糾弾して、場合によっては手術をやめさせるということもあるんですね。一定のレベルに達していない者は、もうその場で手術室から出てもらうということもあります。政治の世界でもそういうことが僕はあっていいと思うんですね。だから、僕は、官僚の皆さんのレクチャーを受けていても、一定のレベルに達していないと思ったら、即刻苦情を言います。そのぐらいの緊張感と自浄作用があっていいのではないかと思います。
本題に入ります。
通告とはちょっと順番が異なると思うんですが、まず、官僚の方には伝えたと思うんですが、福島県立大野病院事件という、我々医者にとっては非常に重要な事件があるんですが、これは、とかしき政務官に聞いてよろしいですか。御存じでしょうか。どのような事件か、概略を説明していただけますか。
○とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。
平成十六年の十二月、福島県立大野病院において、前置胎盤患者の帝王切開に際して、大出血により患者が死亡したという事件であります。
患者の死亡後、二十四時間以内に所轄警察に届けはありませんでした。
しかし、平成十八年の三月、業務上過失致死及び医師法第二十一条の違反によりまして、福島県の地方裁におきまして起訴をされ、平成二十年の九月、無罪確定したという事件でございます。
○宮沢(隆)委員 どうもありがとうございました。
昨日、厚生官僚の方々にお聞きしたときも、そこまででとまっちゃったんですね。それが結局、現場と永田町の意識の乖離なんだろうと思うんです。
このとき、最終的に無罪にはなったんですが、逮捕されたときは、恐らく私の記憶では、手錠をかけられたような状況で車に乗せられたんですね。ほとんど殺人者扱いです。その場面を見て、まず我々医者、特に外科医は大ショックを受けまして、それをきっかけに外科医をやめた人も結構いるんですね。まあ、ちょっとやはり福島県警の行き過ぎだったと最後は反省はしたようなんですが。
その後、さすがに警察もまずいと思ったのか、あとはやはり世論が、このままだと外科医はいなくなるというようなところまでいって、無過失補償制度というのが必要じゃないかと。
結局、簡単に言いますと、外科医が手術をやりますと、一〇〇%安全な手術というのはないわけで、何らかの合併症で患者さんが亡くなるということはあるんですね。今の趨勢は、とにかく、体にメスを入れてうまくいけばそれでオーケー、うまくいかなかったらそれは医者のミスじゃないかという方向へ、やはり遺族の方はそういうふうに思われるのも無理はないんですけれども、そういう傾向がちょっと世の中にある。それをやっていくと、結局、外科医はいなくなりますよね、結果として。現実に、今どんどん減っています。
それで、その無過失補償制度で、例えば合併症等で患者さんが亡くなっても、それは過失と認定せず、何らかの補償を遺族の方にしてあげようという制度。これが数年前に世の中に出て、私はもうてっきり法制化するぐらいまでいっているんじゃないかと思っていたんですね。
その辺、政務官の方が御存じでしょうから、ちょっと今の進捗状況を教えていただけますでしょうか。
○とかしき大臣政務官 お答えいたします。
こちらの方は、民主党のマニフェストを受けまして、平成二十三年の八月から、医療に係る無過失補償制度のあり方についての議論を開始いたしました。
現在は、その前提となる医療事故の調査制度のあり方について集中審議を行っている状況であります。
なかなか、構成員の方々の意見が今ちょっと分かれているところもありまして、なるべく早期に結論が得られるように鋭意努力をしているというのが現状でございます。
以上です。
○宮沢(隆)委員 私は、この経緯を聞いて、現場で仕事をやっていた人間としてちょっとびっくりしたんですけれども、平成十六年の事件で、無過失補償制度が始まったのが平成二十三年八月ですよね。その後、医療事故の調査の仕組みのあり方検討部会が平成二十四年、去年ですよね、二月に始まった。それで、ことし二月に十回目を終えた。
まず感じたのは、何でこんなに遅いんだろうという、まあ国民一般の感想ですよね。そこをちょっと、なぜかというのを教えていただけますか。これが厚労省のペースなんでしょうか。
○とかしき大臣政務官 お答え申し上げます。
こちらの問題に関しましては、やはり今現在も構成員の意見がいろいろ分かれるように、多様な意見がございまして、なかなか集約が難しいということがございました。
あと、もう一つ申し上げるのがちょっと抜けておりましたけれども、自民党の方でも、平成十九年の十二月に、医療紛争処理のあり方検討会というものの取りまとめが行われました。
ということで、十九年に取りまとめが行われまして、私の記憶ですとたしか二年ぐらいこの検討会は行われていたかと思いますので、自民党の方でもこの問題点はかなり検討させていただいたという経緯がございます。
以上です。
○宮沢(隆)委員 自民党がやっていたというのは、私、知りませんでした。
私が問いたいのはスピードなんですよね。その審議のスピード。事を進めるスピード。
では、とりあえず過去のことはいいとして、今後どういうスピードで、どういうスパンで、何を目指して、いつまでにこの問題をやっていただけるんでしょうか。お願いします。
〜 (略) 〜
○伊東(信)委員 よろしくお願いします。日本維新の会、伊東信久です。
田村厚生労働大臣、先日は、予算委員会での基本的質疑、どうもありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
私も外科医でして、医師免許を持っているんですけれども、たくさん聞きたいことがあるので、さくさくと本題に入っていきます。
私自身の言いたいことはただ一つ。医療費が、十兆五千五百八十七億円。社会保障制度でありながら、一般会計に十兆もの、十兆強を超えて一般会計に入るのは、制度設計をやはり見直す必要があるのではないかというのが、まず私の提言なんですね。恐らく、国民も、政府も、我々政治家も、財源アップという、特殊な手段というのはなかなかやはり難しいというのは共通認識であります。
例えば、共助としての財源としては、企業負担であるから、サラリーマンの方のお金は入っていない、共助でですよ。協会けんぽも数が少ない。国保、特に、この高齢者社会において、後期高齢者の人数がふえていれば財源的に厳しいというのは、これは本当に共通の認識だと思います。
しかしながら、十兆円もの医療費をかけているのにもかかわらず、二〇〇〇年になりますけれども、WHOで調査したところ、日本の医療というのは世界一ということだったんですが、二〇一〇年、そこから十年後に、ロイター通信で国民の皆さんに医療に関する満足度をお聞きしたところ、スウェーデンでは七五%ほど満足だ、イギリスでは五五%ほど満足だ。しかしながら、日本での満足度は一五%だったんですね。
これは結構日本医師会も報告したりしているんですけれども、この事実に関してどうお考えかというよりも、患者として、皆さんはどのようにお感じになっているか。今の日本の医療に関して何%ぐらい満足しているか。ちょっと共通認識ということで、まずは、私と同じ昭和三十九年の田村厚生労働大臣と、あと、同じ大阪のとかしき政務官に、今の医療にどれぐらい満足されているかということ。
○田村国務大臣 なかなか難しい。私自身が医療サービスを受ける患者側としてという判断でよろしゅうございますでしょうか。
そうなってまいりますと、今言われております救急でありますとか、もちろん産科という部分も、妻は関係しますけれども、私は直接関係しないわけでございまして、ふだん受ける、風邪を引いたりですとか、盲腸で緊急入院したりですとか、そういう医療でございますから、七割ぐらいは満足をいたしております。
ということはどういうことかというと、今言われておりますような、医師の適正配分がされていない、そういう目に遭われた方々は、多分もっと低いのであろうなというような認識であります。
○とかしき大臣政務官 御質問いただきまして、ありがとうございます。
実は、ついこの間まで私も落選中でございまして、医療現場で薬剤師として仕事をさせていただきました。
医療サービスを提供する側から考えますと、非常に、医療現場に携わっている医療従事者の方々がかなりの好意で日本の場合は一生懸命仕事をしているなというのが私の印象でございます。
それに基づいて、患者の皆様の方が満足いただけるかどうか、ここはまたちょっと別の話でございまして、細かくケアをしている割にはなかなかそれが評価していただけないというのが今の実態ではないかなというふうに思います。
日本で持っております皆保険制度というのは、非常に有効に機能していて、どなたにでも医療を受けられるチャンスが与えられる。本当にこれはすばらしい制度でありますけれども、なかなかこのすばらしい制度であるということを国民の皆様に御理解いただけていないのが、私も、今、厚生労働省の立場からすると、ちょっと残念だなと思っているところであります。
以上です。
○伊東(信)委員 後半のとかしき政務官のお話、ありがとうございます。
確かに、今の日本の国民皆保険制度に関してなんですけれども、田村厚生労働大臣も所信表明で、「持続可能な社会保障制度を確立」というお言葉と、「医療については、国民皆保険を今後とも堅持する」ということを提言としておっしゃっていました。
今からの私の質問もそういうことなんですけれども、今の統計はバイアスがかかっておりまして、このパーセンテージというのは、医療へのアクセスのしやすさ、つまり、かかりやすさという点が主だそうです。そうなると、やはり、日本の一五%というのは、何かしら医療を受けるに関して壁がある。
では、GP、かかりつけ医とかの方針は、厚労省も政府も推進しようという方針ということをお伺いしたことがあるんですけれども、つまりプライマリーケアなんです。
実際、医師の立場から考えて、同僚の悪口を言うのはちょっと嫌なんですけれども、今の保険制度であれば、例えば、これだったら三、四日で治るとかいう病気が一週間、二週間かかっていくと、残念ながら収益は上がっていくんですよね。つまり、実は、本当に質もどうかなというような危惧もされているわけです。
だけれども、予算委員会での基本的質疑でお話ししましたように、どうもその辺のチェックになると、医師の能力のありよう、例えば、医師会の生涯教育制度とかで研修を積んでいるとか研さんを積んでいるかということはチェックはできますけれども、国家試験とかで、例えば、技術の試験をつけるとか、いわゆるコミュニケーション能力をつけるとかいうような案も出ているみたいですけれど、なかなかこのチェック機能が難しい。
では、制度として、医療保険をとりあえずは抑えるには、包括にしてしまう。つまり、病気によって保険の点数を決めてしまうというような案とかもあるんですけれども、こういった考えに関しては、大臣、どのように思われますか。
○田村国務大臣 まず、かかりつけ医制度というものは、我が省の方も、医療提供体制の中で、在宅医療も含めてでありますけれども、これから広めていかなきゃならぬというふうに思っておりますが、ゼネラルプラクティショナー制度自体は、これはちょっと概念として、かなり、イギリスやヨーロッパのものと日本とかかりつけ医が同じかというと、そこは違うということを御理解いただきたいというふうに思います。
その上で、包括、マルメでどうだという話がありますが、これも、いっとき、後期高齢者に関してそういうような話が出たときがありました。後期高齢者医療制度、大変お叱りをいただいて、長寿医療制度というふうに名前を変えたんですが、このときに、当時、民主党さんから、そういうマルメというものは、お年寄りの医療の権利というものを阻害して、年齢によって差別するじゃないかというお叱りをいただきました。
結果的に、マルメになりますと十分な医療を提供されない可能性もあるという意味では、それも一理あるということでございまして、現状は、DPC制度等々ありますけれども、そういうようなものに関しましては、全体的に全て普及しているという状況ではないということであります。
○伊東(信)委員 確かに、実際、イギリスとかのGP制度も完璧なものではないというような調査結果も出ていますので、田村大臣のお話は正しいと思います。
ただ、マルメであれば、包括であれば適正な医療が受けられないかどうかという問題に関しては、例えば、いわゆる日本の医療病名の複雑さにも関係してくるんですね。それは、いわゆるレセプトとかという問題、医療病名という問題にもかかわってくるんです。
つまり、先ほどから統計の話をしていますけれども、有病率というのは非常に難しくて、糖尿病であっても、糖尿病の網膜症であったり腎症であれば、科がかわってくるわけです。だけれども、全体を診るのが糖尿病だということなんですね。つまり、合併症が多くなると、それをどこまで診ればいいのかという問題が出てくるんです。
では、提言として、かかりつけ医のレベル、GPのレベルと言っていいのか、これは別に一般開業医でもいいんですね、一般開業医に来るレベルまでを包括にすれば、もちろん、私も開業医をやっていましたので、自分の首を絞めるような発言なんですけれども、包括にすれば、医療の質もそんなに下がることはない。なぜかというと、高度医療は大学病院とか大きな病院とかそれを専門にした病院に行けばいいということで、一部包括にするというのは制度上難しいのでしょうか。
○田村国務大臣 病院等々で、今、DPC制度でマルメの部分もございます。一方で、救急等々、出来高の部分もあるわけでありますが、今のは、開業医等々ですか、そこをマルメにしようというお話でしょうか。
ですから、それも含めて、以前、我々の政権のときに、全てがマルメではないんですよ、ないんですけれども、そういう選択制というものを提示させていただいたんですけれども、非常に国会でもお叱りをいただき、また世の中でも余り評判がよくなかったということで、結局撤回をさせていただいたということでございます。
○伊東(信)委員 済みません、ちょっとよくわからなかったところは、そのお叱りを受けた部分は、質が落ちたということでしょうか。
○田村国務大臣 当時は、高齢者の方々に対する中において選択制という形で御提示をさせていただいたわけでありますけれども、結局、診療するにしても、どこまでやっても同じですから、同じ病名に対して。という話になれば、十分な診断、検査もやらないであろうということがあるのではないかというお叱りを当時いただいたということでございます。
○伊東(信)委員 十分な検査が行われないのではないかという御指摘は、医師免許を有する者としてはなかなか耳の痛い話なのではございますが。
それでは、にもかかわらず、例えば大きな病院とかで入院日数も決まっている。では、地域医療というのがあって、今度は介護という問題に入ってくるわけなんです。
今回の厚労省の提言の中に、介護と医療のきっちりとしたすみ分けと、かつ、両方の提携ということなんですけれども、地域医療において、これが理想ではあるんですけれども、非常に難しくて、それが成功している事例というのは非常に少ないです。私が開業し住む大阪、兵庫、東京、幾つか病院を持っているんですけれども、その地域において、両方、介護と医療が成功しているところは病院自体も潤っていますけれども、ほとんどが成功していないんですね。
では、介護側の包括の部分に医療の一部を、もう一つの提言です、さらに進んだ提言として、難しいとなれば、例えば、本当に診て話を聞くだけ、診て聴診器を当てるだけ、そういったような医療もやはり行われているのも事実なんですね、特に訪問医療の場合。では、それをそのまま介護の方にマルメとして移行すれば、今度は医療費が削減できるのではないかという、医師としての私の提案はどうでしょうか。
○とかしき大臣政務官 ありがとうございます。
委員の御提案も承りました。
ところが、医療と介護、やはり制度がちょっと成り立ちが違っておりまして、これを今すぐ一元化というのはなかなか難しいところでございます。
例えば、一つは保険者が当然異なるということと、利用者側の方の自己負担、それぞれそれも異なっているということと、サービスの利用面とか、例えば、介護保険制度のサービスは、要介護の認定とかケアマネジメントが行われるサービスの利用面とか、いろいろ違いがございますので、なかなか医療と介護を一体化してサービスを提供するのは難しいというのが現状であります。
ただ、年を重ねてまいりますと、医療と介護を行ったり来たりというのは、どうしてもこういう状況は避けられなくなってまいりますので、これをやはり、包括的な支援、支えていく仕組みを今後検討していくことが大切であるというふうに厚労省の方でも考えております。
〜 (略) 〜
○足立委員 ありがとうございます。おっしゃっていることはわかります。
加えて、今、大臣から再三、司法という話がございました。
この分野は若干司法が先に走っている分野かもしれませんが、私は、判例法理が前に走るのがいいのか、あるいは、しかるべき形で、公労使で法律でその枠組みを決めていくのがいいのか、そういうことも含めて、また御議論をさせていただきたいと存じます。でも、丁寧な御回答をありがとうございます。
もう時間も限られていますが、最後に、今、医療の入り口をしましたので、医療制度改革について質問を申し上げます。
私、ちょうど今、政治を志して間もないんですが、まだ役人であった時代に、小泉郵政解散のときに政治にぐらっときたことがございましたが、そういう意味でも、小泉改革には若干思い入れがあります。当時の小泉政権時代の、例えば年金のマクロスライドとか、すばらしい改革がなされてきた。医療についても、平成十八年の医療構造改革、医療制度改革大綱にさまざまなテーマが書いてございます。
実は、質問として、その進捗状況はどうですかという質問もありますが、ちょっと時間がないので飛ばします。
これは、いろいろできたこともあるし、できていないこともあるということでございますが、その中で一つだけ、具体例をもって現状について御紹介をしたいと思うんです。
当時、医療法人の枠組みをいろいろ変えようということで、社会医療法人というのを新設する、公募債で資金調達をすることもできるとなっていたやに記憶をしておりますが、そういう背景もあって、医療法人会計基準をちゃんと整備した方がいいということで、医療制度改革大綱の中にも「会計の在り方について検討する。」ということを、閣議決定をした文書の中に、会計基準について検討すると。
実は、皆様御承知でしょうか、今、さまざまな法人がある中で、会計基準がない法人は医療法人だけ。当時、私は、これはおかしいぞということで、厚労省にやんややんやと隣から言って嫌われたんですが、しかし、閣議決定で医療法人会計基準について検討するとなった。
その後、どうも動いていないようにしか見えないので、その後の検討状況を教えてください。
○とかしき大臣政務官 質問にお答えさせていただきます。
現在、四病院団体協議会が中心となって検討を行っておりまして、先ほど委員もお話しになりましたけれども、公募債を発行する医療法人については会計基準を策定いたしました。それ以外の医療法人については、慎重な意見が多数ございまして、まだ成案を得られていない状況であります。
現在は、その四病院団体協議会を中心に検討を再開しており、厚労省といたしましては、この取り組みを注視しているという状況でございます。
○足立委員 今、公募債を発行する法人については策定をされたとおっしゃいましたが、すると、医療法人会計基準はあるということでしょうか。私は、ないと理解しているんですけれども。
○とかしき大臣政務官 お答えいたします。
公募債である社会医療法人債を発行する社会医療法人については、その状況を明らかにできるようということで、平成十九年の三月に会計基準を制定いたしたということでございます。
以上です。
○足立委員 おっしゃるのは、ごめんなさい、事前の勉強でも出てきていなかった話で、ちょっと戸惑っておりますが。
当時、そういう閣議決定をされて、その後、四病協で医療法人会計基準検討委員会というものが設置をされて、それでずっと検討してきたが、内部で反対があって頓挫をして終わっている。
恐らく今おっしゃっているのは、何だろうな、事務方も含めてそうですか、ごめんなさい、医療法人会計基準がもうあると。再度確認させてください。ちょっと、私の認識と余りに違うんだけれども。
○とかしき大臣政務官 お答えさせていただきます。
一般の医療法人に関しては成案は得られていないというのが状況でございます。(足立委員「それは見られるということですか」と呼ぶ)はい、公募債を発行している社会医療法人については会計基準を策定しているということで、一般に関しては成案は得られていないということでございます。(足立委員「その公募債を……」と呼ぶ)
○松本委員長 政務官が発言が終わりました。着席するまで待ってください。
○足立委員 大変失礼しました。
すると、公募債を発行されている医療法人については、当該医療法人会計基準に基づいて外部監査を受けているという理解でよろしいでしょうか。
○とかしき大臣政務官 監査を受けているところでございます。
○足立委員 この医療法人会計基準については、実は大変、当時、医療界の中でも、いろいろ反対意見もあった。
しかし、なぜ私が、きょう、この所信質疑において、こういう若干個別の話を一つ事例として申し上げているかということだけ御紹介したいんですが、私は経産省におりました。経産省では、いろいろな税制とか、あるいは、法務省と連携して、会社法制をずっと整備してきた。倒産法制も整備してきた。合併、分割、MアンドA法制も整備をしてきた。
ところが、医療を初めとする非営利法人の世界は、何にもないんですね、合併規定もない、関連の税制も当然ない。これから医療が効率化をし、さまざまな国民のニーズに応えていくためには、非営利の世界にあっても、そうした制度的イノベーションというものは取り入れていく必要がある、これが一つでございます。
それからもう一つは、なぜ営利法人の世界で会計基準が重要視されるかといえば、投資家保護の観点ですね。多くのお金を投資する、特に一般投資家が関与する場合については、一般投資家保護の観点から、さまざまな規制が加えられている。
医療についてはどうでしょうか。保険料、もちろん、保険者機能がしっかり働けば、保険者がチェックをする。でも、融資も行われている、いわゆる持ち分の出資も行われている。さらに言えば、先ほど冒頭、大臣といろいろ御議論させていただいた、大きな国費が投入をされている。国民に対する説明責任という観点から、私は、この医療の世界において会計基準もまだないというのは、異常な世界だと思っております。
これからさまざまな医療制度改革、社会保障改革を御議論させていただくに当たって、まず、こういった基礎的なことだけはぜひ早急に整備をしていただいて、本格的な制度改正に向けて議論を深めていただければと存じます。
本日は、大変ありがとうございました。
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