Report

議会報告:議事録

TOP > 議会報告 > 議事録

183-参-財政金融委員会-9号 平成25年06月04日


〜 (略) 〜


○尾立源幸君 よろしくお願いいたします。
 それでは、AIJ事件を受けて、厚生年金基金の問題も御案内のとおり非常にクローズアップされ、今回法案が提出され、制度の見直しが行われました。当時我々は与党でございましたが、そのときは厚生年金基金制度そのものを廃止すべきと、こういう踏み込んだ提案をいたしましたが、今回の政府提出の法案ではそういうふうになっていなかったんですが、衆議院で附則の修正を行い、十年以内の見直し規定ですか、そういうものも作った上で成立を、もうこれしたんですかね、と思いますけれども。
 まず、今回の法案で制度の廃止まで踏み込まなかった理由について、厚生労働省にお聞きしたいと思います。

○大臣政務官(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。
 厚生年金基金は、これは国がつくった制度でありまして、十分な積立金を持って適正に運用している基金まで強制的にこれを廃止をしろというのはちょっと問題があると、このように考えております。このため、基金につきましては、自主的な移行を促しつつ、存続という選択肢を残させていただいております。
 現状を報告させていただきますと、平成二十四年の三月末の状況でありますが、全体の基金が五百六十二基金、その中で代行割れを起こしておりますのが二百十基金、さらに、これ大体四割ぐらいなんですけれども、予備軍が五割ということで、健全に運営されていると見られますのが約一割ということになります。ですから、今回の法律案でこれは事実上の廃止に近い状況になるということになります。
 法律案の内容におきましては、基金の新設は停止させていただくということと、施行日より五年以降は十分な積立金を持たない基金には解散命令を出す、十分な積立金といいますのは代行資産の約一・五倍以上ということにさせていただいております。ということで、ほかの、厚生年金基金制度は全体として縮小させて、さらに企業年金への移行を促していって、財政状態に応じた適切な対応を促していきたいと、このように考えております。

○尾立源幸君 予備軍も含めて九割ぐらいが解散を選択する方向だということで、一割についても企業年金等に移行をこの間にしていくべしというお話かと思いますけれども、是非しっかりウオッチをしていただきたいと思いますし、また、今株式市場がそこそこ以前に比べると好調だということで、運用環境も以前より良くなっていると思います。
 それで、現在における厚生年金基金の現状は先ほどの報告とはどう変わっておりますでしょうか、同じでしょうか。

○大臣政務官(とかしきなおみ君) 平成二十四年度末の推計ですけれども、代行割れの基金数は全体の四分の一程度に減少しております。そして、今株高でありますので、保有資産の額が上昇しているという状況でありますので、ある意味今の経営の状態を考えれば解散の好機であるというのは間違いないかと思います。今回は、特に代行割れの基金のなるべく早く解散を促すために、まずは事業所間の連帯債務を外すということと、分割納付の金利を固定金利にさせていただく、さらに、最長納付期間を十五年から三十年に延長するという、こういった見直しを行うこととさせていただいております。
 こうした見直しを踏まえて、委員御指摘のとおり、早期の解散が進むように法案の早期成立をお願いさせていただいているところであります。

○尾立源幸君 改めて聞きますが、まだ法案は成立していないんでしたっけ。

○大臣政務官(とかしきなおみ君) していないです。

○尾立源幸君 そういう前提で仮にこの法案が成立した場合、この法律の実施、いつからこの解散が実際にできるんでしょうか。

○大臣政務官(とかしきなおみ君) 来年の四月施行となります。

○尾立源幸君 今、運用環境がそこそこいいですよという話を政務官も御認識を共有されたと思うんですけれども、なぜ来年の四月一日からということでこんなに時間掛かるんですか。もう、すぐ解散できるようにしてあげた方がいいんじゃないですか。来年の四月になったらまた下がるかもしれませんよ、株は。

○大臣政務官(とかしきなおみ君) 済みません、記録整理とかそういったことを事前に受け付けたりということで、ちょっと調整の時間が掛かるということで、時間を取らせていただいている次第であります。

○尾立源幸君 これは他委員会の法案ですのでなかなか難しいんですけれども、すぐに解散の手続が取れるように私はすべきだと思います。改めて。

○大臣政務官(とかしきなおみ君) 御意見として承っておきたいと思います。ありがとうございます。


〜 (略) 〜