171-衆-予算委員会第二分科会-2号 平成21年02月20日
○石田主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。
平成二十一年度一般会計予算、平成二十一年度特別会計予算及び平成二十一年度政府関係機関予算中総務省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。
この際、分科員各位に申し上げます。
質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。とかしきなおみ君。
○とかしき分科員 おはようございます。自由民主党のとかしきなおみでございます。
本日は、質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。朝一番でございますので、元気よくまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、きょうお伺いしたいと思いますのは、道州制についてお伺いをしたいと思っております。
道州制のことなんですけれども、今、日本の状況を言いますと、就労人口が毎年四十万人ずつ減っておりまして、仮に年七%の生産性の向上がありましても、GDPの維持がやっとという状況であります。少子高齢化で労働人口がどんどん減っている、そういう状況であります。一方、報道等で御存じかと思いますけれども、二〇〇八年の十月から十二月の国内総生産の実質GDP、年率換算で前期比一二・七%減ということになりました。
このようなかなり厳しい状況に日本は置かれているわけですけれども、こういったときに、日本の富の創出を議論せずに、今は、景気対策と称して、道路建設や福祉の充実、富の配分、こちらの方の話ばかりが先行しておりまして、どのように富を生み出していくのか、この議論がどうも薄くなっているような気がいたします。
結局、富の配分の議論ばかり進んでいきますと、その原資は未来から、すなわち子孫から借りてくるしか方法はありません。将来ますます少なくなる就業人口、そしてそのために、借金を返していくというのはもう至難のわざになってまいります。そして、生産性の高い、さらに競争力のある企業はどんどん海外の方に出ていっているというのが現状であります。ですから、国内だけでの付加価値、すなわち富の創出には、これから余り期待できる状況にはありません。
そこで、未来からの借金を避ける方法、私はここで二つ方法があると思います。
まず、その一つの方法なんですけれども、今実際に大阪の橋下知事が行っている改革であります。二月十七日に発表されました大阪府の予算案、これは、彼も同じようなことを言っておりますけれども、財政が厳しい中、将来にツケを残さない、要は歳出削減の方法であります。
総務省は、橋下知事が今行っておりますこの歳出削減の方法、これを実際どういうふうに評価なさっているのか、どういうふうにごらんになっているのか、将来これを進めていくとどうなるのか、その辺、どういうふうに評価なさっているのか教えていただきたいと思います。
○久保政府参考人 大阪府におかれましては、昨年の二月に財政非常事態宣言を発出されまして、昨年の六月には、府のすべての事業、それから出資法人及び公の施設をゼロベースで見直しをして、収入の範囲内で予算を編成するという原則のもと、財政再建プログラムを策定されました。そして、平成二十年度予算からこの考え方を徹底されておられます。
この財政再建プログラムでございますけれども、平成二十二年度までの三年間を集中改革期間として位置づけておられまして、すべての事務事業などの見直しに加えて、人件費等につきましても、これはかなり思い切った削減をしておられる、こう考えておりますけれども、そういうことによりまして財政の健全化に取り組もうというふうにしておられます。
私どもといたしましては、今後とも、こうした大阪府の動向、これは注目していきたいと思っております。
○とかしき分科員 ありがとうございます。
国の負担金も一部返上したいというお話もございまして、これから国との闘いもいろいろ橋下知事は控えていらっしゃるかと思いますけれども、しかし、彼は、やはり歳出削減をして、将来にツケを残さないように、ある意味必死でございますので、ぜひ応援をしていただければと思います。
しかし、それだけ頑張っても、大阪府の借金は約五兆円と言われております。一年に一千億ずつ返しても五十年かかるという大変気の遠くなるような話であります。それも借金に利息がつかなければの話でありまして、仮に一%ついただけでも年間五百億円でありますから、借金は永遠に減らないということになります。プライマリーバランスを保っても、これ以上借金がふえないレベルであって、ずっと五兆円は残ったままということであります。ですから、歳出削減だけではやはり非常に厳しいということが言えるわけであります。
そして、先ほどから言いましたように、二つ方法があるもののもう一つの方法ですが、これは、国家としてやはり真剣に、富をいかに生み出していくのか、こちらを考えていくということであります。
日本はいまだに、国民の払う税金で景気を刺激するという方法を考えている人が大半であります。でも、富の分配というのは、やはり富を生まなければ分配することはできません。ですから、この富をどういうふうに生んでいくのかという方法を考えなくてはいけません。
私は、世界の繁栄する地域を見ておりますと、大体、世界からお金を呼び込む力、こういった力があるところが国として、地域として栄えていると思います。世界の余剰金というのは約六千兆円ある、これはホームレスマネーとも言われておりますけれども、こういったお金をいかに日本に呼び込んでくるのか、ここが日本の発展に大きくかかわってくるかと思います。
道州制とは、こういった世界の国のお金をいかに呼び込んでいくか、富の再配分の機関としての中央集権国家を解体してしまって、世界から富を呼び込む責任を地域国家に持たせていくというものであります。そして、一部の立法の権限を道州に移譲して、富の創出を真に志向させていくもの、これこそが道州制の意義ではないかというふうに思います。
総務省は、この道州制の意義、目的、こういったものをいかにお考えになっていますでしょうか。その方向性をお示しください。
○素川政府参考人 内閣府内閣官房からお答えを申し上げます。
道州制につきましては、現在、道州制ビジョンの策定に向けまして、道州制担当大臣のもとに置かれました道州制ビジョン懇談会において議論を深めていただいているところでございます。
道州制の意義、目的につきましては、昨年三月に道州制ビジョン懇談会が中間報告を取りまとめられたところでございます。そして、中央集権国家から分権型国家、いわゆる地域主権型の道州制への転換という理念を打ち出されております。
そのもとで、その目的といたしましては、繁栄の拠点の多極化と日本経済の活性化でございますとか、国際競争力の強化と経済・財政基盤の確立、そして住民本位の地域づくりや効率的・効果的行政と責任ある財政運営などといった目的を実現するものとされているところでございます。
○とかしき分科員 ありがとうございます。
今、ビジョン懇談会の方でお話が進んでいるということでございますけれども、今どういったスケジュールで進んでいるのか、いつごろ方向性が具体的になるのか、どれぐらいの実施を目指しているのか、ごめんなさい、ちょっと通告がなかったんですけれども、もしそういったタイムスケジュールがある程度わかっておりましたら、お知らせいただけますでしょうか。
○素川政府参考人 道州制に関する作業でございますけれども、導入検討の、課題のための検討ということで、道州制ビジョン懇談会、これは平成十九年の一月にスタートをいたしております。そして、先ほど申し上げましたように、中間取りまとめを昨年の三月に行ったというところでございまして、その中で、道州制の理念とかその大枠についての論点を整理したところでございます。
その後、幾つかの個別の課題というものを列挙しております。それが、税と財政の問題でございますとか、区割りに関しての基本の方針、そういったことでございまして、今、そのための専門委員会というのも昨年立ち上げまして、残された課題について議論をしているというところでございます。
道州制ビジョン懇の中間まとめで記しているところでは、二十一年度中にこの取りまとめを最終的に行いまして、その後、中間取りまとめによりますと、十年後ぐらいを目途に道州制の実現を目指していくというようなこととされているところでございます。
○とかしき分科員 ありがとうございました。
今の日本は大き過ぎる会社のような形になっておりまして、権限が中央に集まり過ぎていて、完全に機能不全という状況になっております。道州制というのは、その大きな会社を分社化していくようなものだと思います。道州に経営の責任と権限を移譲して、自由と機動性を与えて、現場の声がより反映されるように、それが道州制の一番の意義だと考えております。
今お話しいただきましたように、国家レベルでは道州制の議論はかなり進んできてはおりますけれども、やはり、富の呼び込み、それがどうも俎上に余り上っていないような形がいたします。
拝見しておりますと、平成の大合併の延長上のように位置づけて、国の出先機関と地方機関が重なっているのは効率が悪い、この重複を排除すれば、例えば幾ら幾ら、北海道では三千億円ぐらい節約できるとか、何かコストダウンの話の方がどうも先行しておりまして、中央からの受け皿の集約、先ほどからお話ししております富の創出、それにはどういったことがいいのかという、富の創出の受け皿として国を大改革していこうという議論にはどうもまだ至っていないような気がいたします。
道州制とは、国家の統治機構、これを根本的に変えるという大変なことであります。必要な立法、徴税、行政の単位をみずからつくり上げて、世界経済を呼び込むための戦略事業単位を確立していくことが大切だと思います。もちろん、地域国家として独立していくわけでありますから、失敗すれば滅んでしまう可能性もありますし、成功したりする場合もあります。互いに競争することによって、これが繁栄に結びついていくのだろうというふうに考えております。
昨年、福田前総理が施政方針で述べられました道州制の導入について、国民的な議論を深めていくとありましたけれども、具体的に今どのように進められているのか、どういったところから国民の議論を高めていこうとなさっているのか、その内容をお知らせください。
○素川政府参考人 お答え申し上げます。
今先生お話しになりましたように、道州制は国のあり方にかかわる改革でありまして、その導入に当たりましては国民の理解が不可欠であるわけでございます。
そのため、先ほど申しました道州制ビジョン懇談会を開催するほかに、あわせまして、国民の皆様方の間で議論を深めていくために、全国各ブロックの経済界の方々を構成員といたします道州制協議会を設置いたしております。また、各地域の経済団体などと共催いたしまして、全国各ブロックにおきましてシンポジウムを開催してまいっております。さらに、一昨年からスタートいたしました道州制特区、これは道州制に向けた先行的な取り組みでもあるわけでございます。
今後も引き続きまして、シンポジウムなどを通じまして、国民の皆様方にわかりやすい道州制のイメージをお示ししていくことが必要だと考えております。
○とかしき分科員 ありがとうございます。
今お話が出ました北海道の道州制特区、法律の制定後どんな進捗状況にあるのか、今後の予定、そして、この特区の活動をどのように道州制議論に結びつけていくおつもりなのか、教えていただけますでしょうか。
○滝本政府参考人 お答え申し上げます。
道州制特区につきましては、道州制導入の検討に資する、そういう観点から、平成十九年に法律が、いわゆる道州制特区推進法が施行されておりまして、政府として今取り組みをしているところでございます。現在、北海道が道州制特区とされているところでございます。
この法律の施行時におきましては、北海道に対しまして、いわゆる民有林におきます直轄の治山事業など八項目の権限移譲が行われているところでございます。また、法律の施行以降、これまでに北海道から三回にわたりまして提案が行われておりまして、そのうち、まず第一次の提案を踏まえまして、水道事業の監督権限などにつきまして権限移譲を行っているところでございます。それからまた、今、第二次、第三次の提案につきましても、政府内において鋭意検討し、また、所要の準備を進めているところでございます。
今後のことでございますが、道州制特区は道州制に向けた先行的な取り組みでございますので、その成果につきまして国民がそのメリットを感じることができるように、それからまた、道州制に関しまして国民的な議論が深まりますように、引き続き法律の運用に努めてまいりたい、このように考えてございます。
○とかしき分科員 ありがとうございます。
やはり、北海道の特区をいかに上手に使っていくのか、ここで特徴を出して、繁栄の富を創出していく力があるというふうになりますと全国の取り組みも変わってくるかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
そして、橋下知事も今積極的に、この道州制を何とか進めていって、やはり富の創出をしていかないと、このままでは借金を返していくことは難しい、そして関西を発展させていくのは難しいということで、橋下知事自身も声を大にして今道州制に対して発言をしておりますので、ぜひその声も受けとめていただきたいと思います。
そして、私、道州制の委員会をいろいろ拝見しておりますと、いつも同じようなメンバーの方が同じような話をなさっている印象がどうしても否めないわけであります。なるべく国民の皆様に広く、いまだに、道州制といっても、何のことですかという方が地元でも多くございまして、やはりこれは浸透度がかなり低いのではないかなというふうに思います。なるべく多くの方に参加していただく、経済の方だけでも結構なんですが、やはり市民の方に入っていただくことが私は大切ではないかなと思います。
そのようなときに、私のたまたま知っているNPOで、この道州制のテーマで、道州制ドットコムといってインターネットのホームページの中でわざわざ会議室を設けて話し合いをしたり、本まで出して、市民団体の中でも、道州制について真剣に取り組んで国民的議論を沸き上げていこうという努力をなさっている人たちもいるわけであります。そういった方々に協力を願いながら、市民の声を吸い上げていくのに効率がいい方法はないか、そういったことをぜひ検討していただくのも一つの方法だと思います。
こういった形で、なるべく道州制、これは日本がこれから発展していく上に絶対必要な最後の切り札とも言える政策であります。ですから、この政策を国民の皆様に理解をしていただいて、ぜひそのために頑張っていこう、地域の特徴を生かしながら栄えていこうよ、そういった大きな動機づけになるように、ぜひそういった政策、政策の周りの地盤づくりをしっかりとお願いしたいと思います。私も議員として一生懸命応援していきたいと思います。
それでは、道州制の話から、次は消防団の方のお話をさせていただきたいと思います。
道州制へ移行するに当たって、やはり地域の住民の方との連携、ここがとても大切になってまいります。地域発展のかぎ、地域の人たちとうまく連携をとっていく。そういうふうに考えていくと、やはり今の既存の組織も上手に使っていく必要があると考えます。
そこで、消防団なんですけれども、消防団は、災害発生時には、地域では消防本部と連携をとりながら活動に当たっている、大変重要な役割を担っております。消防団の皆さんは、それぞれ別の職業を持ちながら、火災発生時や大規模の災害発生時には消防本部とともに災害活動に当たっております。多くの災害現場で見られる人海戦術が必要なときは、消防団なくしては現場の対応は困難である、そんな意見もたくさん聞かれます。
しかし、御存じのように、近年の社会情勢の変化の影響を受けてか、消防団員の減少が深刻な問題となっております。私の地元の消防団の方を見ておりましても、本当にボランティア精神で一生懸命頑張ってくださっております。
年末も、私、地域の消防団の夜警の激励に参りまして、全部で二日間に分けて七、八十カ所回らせていただきましたけれども、皆さん、年末の大変な時期に集まって、地域の皆さんとともに夜警をしてくださっている。本当にボランティア精神にあふれて、本当に自己犠牲の上にこの私たちの安全性が守られているんだなということを私もひしひしと感じたわけであります。
何とかこの皆さんの思いに報いてあげたいなという気持ちはあるんですけれども、では報酬を上げるという話も単純に出てくるんですけれども、この財政難の折、報酬を上げていくというのも多分これは難しい話であるかなと思います。
そこで、叙勲とか褒章制度、これは今でも消防団の中では十分あるんですけれども、ある程度年数を重ねたりしないとなかなかその対象にならないわけであります。費用をかけずにモチベーションを上げていくというのは、やはり褒めてもらうというのが私は一番有効な方法だと思います。
ですから、もっと、若い人たちが入ったときに、消防団に入った、それに対して、仕事を何かしたときに、ちょっとでも誇りに思える、褒めてあげる、こういったことをなるべく頻度高くしていただけるとありがたいと思うんですけれども、総務省としては、消防団員の減少をどのようにとらえていらっしゃるのか、そしてその対策をどういうふうにお考えなのか、さらに、今お話しさせていただきました叙勲や褒章等の制度の一層の拡充、広報の活用など、どういった政策を今後お考えなのか、取り組まれていく予定なのか、その辺をお教えください。
○岡本政府参考人 お答えいたします。
今委員御指摘いただきましたように、消防団は、消火活動を初めといたしまして、大規模災害時に対応していただくということで、今委員御指摘のような、まさに地域の防災のかなめということで、義勇の精神を持って、常備の消防と連携しながら、非常に大きな働きをしていただいていると思っております。
団員が、平成元年に百万人ぐらいでございましたのが、近年、八十八万人、九万人ということで減少しておりまして、そういう意味で、消防団の強化拡充を図ることが非常に重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
このため、私ども、四つの視点から具体的に取り組んでおります。
一つは、今お話ございましたような、とにかく消防団員の数をふやしていくという意味での全国的な、サラリーマン、女性、学生の方々に御理解をいただく、そういうキャンペーンでございますとか、全国的なキャンペーンだけではなくて、やはりそれぞれの地域、特に地域に密接しております各消防署の単位、そういう単位での具体的な働きかけといったものをまずお願いいたしております。
また、今お話しいただきましたように、今、団員の多くの方々、七割ぐらいはサラリーマンの方でございますので、このサラリーマンの方々が活動しやすいような、企業主に御理解いただくようなことが必要でございますので、昨年の秋から、各企業の大手の団体、それから経済団体、それから主な企業に、具体に、個別に労務担当の方々にお願いに回っておりまして、その御理解を願うべく働きかけをさせていただいております。
また、もう一つは、今先生御指摘ございましたように、まさに団員の方々に対する社会的評価、モチベーションといったものを上げるという観点からの取り組みでございます。
団員の皆さん方に対します叙勲につきましては、この叙勲の枠を増加させたいということで、先生方のお力もいただきながら関係当局にも働きかけをしてまいりまして、昨年の春は四百四十名でございましたが、昨年の秋には、これを五十名増加させるということで、四百九十一名の方に叙勲を受けていただくということができました。またことしの春に向けましても同じような増加ができるように、今、関係当局と調整をいたしております。
また、褒章につきましても、今御指摘ございました、一定年数、経歴年数ではなくて、一定の、出動でありますとか、いわば出動率でありますとか、回数とか率、そういうような活動実績に応じたものにこれを変えていくということで、受章者の枠、例えば、四年ほど前の平成十六年でございますと五十名ほどでございますが、今年は百十八名というふうにこれを増加させるというような、まさに評価を上げて、それを叙勲や褒章にも反映させるということでやっておりますが、私ども、また今御指摘ありましたように、ぜひそれを高めていきたいというふうに考えております。
また、消防団員を初め吏員の方、災害時に活動して残念ながら殉職される方が何名かおられますが、昨年の秋、全国の消防殉職者の慰霊祭に内閣総理大臣に、初めて御本人に御出席をいただきました。まさに地域を守るために残念ながらその命をなくされた方々に対して、一国を代表する方にその慰霊に直接出ていただくということは、団員の方々の、そういう意味では非常に励みになるということでもございますので、ぜひ、こういういろいろな取り組みを通じまして、団員の方々に対する評価、それからまさに意欲を高めていただくような取り組みを続けていただきたいと思っております。
それから、当然のことながら、私ども、予算それから地方財政措置等につきましてもこれを充実して、団員の方々が活動しやすいような、そういう意味での財政措置、二十一年度の地方財政措置も交付税の需要で八%強ほど伸ばさせていただいておりますが、いろいろなそういう措置も講じまして、団員の方々の活動がより円滑に行えるようにいろいろ努めてまいりたいと思っておりますので、どうぞまたよろしくお願いいたします。
○とかしき分科員 どうもありがとうございました。
いろいろな取り組みをしていらっしゃるのはよくわかりました。しかし、もっとPRを頑張っていただきたいなと。ふだん、日中は別の職業を持っていらっしゃるわけですから、私は、そのふだんのときに、ああ、この人は消防団に入っているんだな、そして結構頑張って評価されているんだなというのをわかりやすくしてあげる必要があると思うんです。
ですから、例えば、今叙勲とか褒章とかありましたけれども、そういう仰々しいだけではなくて、表彰状だけでも結構ですし、もしくはそういったものをバッジとかにして、消防団の人が、入っているんだと、それは褒められると何本かラインが入るとか、そういったものも、ふだんの洋服の上でもつけられるように、そしてそれが、あら、このバッジは何なのと、これは実は、消防団で私はこういう活動をして、こういうふうにしたからこういうふうに褒められたんだよと、ふだん何気なく話題の中に提供できるような、消防団の人の口をみずから使ってPR活動をしていただけるような、そういったツールを考えていくことが、やはり現場で働いていらっしゃる方が一番の広報マンだと私は思いますので、そういった方々の熱のこもった言葉が一番ほかの国民の皆さんの心を動かしていくことにつながるかと思いますので、そういったツールもぜひ今後御検討いただきたい。
そして、その対象の人数も大幅にふやして、例えば、所属している人の一割ぐらいは受けられるような形のものを何か考えていくとか、そういった大胆な改革をしていただいて、消防というのはそういったボランティア精神で本当に社会ですばらしい人なんだ、どうもあのバッジをつけている人たちは本当に人格もすばらしいなと言っていただけるような雰囲気をつくっていくこと、これがやはり働いている人の一番の誇りになってくるかと私は思いますので、ぜひ、そういった形、環境をつくっていただきたいと思います。
それでは最後に、新型インフルエンザについてちょっとお伺いしたいと思います。
新型インフルエンザもいよいよ、史上最悪の強毒性ウイルスであるということで、日本もいつか、世界がいつかまた襲われるのではないかと非常に話題になっているものであります。これも一度感染してしまいますと、非常に恐るべき伝播力を持っていまして、飛沫感染だけではなくて空気感染もいたしますので、日常生活においてもこのウイルスの脅威にさらされてしまいます。
一九一八年には、二十世紀最大の被害と言われておりますスペイン風邪、世界の人口の約五〇%が感染し、四千万人から五千万人の方々が犠牲になられました。日本でも四十万人が亡くなっております。
今回の新型インフルエンザ、出てきますと、厚労省の試算によっても、四人に一人が感染し、六十四万人が死亡するとなっておりますけれども、これはスペイン風邪が流行したときの算出をもとにしておりますので、今はもっと人の動きが激しいわけでありますから、もっと感染力が高くなる、そして伝播力が非常に強くなることが予想されます。すると、やはりこれも被害がもっともっと甚大になるだろうという可能性があるわけです。
現在、自治体ごとにいろいろな対応に取り組んでいただいておりますけれども、確実に行動計画やガイドラインを作成している自治体もありますけれども、全くまだその対策を講じていない自治体が半数以上あるというふうに伺っております。
新型インフルエンザへの自治体の取り組みの現状をどのように把握なさっているのか、それぞれの自治体の温度差をどういうふうに考えていらっしゃるのか、仮にパンデミックが起こった場合に、自治体間の連携、これが結構重要になってくるかと思いますけれども、その連携をどういうふうにとらせていくのか、どこがイニシアチブをとっていくのか、その辺の対応について教えてください。
○中尾政府参考人 新型インフルエンザ対策につきましての自治体の取り組みでございますが、都道府県段階におきましては、すべての都道府県におきまして新型インフルエンザ対策に対する行動計画がつくられております。しかしながら、市町村におきましては、このような計画をつくっている自治体が約六%にとどまるというようなことでございまして、大変取り組みがおくれているという現状でございます。
このような中におきまして、厚生労働省といたしましては、市町村の取り組みをより推進するために、昨年、全国の市区町村の担当者に対する市町村セミナーというものを開催いたしまして、この場で新型インフルエンザ対策につきまして説明を行ったところでございます。また、政府の対策といたしまして、今月十七日、今週でございますけれども、新型インフルエンザ対策の行動計画の改定とガイドラインの策定を行いました。ここにおきましては、都道府県や市区町村の果たすべき役割分担を示すとともに、各自治体が地域の実情に応じて計画を策定することとしております。
今後とも、このような自治体の取り組みが推進されるよう、説明会の開催や情報提供に努めるとともに、御指摘の自治体間の協力体制の構築につきましても推進してまいりたいと考えております。
○とかしき分科員 ありがとうございます。
パンデミックが起こってしまいますと、医療従事者や保健所の職員、消防署の救急隊員とか、そのほかさまざまな職種いらっしゃいますけれども、最前線で活動される人々が一番感染の危険にさらされるわけであります。こういった人たちをいかに守っていくのか、そして感染をいかに拡大していかない、感染しないようにしていくのか、その辺の取り組みが必要だと思います。
私は、一番の取り組みは、動かないようにしていただく、とにかく人が動くとウイルスが飛んでいってしまうわけですから、やはり、パニックにならないで、家の中でじっとしていただく、これを徹底するのが一番の対策だと思いますので、そういった周知対策はやはり自治体の協力がないと、国からのメッセージだけでは弱いわけでありますから、ぜひ自治体、今、六%というちょっと衝撃的な数字でありましたけれども、ほとんどの自治体というか、一〇〇%の自治体がちゃんとインフルエンザ対策の計画がとれるように、ぜひお願いしたいと思います。
そして最後に、消防団の皆さんも、実は、多分、この最前線で働かれる方がまた多くなるかと思います。私の自治体でも、消防団の方々の力をかりようということで、マスクを一生懸命支給したりもしておりますので、こういった方々の御好意にこたえられるように、体制をしっかり整えていただきたいと思います。そのことを申し上げて、質問を終わりにさせていただきます。
本日は、どうもありがとうございました。
○石田主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。
平成二十一年度一般会計予算、平成二十一年度特別会計予算及び平成二十一年度政府関係機関予算中総務省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。
この際、分科員各位に申し上げます。
質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。とかしきなおみ君。
○とかしき分科員 おはようございます。自由民主党のとかしきなおみでございます。
本日は、質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。朝一番でございますので、元気よくまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、きょうお伺いしたいと思いますのは、道州制についてお伺いをしたいと思っております。
道州制のことなんですけれども、今、日本の状況を言いますと、就労人口が毎年四十万人ずつ減っておりまして、仮に年七%の生産性の向上がありましても、GDPの維持がやっとという状況であります。少子高齢化で労働人口がどんどん減っている、そういう状況であります。一方、報道等で御存じかと思いますけれども、二〇〇八年の十月から十二月の国内総生産の実質GDP、年率換算で前期比一二・七%減ということになりました。
このようなかなり厳しい状況に日本は置かれているわけですけれども、こういったときに、日本の富の創出を議論せずに、今は、景気対策と称して、道路建設や福祉の充実、富の配分、こちらの方の話ばかりが先行しておりまして、どのように富を生み出していくのか、この議論がどうも薄くなっているような気がいたします。
結局、富の配分の議論ばかり進んでいきますと、その原資は未来から、すなわち子孫から借りてくるしか方法はありません。将来ますます少なくなる就業人口、そしてそのために、借金を返していくというのはもう至難のわざになってまいります。そして、生産性の高い、さらに競争力のある企業はどんどん海外の方に出ていっているというのが現状であります。ですから、国内だけでの付加価値、すなわち富の創出には、これから余り期待できる状況にはありません。
そこで、未来からの借金を避ける方法、私はここで二つ方法があると思います。
まず、その一つの方法なんですけれども、今実際に大阪の橋下知事が行っている改革であります。二月十七日に発表されました大阪府の予算案、これは、彼も同じようなことを言っておりますけれども、財政が厳しい中、将来にツケを残さない、要は歳出削減の方法であります。
総務省は、橋下知事が今行っておりますこの歳出削減の方法、これを実際どういうふうに評価なさっているのか、どういうふうにごらんになっているのか、将来これを進めていくとどうなるのか、その辺、どういうふうに評価なさっているのか教えていただきたいと思います。
○久保政府参考人 大阪府におかれましては、昨年の二月に財政非常事態宣言を発出されまして、昨年の六月には、府のすべての事業、それから出資法人及び公の施設をゼロベースで見直しをして、収入の範囲内で予算を編成するという原則のもと、財政再建プログラムを策定されました。そして、平成二十年度予算からこの考え方を徹底されておられます。
この財政再建プログラムでございますけれども、平成二十二年度までの三年間を集中改革期間として位置づけておられまして、すべての事務事業などの見直しに加えて、人件費等につきましても、これはかなり思い切った削減をしておられる、こう考えておりますけれども、そういうことによりまして財政の健全化に取り組もうというふうにしておられます。
私どもといたしましては、今後とも、こうした大阪府の動向、これは注目していきたいと思っております。
○とかしき分科員 ありがとうございます。
国の負担金も一部返上したいというお話もございまして、これから国との闘いもいろいろ橋下知事は控えていらっしゃるかと思いますけれども、しかし、彼は、やはり歳出削減をして、将来にツケを残さないように、ある意味必死でございますので、ぜひ応援をしていただければと思います。
しかし、それだけ頑張っても、大阪府の借金は約五兆円と言われております。一年に一千億ずつ返しても五十年かかるという大変気の遠くなるような話であります。それも借金に利息がつかなければの話でありまして、仮に一%ついただけでも年間五百億円でありますから、借金は永遠に減らないということになります。プライマリーバランスを保っても、これ以上借金がふえないレベルであって、ずっと五兆円は残ったままということであります。ですから、歳出削減だけではやはり非常に厳しいということが言えるわけであります。
そして、先ほどから言いましたように、二つ方法があるもののもう一つの方法ですが、これは、国家としてやはり真剣に、富をいかに生み出していくのか、こちらを考えていくということであります。
日本はいまだに、国民の払う税金で景気を刺激するという方法を考えている人が大半であります。でも、富の分配というのは、やはり富を生まなければ分配することはできません。ですから、この富をどういうふうに生んでいくのかという方法を考えなくてはいけません。
私は、世界の繁栄する地域を見ておりますと、大体、世界からお金を呼び込む力、こういった力があるところが国として、地域として栄えていると思います。世界の余剰金というのは約六千兆円ある、これはホームレスマネーとも言われておりますけれども、こういったお金をいかに日本に呼び込んでくるのか、ここが日本の発展に大きくかかわってくるかと思います。
道州制とは、こういった世界の国のお金をいかに呼び込んでいくか、富の再配分の機関としての中央集権国家を解体してしまって、世界から富を呼び込む責任を地域国家に持たせていくというものであります。そして、一部の立法の権限を道州に移譲して、富の創出を真に志向させていくもの、これこそが道州制の意義ではないかというふうに思います。
総務省は、この道州制の意義、目的、こういったものをいかにお考えになっていますでしょうか。その方向性をお示しください。
○素川政府参考人 内閣府内閣官房からお答えを申し上げます。
道州制につきましては、現在、道州制ビジョンの策定に向けまして、道州制担当大臣のもとに置かれました道州制ビジョン懇談会において議論を深めていただいているところでございます。
道州制の意義、目的につきましては、昨年三月に道州制ビジョン懇談会が中間報告を取りまとめられたところでございます。そして、中央集権国家から分権型国家、いわゆる地域主権型の道州制への転換という理念を打ち出されております。
そのもとで、その目的といたしましては、繁栄の拠点の多極化と日本経済の活性化でございますとか、国際競争力の強化と経済・財政基盤の確立、そして住民本位の地域づくりや効率的・効果的行政と責任ある財政運営などといった目的を実現するものとされているところでございます。
○とかしき分科員 ありがとうございます。
今、ビジョン懇談会の方でお話が進んでいるということでございますけれども、今どういったスケジュールで進んでいるのか、いつごろ方向性が具体的になるのか、どれぐらいの実施を目指しているのか、ごめんなさい、ちょっと通告がなかったんですけれども、もしそういったタイムスケジュールがある程度わかっておりましたら、お知らせいただけますでしょうか。
○素川政府参考人 道州制に関する作業でございますけれども、導入検討の、課題のための検討ということで、道州制ビジョン懇談会、これは平成十九年の一月にスタートをいたしております。そして、先ほど申し上げましたように、中間取りまとめを昨年の三月に行ったというところでございまして、その中で、道州制の理念とかその大枠についての論点を整理したところでございます。
その後、幾つかの個別の課題というものを列挙しております。それが、税と財政の問題でございますとか、区割りに関しての基本の方針、そういったことでございまして、今、そのための専門委員会というのも昨年立ち上げまして、残された課題について議論をしているというところでございます。
道州制ビジョン懇の中間まとめで記しているところでは、二十一年度中にこの取りまとめを最終的に行いまして、その後、中間取りまとめによりますと、十年後ぐらいを目途に道州制の実現を目指していくというようなこととされているところでございます。
○とかしき分科員 ありがとうございました。
今の日本は大き過ぎる会社のような形になっておりまして、権限が中央に集まり過ぎていて、完全に機能不全という状況になっております。道州制というのは、その大きな会社を分社化していくようなものだと思います。道州に経営の責任と権限を移譲して、自由と機動性を与えて、現場の声がより反映されるように、それが道州制の一番の意義だと考えております。
今お話しいただきましたように、国家レベルでは道州制の議論はかなり進んできてはおりますけれども、やはり、富の呼び込み、それがどうも俎上に余り上っていないような形がいたします。
拝見しておりますと、平成の大合併の延長上のように位置づけて、国の出先機関と地方機関が重なっているのは効率が悪い、この重複を排除すれば、例えば幾ら幾ら、北海道では三千億円ぐらい節約できるとか、何かコストダウンの話の方がどうも先行しておりまして、中央からの受け皿の集約、先ほどからお話ししております富の創出、それにはどういったことがいいのかという、富の創出の受け皿として国を大改革していこうという議論にはどうもまだ至っていないような気がいたします。
道州制とは、国家の統治機構、これを根本的に変えるという大変なことであります。必要な立法、徴税、行政の単位をみずからつくり上げて、世界経済を呼び込むための戦略事業単位を確立していくことが大切だと思います。もちろん、地域国家として独立していくわけでありますから、失敗すれば滅んでしまう可能性もありますし、成功したりする場合もあります。互いに競争することによって、これが繁栄に結びついていくのだろうというふうに考えております。
昨年、福田前総理が施政方針で述べられました道州制の導入について、国民的な議論を深めていくとありましたけれども、具体的に今どのように進められているのか、どういったところから国民の議論を高めていこうとなさっているのか、その内容をお知らせください。
○素川政府参考人 お答え申し上げます。
今先生お話しになりましたように、道州制は国のあり方にかかわる改革でありまして、その導入に当たりましては国民の理解が不可欠であるわけでございます。
そのため、先ほど申しました道州制ビジョン懇談会を開催するほかに、あわせまして、国民の皆様方の間で議論を深めていくために、全国各ブロックの経済界の方々を構成員といたします道州制協議会を設置いたしております。また、各地域の経済団体などと共催いたしまして、全国各ブロックにおきましてシンポジウムを開催してまいっております。さらに、一昨年からスタートいたしました道州制特区、これは道州制に向けた先行的な取り組みでもあるわけでございます。
今後も引き続きまして、シンポジウムなどを通じまして、国民の皆様方にわかりやすい道州制のイメージをお示ししていくことが必要だと考えております。
○とかしき分科員 ありがとうございます。
今お話が出ました北海道の道州制特区、法律の制定後どんな進捗状況にあるのか、今後の予定、そして、この特区の活動をどのように道州制議論に結びつけていくおつもりなのか、教えていただけますでしょうか。
○滝本政府参考人 お答え申し上げます。
道州制特区につきましては、道州制導入の検討に資する、そういう観点から、平成十九年に法律が、いわゆる道州制特区推進法が施行されておりまして、政府として今取り組みをしているところでございます。現在、北海道が道州制特区とされているところでございます。
この法律の施行時におきましては、北海道に対しまして、いわゆる民有林におきます直轄の治山事業など八項目の権限移譲が行われているところでございます。また、法律の施行以降、これまでに北海道から三回にわたりまして提案が行われておりまして、そのうち、まず第一次の提案を踏まえまして、水道事業の監督権限などにつきまして権限移譲を行っているところでございます。それからまた、今、第二次、第三次の提案につきましても、政府内において鋭意検討し、また、所要の準備を進めているところでございます。
今後のことでございますが、道州制特区は道州制に向けた先行的な取り組みでございますので、その成果につきまして国民がそのメリットを感じることができるように、それからまた、道州制に関しまして国民的な議論が深まりますように、引き続き法律の運用に努めてまいりたい、このように考えてございます。
○とかしき分科員 ありがとうございます。
やはり、北海道の特区をいかに上手に使っていくのか、ここで特徴を出して、繁栄の富を創出していく力があるというふうになりますと全国の取り組みも変わってくるかと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
そして、橋下知事も今積極的に、この道州制を何とか進めていって、やはり富の創出をしていかないと、このままでは借金を返していくことは難しい、そして関西を発展させていくのは難しいということで、橋下知事自身も声を大にして今道州制に対して発言をしておりますので、ぜひその声も受けとめていただきたいと思います。
そして、私、道州制の委員会をいろいろ拝見しておりますと、いつも同じようなメンバーの方が同じような話をなさっている印象がどうしても否めないわけであります。なるべく国民の皆様に広く、いまだに、道州制といっても、何のことですかという方が地元でも多くございまして、やはりこれは浸透度がかなり低いのではないかなというふうに思います。なるべく多くの方に参加していただく、経済の方だけでも結構なんですが、やはり市民の方に入っていただくことが私は大切ではないかなと思います。
そのようなときに、私のたまたま知っているNPOで、この道州制のテーマで、道州制ドットコムといってインターネットのホームページの中でわざわざ会議室を設けて話し合いをしたり、本まで出して、市民団体の中でも、道州制について真剣に取り組んで国民的議論を沸き上げていこうという努力をなさっている人たちもいるわけであります。そういった方々に協力を願いながら、市民の声を吸い上げていくのに効率がいい方法はないか、そういったことをぜひ検討していただくのも一つの方法だと思います。
こういった形で、なるべく道州制、これは日本がこれから発展していく上に絶対必要な最後の切り札とも言える政策であります。ですから、この政策を国民の皆様に理解をしていただいて、ぜひそのために頑張っていこう、地域の特徴を生かしながら栄えていこうよ、そういった大きな動機づけになるように、ぜひそういった政策、政策の周りの地盤づくりをしっかりとお願いしたいと思います。私も議員として一生懸命応援していきたいと思います。
それでは、道州制の話から、次は消防団の方のお話をさせていただきたいと思います。
道州制へ移行するに当たって、やはり地域の住民の方との連携、ここがとても大切になってまいります。地域発展のかぎ、地域の人たちとうまく連携をとっていく。そういうふうに考えていくと、やはり今の既存の組織も上手に使っていく必要があると考えます。
そこで、消防団なんですけれども、消防団は、災害発生時には、地域では消防本部と連携をとりながら活動に当たっている、大変重要な役割を担っております。消防団の皆さんは、それぞれ別の職業を持ちながら、火災発生時や大規模の災害発生時には消防本部とともに災害活動に当たっております。多くの災害現場で見られる人海戦術が必要なときは、消防団なくしては現場の対応は困難である、そんな意見もたくさん聞かれます。
しかし、御存じのように、近年の社会情勢の変化の影響を受けてか、消防団員の減少が深刻な問題となっております。私の地元の消防団の方を見ておりましても、本当にボランティア精神で一生懸命頑張ってくださっております。
年末も、私、地域の消防団の夜警の激励に参りまして、全部で二日間に分けて七、八十カ所回らせていただきましたけれども、皆さん、年末の大変な時期に集まって、地域の皆さんとともに夜警をしてくださっている。本当にボランティア精神にあふれて、本当に自己犠牲の上にこの私たちの安全性が守られているんだなということを私もひしひしと感じたわけであります。
何とかこの皆さんの思いに報いてあげたいなという気持ちはあるんですけれども、では報酬を上げるという話も単純に出てくるんですけれども、この財政難の折、報酬を上げていくというのも多分これは難しい話であるかなと思います。
そこで、叙勲とか褒章制度、これは今でも消防団の中では十分あるんですけれども、ある程度年数を重ねたりしないとなかなかその対象にならないわけであります。費用をかけずにモチベーションを上げていくというのは、やはり褒めてもらうというのが私は一番有効な方法だと思います。
ですから、もっと、若い人たちが入ったときに、消防団に入った、それに対して、仕事を何かしたときに、ちょっとでも誇りに思える、褒めてあげる、こういったことをなるべく頻度高くしていただけるとありがたいと思うんですけれども、総務省としては、消防団員の減少をどのようにとらえていらっしゃるのか、そしてその対策をどういうふうにお考えなのか、さらに、今お話しさせていただきました叙勲や褒章等の制度の一層の拡充、広報の活用など、どういった政策を今後お考えなのか、取り組まれていく予定なのか、その辺をお教えください。
○岡本政府参考人 お答えいたします。
今委員御指摘いただきましたように、消防団は、消火活動を初めといたしまして、大規模災害時に対応していただくということで、今委員御指摘のような、まさに地域の防災のかなめということで、義勇の精神を持って、常備の消防と連携しながら、非常に大きな働きをしていただいていると思っております。
団員が、平成元年に百万人ぐらいでございましたのが、近年、八十八万人、九万人ということで減少しておりまして、そういう意味で、消防団の強化拡充を図ることが非常に重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
このため、私ども、四つの視点から具体的に取り組んでおります。
一つは、今お話ございましたような、とにかく消防団員の数をふやしていくという意味での全国的な、サラリーマン、女性、学生の方々に御理解をいただく、そういうキャンペーンでございますとか、全国的なキャンペーンだけではなくて、やはりそれぞれの地域、特に地域に密接しております各消防署の単位、そういう単位での具体的な働きかけといったものをまずお願いいたしております。
また、今お話しいただきましたように、今、団員の多くの方々、七割ぐらいはサラリーマンの方でございますので、このサラリーマンの方々が活動しやすいような、企業主に御理解いただくようなことが必要でございますので、昨年の秋から、各企業の大手の団体、それから経済団体、それから主な企業に、具体に、個別に労務担当の方々にお願いに回っておりまして、その御理解を願うべく働きかけをさせていただいております。
また、もう一つは、今先生御指摘ございましたように、まさに団員の方々に対する社会的評価、モチベーションといったものを上げるという観点からの取り組みでございます。
団員の皆さん方に対します叙勲につきましては、この叙勲の枠を増加させたいということで、先生方のお力もいただきながら関係当局にも働きかけをしてまいりまして、昨年の春は四百四十名でございましたが、昨年の秋には、これを五十名増加させるということで、四百九十一名の方に叙勲を受けていただくということができました。またことしの春に向けましても同じような増加ができるように、今、関係当局と調整をいたしております。
また、褒章につきましても、今御指摘ございました、一定年数、経歴年数ではなくて、一定の、出動でありますとか、いわば出動率でありますとか、回数とか率、そういうような活動実績に応じたものにこれを変えていくということで、受章者の枠、例えば、四年ほど前の平成十六年でございますと五十名ほどでございますが、今年は百十八名というふうにこれを増加させるというような、まさに評価を上げて、それを叙勲や褒章にも反映させるということでやっておりますが、私ども、また今御指摘ありましたように、ぜひそれを高めていきたいというふうに考えております。
また、消防団員を初め吏員の方、災害時に活動して残念ながら殉職される方が何名かおられますが、昨年の秋、全国の消防殉職者の慰霊祭に内閣総理大臣に、初めて御本人に御出席をいただきました。まさに地域を守るために残念ながらその命をなくされた方々に対して、一国を代表する方にその慰霊に直接出ていただくということは、団員の方々の、そういう意味では非常に励みになるということでもございますので、ぜひ、こういういろいろな取り組みを通じまして、団員の方々に対する評価、それからまさに意欲を高めていただくような取り組みを続けていただきたいと思っております。
それから、当然のことながら、私ども、予算それから地方財政措置等につきましてもこれを充実して、団員の方々が活動しやすいような、そういう意味での財政措置、二十一年度の地方財政措置も交付税の需要で八%強ほど伸ばさせていただいておりますが、いろいろなそういう措置も講じまして、団員の方々の活動がより円滑に行えるようにいろいろ努めてまいりたいと思っておりますので、どうぞまたよろしくお願いいたします。
○とかしき分科員 どうもありがとうございました。
いろいろな取り組みをしていらっしゃるのはよくわかりました。しかし、もっとPRを頑張っていただきたいなと。ふだん、日中は別の職業を持っていらっしゃるわけですから、私は、そのふだんのときに、ああ、この人は消防団に入っているんだな、そして結構頑張って評価されているんだなというのをわかりやすくしてあげる必要があると思うんです。
ですから、例えば、今叙勲とか褒章とかありましたけれども、そういう仰々しいだけではなくて、表彰状だけでも結構ですし、もしくはそういったものをバッジとかにして、消防団の人が、入っているんだと、それは褒められると何本かラインが入るとか、そういったものも、ふだんの洋服の上でもつけられるように、そしてそれが、あら、このバッジは何なのと、これは実は、消防団で私はこういう活動をして、こういうふうにしたからこういうふうに褒められたんだよと、ふだん何気なく話題の中に提供できるような、消防団の人の口をみずから使ってPR活動をしていただけるような、そういったツールを考えていくことが、やはり現場で働いていらっしゃる方が一番の広報マンだと私は思いますので、そういった方々の熱のこもった言葉が一番ほかの国民の皆さんの心を動かしていくことにつながるかと思いますので、そういったツールもぜひ今後御検討いただきたい。
そして、その対象の人数も大幅にふやして、例えば、所属している人の一割ぐらいは受けられるような形のものを何か考えていくとか、そういった大胆な改革をしていただいて、消防というのはそういったボランティア精神で本当に社会ですばらしい人なんだ、どうもあのバッジをつけている人たちは本当に人格もすばらしいなと言っていただけるような雰囲気をつくっていくこと、これがやはり働いている人の一番の誇りになってくるかと私は思いますので、ぜひ、そういった形、環境をつくっていただきたいと思います。
それでは最後に、新型インフルエンザについてちょっとお伺いしたいと思います。
新型インフルエンザもいよいよ、史上最悪の強毒性ウイルスであるということで、日本もいつか、世界がいつかまた襲われるのではないかと非常に話題になっているものであります。これも一度感染してしまいますと、非常に恐るべき伝播力を持っていまして、飛沫感染だけではなくて空気感染もいたしますので、日常生活においてもこのウイルスの脅威にさらされてしまいます。
一九一八年には、二十世紀最大の被害と言われておりますスペイン風邪、世界の人口の約五〇%が感染し、四千万人から五千万人の方々が犠牲になられました。日本でも四十万人が亡くなっております。
今回の新型インフルエンザ、出てきますと、厚労省の試算によっても、四人に一人が感染し、六十四万人が死亡するとなっておりますけれども、これはスペイン風邪が流行したときの算出をもとにしておりますので、今はもっと人の動きが激しいわけでありますから、もっと感染力が高くなる、そして伝播力が非常に強くなることが予想されます。すると、やはりこれも被害がもっともっと甚大になるだろうという可能性があるわけです。
現在、自治体ごとにいろいろな対応に取り組んでいただいておりますけれども、確実に行動計画やガイドラインを作成している自治体もありますけれども、全くまだその対策を講じていない自治体が半数以上あるというふうに伺っております。
新型インフルエンザへの自治体の取り組みの現状をどのように把握なさっているのか、それぞれの自治体の温度差をどういうふうに考えていらっしゃるのか、仮にパンデミックが起こった場合に、自治体間の連携、これが結構重要になってくるかと思いますけれども、その連携をどういうふうにとらせていくのか、どこがイニシアチブをとっていくのか、その辺の対応について教えてください。
○中尾政府参考人 新型インフルエンザ対策につきましての自治体の取り組みでございますが、都道府県段階におきましては、すべての都道府県におきまして新型インフルエンザ対策に対する行動計画がつくられております。しかしながら、市町村におきましては、このような計画をつくっている自治体が約六%にとどまるというようなことでございまして、大変取り組みがおくれているという現状でございます。
このような中におきまして、厚生労働省といたしましては、市町村の取り組みをより推進するために、昨年、全国の市区町村の担当者に対する市町村セミナーというものを開催いたしまして、この場で新型インフルエンザ対策につきまして説明を行ったところでございます。また、政府の対策といたしまして、今月十七日、今週でございますけれども、新型インフルエンザ対策の行動計画の改定とガイドラインの策定を行いました。ここにおきましては、都道府県や市区町村の果たすべき役割分担を示すとともに、各自治体が地域の実情に応じて計画を策定することとしております。
今後とも、このような自治体の取り組みが推進されるよう、説明会の開催や情報提供に努めるとともに、御指摘の自治体間の協力体制の構築につきましても推進してまいりたいと考えております。
○とかしき分科員 ありがとうございます。
パンデミックが起こってしまいますと、医療従事者や保健所の職員、消防署の救急隊員とか、そのほかさまざまな職種いらっしゃいますけれども、最前線で活動される人々が一番感染の危険にさらされるわけであります。こういった人たちをいかに守っていくのか、そして感染をいかに拡大していかない、感染しないようにしていくのか、その辺の取り組みが必要だと思います。
私は、一番の取り組みは、動かないようにしていただく、とにかく人が動くとウイルスが飛んでいってしまうわけですから、やはり、パニックにならないで、家の中でじっとしていただく、これを徹底するのが一番の対策だと思いますので、そういった周知対策はやはり自治体の協力がないと、国からのメッセージだけでは弱いわけでありますから、ぜひ自治体、今、六%というちょっと衝撃的な数字でありましたけれども、ほとんどの自治体というか、一〇〇%の自治体がちゃんとインフルエンザ対策の計画がとれるように、ぜひお願いしたいと思います。
そして最後に、消防団の皆さんも、実は、多分、この最前線で働かれる方がまた多くなるかと思います。私の自治体でも、消防団の方々の力をかりようということで、マスクを一生懸命支給したりもしておりますので、こういった方々の御好意にこたえられるように、体制をしっかり整えていただきたいと思います。そのことを申し上げて、質問を終わりにさせていただきます。
本日は、どうもありがとうございました。